フランスのオートノーム運動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/25 05:36 UTC 版)
「オートノミズム」の記事における「フランスのオートノーム運動」の解説
「フランスにおけるオートノーム運動(フランス語版)」も参照 フランスにおいては、、コルネリュウス・カストリアディスが指導するマルクス主義者グループの「社会主義か野蛮か」(フランス語版)派が最初のアウトノミア集団であるといえる。「社会主義か野蛮か」派はアメリカのジョンソン=フォレスト潮流の自動車産業研究に追いつき、次いでランク・アンド・ファイル労働者の闘争、すなわち組合ないし党的指導から自律的な闘争に関する独自の調査に乗り出した。 ジョンソン=フォレスト潮流とほぼ同時期に、「社会主義か野蛮化」派はソ連の共産党政権を官僚的集産主義(英語版)であり社会主義とは縁もゆかりもないと批判していた。哲学者のジャン=フランソワ・リオタールがこの運動の一員であった。 しかし、イタリアのオペライズモ運動の影響は、アントニオ・ネグリに近い経済学者のヤン・ムーリエ・ブータン(フランス語版)による批評誌Materiaux pour l'intervention(1972年―73年)の創刊によりその兆しを見せた。これはのちにカマラード派(1974年―78年)の創立に結実した。ムーリエ・ブータンは他の者たちとともに、フェリックス・ガタリによって設立されたCentre International pour des Nouveaux Espaces de Liberte (CINEL)に参加し、少なくとも300人以上の、テロリストであるとして訴追されフランスに逃亡したイタリア人活動家を支援した。 フランスのオートノーム運動はパリジャン・オートノーム集団会議(AssembbleeParisienne des Groupes Autonomes; AGPA, 1977年―78年)を結成した。その中には多くの潮流があり、ムーリエ・ブータンが率いるカマラード派、リバタリアン共産主義組織(Organisation communiste libertaire)の者、Bob Nadoulekの「欲求のオートノミー」を自称する人々、都市の土地不法占有者(groupe Margeなど)が含まれた。フランスのオートノーム組織は拘留された赤軍派(ドイツ赤軍)元メンバーを支援した。ジャン=ポール・サルトルもまた赤軍派の被拘禁者の拘留条件に介入した。 1979年に過激派の直接行動(アクシオン・ジレクト)派が出現し、いくつかの暴力的直接行動を実行した。直接行動派はルノーのCEOであるGeorges BesseとGeneral Audranの殺人に対する責任を主張した。直接行動派は1987年に解散した。 1980年代には、相次ぐ訴追によりイタリアのアウトノミア運動は危機にさらされたため、オートノミア運動はフランスやドイツにおいて盛んとなった。それらはパリの占拠運動や暴動(1980年のジュシュー・キャンパス(フランス語版)周辺や、1982年のアルデンヌでの反核デモに起因するものなど)として現れた。1986年から1999年にかけて、多くは反刑務所運動に取り組んでいたパリのオートノミアグループのうちすべてから支援を受けいた、民主的な集会によって意思決定される数百人規模のフランスのグループである貧民委員会(フランス語版)が、労働者の過酷な下宿不足を非難するために、フランス国家社会住宅局のいくつかの建物を占領した。 1990年代、フランスのオートノームは怒れる労働者・失業者・爪弾き者(フランス語版)やジュシュー非雇用人民一般会議(フランス語版)ともに、失業者闘争の中に現れた。また、反グローバリゼーションの動きに加わり、不法滞在外国人運動(Collective Des Papiers pour tous 1996年)や反追放集団(1998年-2005年)に連帯した。2002年7月19日から28日にかけてストラスブールにおいて、No borders(英語版)による、特にシェンゲン圏における反移民政策への抗議キャンプが開催された。 2003年、フランス社会党が欧州社会フォーラム(ヨーロッパ社会フォーラム)(フランス語版)に参加した。その年の12月末、数百もの非雇用人民がボン・マルシェ百貨店において「クリスマスを祝えるように」商品を好き勝手に取っていった(この行動は「自律還元(autoreduction)(フランス語版)」と呼ばれる)。フランス保安機動隊は店内の非雇用人民に対して物理的攻撃を仕掛けた。オートノームは2006年の初期雇用契約に反対する2006年の抗議行動(フランス語版)や、2007年フランス大統領選挙でニコラ・サルコジが大統領に選出された際に暴動を起こした。
※この「フランスのオートノーム運動」の解説は、「オートノミズム」の解説の一部です。
「フランスのオートノーム運動」を含む「オートノミズム」の記事については、「オートノミズム」の概要を参照ください。
- フランスのオートノーム運動のページへのリンク