ローマの慣習を一新とは? わかりやすく解説

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ローマの慣習を一新

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 09:47 UTC 版)

ヘリオガバルス」の記事における「ローマの慣習を一新」の解説

セプティミウス・セウェルス帝のとき、ローマ帝国のなかでは太陽神信仰流行する傾向にあり、皇帝自身先に述べたように太陽神信仰一つであるエル・ガバルを奉じる神官であったシリアはもともと母系制社会であったが、女性太陽神祭司はなれないことになっていた。多神教社会であったローマで宗教寛容であり、領域拡大にともない各地土着神を受け入れていた。古くからローマで太陽神としてソール知られ、しばしばローマ神話にも登場しており、また、ペルシャ太陽神ミトラス奉ずる密儀宗教ミトラ教信じられていた。ただ、偶然なのか必然なのか、ミトラ教女人禁制であるのに対し、エル・ガバルは両性具有両性)の神性有していた。 ヘリオガバルス帝はローマでこうした太陽神信仰流行好機ととらえ、シリア太陽神エル・ガバルを古代ローマ多神教における最高神位置づけるべく「デウス・ソール・インウィクトクス」と尊称させ、天空神ユピテルをも従える存在とした。さらに、ユピテルに従うとされていたカピトリヌス三女神をエル・ガバルの妻と位置づけ、その権威高めようとした。ここにローマは、かつてのポエニ戦争以来敵対してきたセム系の神、神官およびそれを操る女性たち支配を受けることとなったヘリオガバルスは、ローマ皇帝の正式の称号に「常勝太陽神エル・ガバルの大神官」を追加した。 さらに、ヘリオガバルス帝は上述たように処女を保つ戒律持っていた巫女アクウィリア・セウェラとの結婚周囲認めさせ、神官同士交わりによって「神の子」が生まれると説いた。本来であればウェスタの処女」を辱めた者は殺され、この禁忌破った巫女もまた神の罰を避けるために生きたまま土に埋められる決められており、皇帝行為ローマにおける宗教的慣例一掃した挙行であった上記のように女神女神官を仰ぎ巫女対す厳し敷きたりを廃止するなど、当時としては珍しくヘリオガバルス女性対す尊敬憧れ、そして比較女性に対して寛容友好的な態度取っていた。 独自の宗教政策果てに、ヘリオガバルス帝は「ヘリオガバリウム」と呼ばれる巨大なエル・ガバル神の宮殿ローマパラティーノの丘パラティヌスの丘)に建設させ、故郷エメサから持ち込んだ黒い隕石神具として崇拝させ、毎朝、牛や羊が生け贄として捧げられた。歴史家ヘロディアヌスによれば黒石神界からの賜り物のごとく崇拝が行われた」とされ、表面文様太陽神エル・ガバルの姿を描いていると信じられていた。新たな崇拝対象への信仰心を示すため、ヘリオガバルス自身割礼行った。そしてまた女性格好をして、元老院議員対し、みずから踊り子として祭壇の前で舞う姿を見せた。そしてヘリオガバルスの珍しい善行として知られているのが、定期的に行われた市民対す食事の提供だ。ヘリオガバルスは神からの賜り称し老若男女貧富関わらず食事振る舞ったローマ民衆は、神殿皇帝からとして配られる食事目当て神殿祝祭殺到した伝えられる。そして、この祝祭仕上げに、「黒い石」が金細工宝石類飾り付けた馬引き戦車載せられ砂金敷かれた道を運ばれ街中凱旋したようすをヘロディアヌス記録している。 6頭もの巨大な白馬引かれ二輪戦車金銀細工飾られる絢爛なものだったが、異様に誰も乗っておらず無人走らされていた。しかしその周囲には護衛兵士併走しており、ちょうど無人豪華な戦車に「神が乗っている」事を想定しているようであったヘリオガバルス帝は戦車の前を走り、神と向き合っての手綱を握り、神を見上げながらパレード続けた。 ヘリオガバリウムの元に帝国中から神具神器集まりキュベレー神殿ウェスタ神殿神官学校などの宝物品や「トロイパラディウム像」や「マルスの盾(英語版)」、「ウェスタ聖火」などが持ち込まれた。こうした事由はヘリオガバリウムこそがローマ帝国唯一の聖地となるべきと考える事からのものだった

※この「ローマの慣習を一新」の解説は、「ヘリオガバルス」の解説の一部です。
「ローマの慣習を一新」を含む「ヘリオガバルス」の記事については、「ヘリオガバルス」の概要を参照ください。

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