フランス王国のレヨナン式とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > フランス王国のレヨナン式の意味・解説 

フランス王国のレヨナン式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 09:27 UTC 版)

ゴシック建築」の記事における「フランス王国のレヨナン式」の解説

1250年頃に始まる後期ゴシック建築は、それまでゴシック建築様相とは本質的に異な複雑な現象である。後期教会堂建築は、どちらかと言うと小型化様相示しており、これによって内部空間立面上・中・下と区切る分節解け装飾対す嗜好性全体空間対す意識凌駕するようになったフランス後期ゴシック特徴づけるのは、全体ダイナミックな躍動感ではなく細部技巧的洗練開口部拡大である。このような現象第一歩1250年から始まるレヨナン式で、これは先行するいくつかの建築物にその萌芽見られるサン=ドニ大聖堂は、シュジェール院長による工事の後、1231年教会堂はさらに再建工事が行われ、1281年竣工した。この工事内陣の上部が建て直され身廊袖廊新規に建築された。身廊クリアストーリ拡大されたため、トリフォリウムの上全てランセット窓で構成されており、また、トリフォリウムの外側の壁にも開口設けられたため、身廊立面全体透明な壁化している。サン=ドニのように質量感を出さないような意匠は、1235年頃に建設されサン・ジェルマン・アン・レー城館の礼拝堂にも見ることができる。礼拝堂の窓と西側バラ窓浮き彫りはレヨナン式の意匠そのものであるが、一方で二重シェル式壁に特有の(特にブルゴーニュ特有の特徴をも備えている。 サン=ドニ含めた1230年から1250年頃の建築物は、レヨナン式ゴシック前段階にあたるもので、コート・スタイルあるいはステイル・ロワイヤル(宮廷様式)とも呼ばれる聖王ルイ東ローマ帝国から購入したキリストの荊冠保管所として、1242年頃に建設されサント・シャペル礼拝堂は、控壁鉄製補強材によって、軽やかな内部空間形成している。ステンドグラス彫刻技巧性が高く、レヨナン式ゴシックへの傾向如実に現している。 パリに残るこの時期建築物は、ノートルダム大聖堂袖廊で、1245年から1250年にかけて建設された。トリフォリウムに類似する横に長いギャラリーと、その上部に設けられ巨大なバラ窓、そしてその間のスパンドレルにも設けられ開口部が、壁の重量喪失させる。また、袖廊ファサードは、後にフランス国内外模倣されるほどの影響力持ったサン=ドニパリノートルダムは、トロワ大聖堂内陣1236年頃に起工されたストラスブールノートルダム大聖堂影響与えている。特に後者は、レヨナン式の影響神聖ローマ帝国領内拡大させたと言う意味で重要である。オットー朝時代建設され基礎の上建設されストラスブール大聖堂は、ブルゴーニュ特有の意匠踏襲しつつ、コート・スタイルの要素取り入れたものとなっており、ファサードについてはパリノートルダム大聖堂袖廊影響認めることができる。 サン=ドニサント・シャペルで高度に洗練されたレヨナン式ゴシックは、北フランス南フランス、そしてイングランド神聖ローマ帝国にまで広がる同時にイタリアスペインでは、これに反抗するような意匠形成されたが、14世紀前半になると、教義的と呼べるほどに体系化された。このため後期ゴシック建築は、教条的で懐古趣味的と批判されることもある。実際に1284年完成したボーヴェサン・ピエール大聖堂後陣1272年起工されたナルボンヌ大聖堂1280年頃に起工されたボルドーサンタンドレ大聖堂1308年起工ヌヴェール大聖堂など、レヨナン式の教会堂挙げることができるが、これらには特に目立った形態進展はない。

※この「フランス王国のレヨナン式」の解説は、「ゴシック建築」の解説の一部です。
「フランス王国のレヨナン式」を含む「ゴシック建築」の記事については、「ゴシック建築」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「フランス王国のレヨナン式」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「フランス王国のレヨナン式」の関連用語

フランス王国のレヨナン式のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



フランス王国のレヨナン式のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのゴシック建築 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS