マルクス主義者による定義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/04 21:52 UTC 版)
「ファシズムの定義」の記事における「マルクス主義者による定義」の解説
1935年には、ファシストの政治運動はヨーロッパ諸国で力を持ち、共産主義者の組織としばしば暴力行為が行われたため、マルクス主義者にとって「ファシズム」を正確に定義する事が、闘うために重要になった。このためコミンテルンは以下の定義を発行した。 力を持ったファシズムは、多くの反動の中でも、解き放たれた暴力的な独裁であり、最もショービニズム(熱狂的な愛国主義)であり、資本主義の最も帝国主義的な要素である。 マルクス主義者の多くは、コミンテルンのメンバーではない者を含め、この定義に賛成した。マルクス主義者は、ファシズムは支配階級(特に資本主義者のブルジョワジー)が直面している差し迫ったプロレタリア革命に対して、その権力を維持するための最後の試みとして登場した、と論じた。ファシストの運動は必ずしも支配階級によって「作られた」ものではなかったが、彼らは支配階級の援助により政治的な力を得る事によって、大きなビジネスから収益を上げることができた。そして権力掌握後、ファシストは彼らの後援者に利益を供与した。(全ての資本家にはその利益は必要でなかったが、彼らに権力を与えた特定の資本家には利益を供与した。)[要出典] レフ・トロツキーは以下のように記した。 ファシズムの歴史的な役割は、資本家達が労働者階級を、民主的な装置の助力により統治し支配する事ができなくなった時に、労働者階級を攻撃し、その組織を破壊し、政治的な自由主義を終了する事にある。 イタリア共産党設立者のアマデーオ・ボルディーガ(en:Amadeo Bordiga)は、ファシズムに対して少し異なった見解を採用した。彼はファシズムは、ブルジョワジーの規則の少し異なった形態であり、ブルジョワ民主主義や伝統的な王政と同じレベルとみなした。彼はファシズムを、特別に反動であるとか、何らかの例外であるとは信じなかった。 「マルクス主義者の百科事典」は、ファシズムを「右翼、猛烈なナショナリスト、哲学における主観論者、実践における全体主義者」と定義し、その特定を「資本主義の政府による極端な反動」としたが、この伝統的な定義を超えて以下のファシズムの9つの基本的な特徴もリストした。 右翼:ファシストは、マルクス主義、社会主義、アナキズム、共産主義、環境主義などを猛烈に攻撃する。本質的には、近代的左翼(社会民主主義など)を含む進歩的左翼全体を攻撃する。ファシズムは極右思想であり、オポチュニズム的と考えられる。 ナショナリズム:ファシズムは愛国心やナショナリズムを非常に強く強調する。(以下略) 階層:ファシストの社会は正義の指導者により統制されるが、彼はエリートで秘密の資本家の先導者によって支援される。(以下略) 反平等主義:ファシストは経済的平等や、移民と市民の間の平等の原則を嫌う。(以下略) 宗教性:ファシズムは、非常に大量な反動的で宗教的な信念を持ち、宗教がストイックで抵抗で純粋だった時代を思い起こさせる。(以下略) 資本主義者:ファシズムは資本主義から脱出する革命を求めない。(以下略) 戦争:ファシズムは不能な帝国主義段階にある資本主義である。(以下略) ボランティア思想:ファシズムは一種の「ボランティア主義」を採用し、意思の力を信じ、もし充分に力があれば、全てを真実にする。(以下略) 反現代:ファシズムは全ての種類の近代主義を嫌い、特に芸術の創造性や、あるいは生活を反映した芝居、または視点からの急速な逸脱や革新を嫌う。
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