マルクス主義研究とは? わかりやすく解説

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マルクス主義研究

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 02:01 UTC 版)

三木清」の記事における「マルクス主義研究」の解説

フランスより帰国パスカル研究者として日本評価されるものの、日本国内でのマルクス主義台頭の中、三木マルクス主義について研究始める。特に三木同様にドイツ留学していた福本和夫が、マルクス主義研究で成果上げていること知り『俺でも福本いなこと出来る、と傲語』(戸坂潤三木清氏と三木哲学103ページ上段14行目より引用)し、パスカル続いてマルクスについても研究始める事になった日本帰国後パスカル研究者として評価されたが、ドイツ留学し歴史哲学志した研究者が、マルクス主義について研究するのは流行を追うことだけが目的では無く、当然の帰結であるとも言える。 しかし、三木のマルクス主義研究はあくまでも研究であって三木マルクス主義者になったわけでは無い。親三木派赤松常弘が『三木マルクス主義者になったわけでは無い。』(「三木清哲学的思索軌跡79ページ15-16行目より引用 )と記載している。反三木派戸坂潤は「三木清氏と三木哲学」の中で、三木思想の変遷について批判している。戸坂によると三木マルクス主義について三木歴史哲学発展であると述べマルクス主義者になったわけでは無いと論じている。戸坂によると三木独創家では無く優れた解釈家であると批判した戸坂三木対す評価手厳しい。しかし、戸坂三木痛烈に批判した論文である「三木清氏と三木哲学発表後も酒を飲み交わす仲であった赤松時代状況の中で三木著述書かれているので時代切り離すことは出来ない述べている。 福本当時文部省留学生として三木同様にドイツ留学しマルクス主義を主に学び三木より一年早く1924年帰国している。帰国後は留学中学んだマルクス・レーニン等の論文引用して権威づけられた論文発表する1926年福本留学得た豊富な知識をもとに山川均方向転換論を批判し一気マルクス主義理論的指導者地位を得ることになった福本理論は、マルクス主義指導する党と、党に指導され大衆をはっきりと分離する事を基本としている。理論闘争によって革命的少数者の党を結成し、党が大衆指導することでマルクス主義主導権を党が掌握すべきである主張した福本は「福本イズム」にもとづく共産党秘密裏結成しマルクス主義指導者として1927年ロシア向かいコミンテルン承認得て一段権威付けを行う事を計画する。しかし、レーニン死後ロシアではスターリン世界永久革命目指すトロツキーまでも追放し党を独裁していた。このため当時コミンテルン山川福本日本共産党独自路線認めずソヴィエト連邦擁護中心とした日本共産党対する新方針押し付けられ福本否定されマルクス主義指導者としての権威失墜し党から離れざるを得なくなった福本ロシア渡った頃、三木上京する1927年6月時点友人丹羽五郎宛に唯物史観に関する解釈作り上げたとの書簡を送る。1927年最初マルクス主義論「人間学マルクス的形態」を岩波書店思想」に発表する1928年5月には既に「思想発表済みの「マルクス主義唯物論」(8月発表)「プラグマチズムマルキシズム哲学」(12月発表)に「ヘーゲルマルクス加えて四編論文構成される唯物史観現代意識」を発表する。「人間学マルクス的形態」は人間学から見たマルクス主義論じており、マルクス主義における人間論じているわけでは無く福本対す批判含まれていない。しかし、「プラグマチズムマルキシズム哲学」では理論闘争必要性強く訴え福本指導者大衆分離する考え方批判している。 1930年昭和5年5月三木日本共産党資金提供していたことで逮捕される三木逮捕拘留中に三木マルクス主義歴史学者服部之総によって観念論否定される具体的には、三木は「物質」を「解釈的概念」と捉えており、無条件物質存在として認め唯物論相反しているため、唯物論基本とするマルクス主義反しているという議論である。結果として三木福本同様にマルクス研究者としての権威失墜した。また11月懲役1年執行猶予2年判決受けて転向余儀なくされる

※この「マルクス主義研究」の解説は、「三木清」の解説の一部です。
「マルクス主義研究」を含む「三木清」の記事については、「三木清」の概要を参照ください。

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