ミンバルの歴史と機能とは? わかりやすく解説

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ミンバルの歴史と機能

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/24 05:48 UTC 版)

ミンバル」の記事における「ミンバルの歴史と機能」の解説

ミンバル」の歴史ムハンマド・イブン=アブドゥッラーフ時代遡り伝承によれば信徒たちにムハンマド良く見えるよう椰子の幹の下に座部のある2つの段を作らせたのだという。これはaʿwād'(ʿūd「木」の複数形)と呼ばれていた。タバリーの『世界の歴史』においてワーキディー(ドイツ語版)は説教壇設置ムハンマドの時代のことであるとしている。「この年(7/628)に預言者ミンバル作りこの上から人々説教するのが常であった2つの段と自身のための座部(maq'ad)を作った他の版では8/629としているものもあり、こちらも信頼できる思われる。」 初期のカリフたちもまた同様にしてミンバル使用した初期にはミンバル王座世俗権力象徴でもあったものであろう。 もともとは全てのモスクミンバルがあったわけではなかった。エジプト地域史アル=キンディ・アル=ミスリ971年没) は10世紀に、高名な租税管理人クッラ・イブン・シャリクの下で行われたフスタートの大モスク包括的な拡張工事について記録する中で、このモスクミンバル設置されたのはヒジュラ暦94年西暦712/713年)のことであった記述している。アルキンディ時代以前では、これがマディーナ預言者ミンバルに次ぐ2番目のミンバルであった。「彼(クッラ・イブン・シャリク)は94年新しミンバル設置した今日に至るまで、預言者ミンバルを除くとどこの行政区にもミンバル見られなかったと言われている。」 ハイデルベルク大学に伝わるパピルス巻物によると、フスタートには658-659年頃に既にミンバル存在しており、地方行政官世俗領分での演説を行う際に座席として用いていたという。 ウマイヤ朝初代カリフムアーウィヤダマスカスからメッカへの旅の際に自分ミンバル一緒に運ばせた。これが最初移動したミンバルであったろう。メッカ都市年代記作者アル=アズラキ(865年没)によればムアーウィヤメッカ金曜説教ミンバル行った最初の者であり、このミンバル3段しかなかったという。アンダルス歴史家によればウマイヤ朝ハカム2世ミンバルは955-956年のコルドバの大モスク完成後のもので、可動式であり車輪移動させることができたという。アッバース朝カリフアル=ワースィク(ドイツ語版)(治世:842-847年)はハッジ巡礼)の3つの重要な逗留地であるメッカミナ (サウジアラビア)(ドイツ語版)、アラファト山ミンバル設置するよう命じたアル=アズラキの調査によればそれぞれの逗留地で説教が行われたので巡礼儀礼における礼拝にこれらのミンバル役立ったのであるしかしながらウマイヤ朝になって以降ミンバル裁判官の座として用いられており、裁判官自宅前に自身ミンバル設置させ、そこで判決申し渡していた。ミンバルこうした使用10世紀カイラワーンでも立証可能である。公的法的な仕事進行手段としての説教壇モスクミンバルとは切り離された、世俗領分でのカディフランス語版)(裁判官)の私有であったミンバルモスクでの純粋に礼拝上の用途用いられるうになるのはアッバース朝になってからであった。「モスク純粋な礼拝建物へと発達するに伴いミンバル神政国家統治者王座から説教壇へと変化していった。」 イスラーム宗教建築一部としての初期の形ミンバル当初の姿のままでカイラワーンの大モスクフランス語版)に保存されている。これはアグラブ朝統治者イブラヒム2世フランス語版)により建造されたもので、材料ヒマラヤ杉はそのためにバグダードから直送されたものであった。この11段の説教壇には、後の木のミンバル特徴的な要素となる門と天井がまだ欠けている。装飾全体ウマイヤ朝様式である。 エルサレムアル=アクサー・モスク見られるように、ファーティマ朝では既にミンバル最終形到達していた。1168年ヌールッディーンアレッポモスクのために寄進し、サラーフッディーンエルサレムまでこれを運んだ。このミンバルには既にのある門とドーム状の覆い備わっていた。カイロのスルタン・ハッサン・モスク(ドイツ語版)とマドラサミンバル(現在は石造)も同様のデザインであったファーティマ朝の、枠構造覆われ様式を持つミンバルデザインのもう1つの例が上エジプトクス(قوص )のアムル・モスク現存している。ここではミンバルミフラーブ内部建築1つ単位構成しており、これらはファーティマ朝ワズィールでありアスワンクス知事でもあったTalāʾiʿ ibn Ruzzīq (طلائع بن رزيق)が1155年に街に寄進したものであったクスミフラーブ クスミフラーブ部分

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