マイクロウエーブとは? わかりやすく解説

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マイクロウエーブ【microwave】

読み方:まいくろうえーぶ

マイクロ波(は)。


マイクロ波

(マイクロウエーブ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/26 13:22 UTC 版)

マイクロ波を利用した多重無線通信設備。鉄塔に、レドームによって保護された複数のパラボラアンテナが取り付けられている。
電子レンジは、マイクロ波加熱を応用した家電製品である。

マイクロ波(マイクロは、: microwave)は、無線工学における波長電波の一種。歴史上、慣用的に使われてきた語であり、電波の周波数による分類において、短い波長域といった程度の意味である。その周波数領域は、広義にはおよそ300MHzから300GHz程度とかなり広い。総務省の電波利用ホームページでは、3GHzから300GHz(SHF帯)をマイクロ波として定義している[1]。この定義の場合、それを下回る1GHzから3GHzの範囲を「準マイクロ波」と呼ぶこともある[2]。一方、日本電信電話公社はマイクロウエーブ方式をUHF帯とSHF帯(すなわち、300MHzから30GHzまで)を使った通信方式の総称と定義していた[3]

概要

マイクロ波という用語は1940年代から文献に現れているが、その定義は複数あり、必ずしも明確ではない。日本では太平洋戦争前、電波は国家のものであったが、戦前のマイクロ波研究は電波兵器の研究開発を意味していた。

マイクロ波、ミリ波テラヘルツ波というような用法では、マイクロ波とミリ波は周波数帯域が重複していない。

マイクロ波の発振には、マグネトロンクライストロン進行波管(TWT)、ジャイロトロンガンダイオードを用いた回路などが用いられる。マイクロ波伝送線路には一般的に同軸ケーブルが使われるが、出力(電力・ワット数)の高いものには金属製の導波管が用いられる。また、近年ではマイクロストリップ線路など共に固体化(半導体)された発振器の利用も増えてきている。

マイクロ波の応用分野は広く、衛星テレビ放送、多重無線通信、レーダーマイクロ波加熱電子レンジ)、マイクロ波分光法マイクロ波化学マイクロ波送電マイクロ波イメージングなどがある。これらの分野で必要とされる学問がマイクロ波工学である。

日本の地上波アナログテレビ放送では、2012年3月末まで難視聴地域用に第63チャンネルから第80チャンネルまで12GHz付近が割り当てられていた。(「チャンネル (テレビ放送)」の記事を参照)

マイクロ波の周波数帯

以下に一般的に用いられる分類を示す。

IEEEマイクロ波の周波数による分類
名称 帯域GHz 用途
Iバンド –0.2
Gバンド 0.2–0.25 軍用航空無線
Pバンド 0.25–0.5
Lバンド 0.5–1.5
Sバンド 2–4
Cバンド 4–8
Xバンド 8–12
Kuバンド 12–18
  • 衛星テレビ放送
  • 通信衛星
Kバンド 18–26 通信衛星
Kaバンド 26–40
  • 通信衛星
  • 移動体通信 (5G)
Vバンド 40–75
  • レーダー
  • 通信衛星
Wバンド 75–111 電波天文学
EUNATOマイクロ波の周波数による分類
名称 帯域(GHz) 用途
Aバンド –0.25
Bバンド 0.25–0.5
Cバンド 0.5–1.0 800MHz帯
Dバンド 1–2
Eバンド 2–3
Fバンド 3–4
Gバンド 4–6
Hバンド 6–8
Iバンド 8–10
Jバンド 10–20
Kバンド 20–40
Lバンド 40–60
Mバンド 60–100

脚注

  1. ^ 周波数帯ごとの主な用途と電波の特徴 総務省 電波利用ホームページ
  2. ^ 横山光雄「準マイクロ波帯移動通信について」『RRLニュース』第128号、郵政省電波研究所、1986年11月、2025年1月22日閲覧 
  3. ^ 日本電信電話公社技術局、黒川広二 編『最近の電気通信技術』技研、1963年11月30日、61頁。 なお、本出典では周波数単位をMC(メガサイクル)と表記。

関連項目


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