フランス王国の古典ゴシックとは? わかりやすく解説

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フランス王国の古典ゴシック

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 09:27 UTC 版)

ゴシック建築」の記事における「フランス王国の古典ゴシック」の解説

1194年火災によって焼け落ちたシャルトルノートルダム大聖堂は、1210年には身廊再建され1230年頃にはおおよそ完成をみた。盛期ゴシック最高傑作呼ばれるこの大聖堂は、ランパリノートルダム大聖堂踏襲した平面袖廊ラン二重歩廊パリをもっているが、内部はかなり独創的な空間になっている身廊側の身はヴォールトの始まる高さまで真っすぐ伸びており、それまで聖堂独立した印象与えていたのに対してリブとともに垂直性の高い輪郭となっている。身廊壁面は高いアーケードと低いトリフォリウム、そして採光を得るためにアーケードと同じ高さのクリアストーリ持った3層構造となっており、パリノートルダム大聖堂比べる全体プロポーション再構成されているのがわかる。ここに嵌め込まれ166もの聖書モティーフちりばめたステンドグラス多数彫刻飾られ扉口によって、シャルトル大聖堂は、しばしば中世スコラ学世界結晶みなされ、「凍れる音楽」とも評される。なお、「凍れる音楽」という言葉ドイツの哲学シェリング由来すると言われる13世紀に、シャルトル大聖堂当時流行した形式沿うような大規模な改修計画されたが、大聖堂内部完成度の高さが、それを断念させるほどであった外観については、本来7つの塔が建てられる予定だったが、こちらは未完成に終わっている。シャルトル大聖堂影響大きくソワッソン大聖堂内陣ランスアミアンノートルダム大聖堂にそれを見ることができる。 ランスノートルダム大聖堂は、歴代フランス国王聖別する司教座であり、政治的な意味でも重要な聖堂である。その平面立面構成は、シャルトル大聖堂準じたもので、装飾除けば両者の違いほとんどないランス大聖堂は、シャルトルとは対照的に内部空間にも植物模した豊かな装飾をもっており、この点はシャンパーニュ地方特性示している。外観についても、シャルトルよりも豊かな装飾飾られており、フライング・バットレスを受けるキュレの修まりはより洗練されている。ただし建設過程は複雑で、4人の主任建築家入れ替わっており、これによる施工上の混乱見られるアミアンノートルダム大聖堂は、盛期ゴシックの最も洗練された大聖堂である。1221年にロベール・リュザルシュによって計画されその大きさは、前述大聖堂全て凌駕しており、このため身廊最上部の薔薇窓下に四組窓が追加されている。一つベイに対して二つの三組アーチの窓が取り付けられ、これらを除いては、ほとんどシャルトル形態共通するが、その構成は完全なる均衡保っている。内陣はすでにクラシカル・ゴシックのものではなく、レヨナン式ゴシック段階達している。 シャルトル系譜連なる最後大聖堂は、ボーヴェサン・ピエール大聖堂である。構造的には完全な失敗作で、1284年大規模な崩落おこしたが、そのまま16世紀まで再建行われなかった。この大聖堂の建設以後、この種の大聖堂はまった建設されなくなったシャルトルゴシック建築一つ頂点であるが、これとは異なった系統属す聖堂存在する盛期ゴシックは、シャルトル大聖堂確立され系譜のみで語れるものではなくイングランドノルマンディライン川流域アルプスでは、全く別系統様式採用された。 ブールジュサン・テティエンヌ大聖堂は、シャルトルとほぼ同時期に建設された。平面は、パリノートルダム直接源泉としているように思われるが、袖廊はなく、主廊立面は、全体的にほっそりとした印象与える非常に高いアーケードと、背の低いトリフォリウム、小さなクリアストーリから成るシャルトル比べる重量の軽い構造出来ており、このため構成はとても独創的で、他のいかなるゴシック教会堂にもこれに類似するものはなく、またこの構成真似たものもたいへん少ない。 ブールジュ影響受けた数少ない建築物一つに、ル・マン大聖堂がある。この聖堂の建設経緯複雑なものであったらしく、ブールジュとの共通点は高いアーケード保有することをおいて他にない。この部分は、従ってブールジュ建築家の手よるもの考えられる高窓高くするためにトリフォリウムが排除され身廊立面アーケードとトリフォリウムの二層構造であるが、これは後のレヨナン様式到来告げるものである

※この「フランス王国の古典ゴシック」の解説は、「ゴシック建築」の解説の一部です。
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