パーキン (菓子)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/24 16:39 UTC 版)

パーキン(Parkin または Perkin)は、オートミールと糖蜜を伝統的な材料とした[1]、イングランド北部生まれのケーキである。ヨークシャー、中でもリーズ周辺の名物として知られるが[2]、ランカシャーなど他の地域でもよく見かける。一般にはしっとりとした湿り気のある食感で、ときに粘り気があるほどである。ただし、キングストン・アポン・ハルとイースト・ヨークシャーのパーキンは、普通よりも乾いた焼き上がりで、ビスケットに近い食感である。ガイ・フォークス・ナイトに食べる伝統があるが[3]、その他の日にも一年中楽しまれる。ヨークシャーでは商店で売られていることもあるが、それ以外の地域では各家庭で作るお菓子である。
パーキンの起源は明らかではない。文献上の初出は1828年発行の『Craven Glossary』であるが、もっと以前から存在していたものと推測されている[4]。その特徴であるオートミールと糖蜜は、北部の労働者階級にとって18世紀後半から19世紀前半にかけての産業革命期に特に重要な食品だったことから[5]、その頃にパーキンも生まれたのではないかと考えられる。
英語のパーキンの綴りは“Parkin”と“Perkin”の2通りが見られる。後者はミッドランド訛りである。いずれもイギリス人のファーストネームとしてよく見られる。語源をたどると“Peter”(ピーター)の縮小辞であり、かつては愛称でもあった。
作り方
主な材料は、小麦粉、オートミール、黒糖蜜(モラセスまたはトリークル(en)と呼ばれるシロップ)、油脂(伝統的にはラードだが、現代風にはバターかマーガリン)、そしてジンジャー・パウダーである。オートミールや糖蜜を使わないレシピもあるが、それでは一般的なジンジャーブレッドと変わらないことになる。糖蜜と併用または代用する甘味料としてブラウン・シュガー、ほかに卵や牛乳を加えることもある[6]。
パーキンが作られるイングランドの小麦粉は少量の化学的な膨張成分を含んでいるので、特にベーキングパウダーなどは加えなくても問題は無い。ただし、この種の小麦粉が手に入らない場合や、オートミールが多めの配合の時には、ベーキングパウダーか重曹、酒石酸水素カリウムを加える必要がある。
手順は、まず小麦粉やオートミールをふるう。ついで糖蜜やブラウン・シュガーを油脂とともに鍋で溶かして加え、ジンジャー・パウダーなど一切の材料を混ぜ合わせる。できた生地を、バターを塗っておいた焼型に流しいれ、オーブンで焼く。冷ましてから型より取り出す[6]。食べるときには、画像のように四角く切り分けて供することが多い。
パーキンの特色の一つは保存性の高さで、密閉できる缶や箱にしまえば、1-2週間は美味しく食べられる。実際、作ってしばらく寝かせたものの方が通好みである。できたてのパーキンはあまり歓迎されないが、リンゴやグースベリーなどの果物のコンポートに添えて食べることはある。日曜日のデザートに食べた残りを、平日の食卓のおまけにも使えるパーキンの保存性の良さは、労働者階級の生活にぴったりと合うものだった。かつては、パーキン保存専用の木箱まで存在した[4]。
脚注
- ^ Chris Roberts, Heavy Words Lightly Thrown: The Reason Behind Rhyme, Thorndike Press,2006 (ISBN 0-7862-8517-6)
- ^ Margaret Bates (1964). Talking about Cakes. Penguin Books, p.88
- ^ Dan Lepard on how to bake 100-year-old parkin | Weekend | Guardian Unlimited
- ^ a b 北野 p.153-154
- ^ E.P. Thompson (1965). The making of the English Working Class. Pelican Books, p.319
- ^ a b 北野 p.147
参考資料
- 『コンサイスオックスフォード英語辞典(en)』, s.v. parkin
- 北野佐久子 『ハーブ歳時記』(東京堂出版、1990年)
「パーキン (菓子)」の例文・使い方・用例・文例
- パーキンソン病は神経精神医学的な病気だ。
- 提唱から50年以上経った今も、パーキンソンの法則は今日のビジネス慣行をさまざまな角度から正確に説明している。
- 私たちはそのパーキングエリアに10:00に着きました。
- 私たちは帰りにそのパーキングで休憩をしました。
- パーキング料金
- パーキングメーターに使いたいんです。
- 重度の肉離れとパーキンソン症候群を治療するのに用いられる骨格筋弛緩薬(商標名ノルフレックス)
- パーキンソン症候群で震えを軽減するのに用いられる薬(商標名Kemadrin)
- ある組織の従業員の数はやるべき仕事の量に関係なく直線的に増加するというC.ノースコート・パーキンソンの皮肉な観測
- 仕事は、完了させるのに割り当てられた時間いっぱいまで延びるという、シリル・ノースコート・パーキンソンの冷笑的な観察
- 時にパーキンソニア属に分類されるとげのある低木または高木:パロベルデ
- 歩幅の無意識の短縮と、いくつかの疾患で起こる進度を早めること(例えばパーキンソン病)
- 中枢神経系の異常により起こる,パーキンソン病という病気
- ES細胞はパーキンソン病やアルツハイマー病などの難病治療のかぎとなることが期待されている。
- 日本初の二輪車用パーキングチケットシステム
- そこで先日,警視庁は日本初の二輪車用パーキングチケットシステムを導入した。
- オートファジーの不調はアルツハイマー病やパーキンソン病,がんを含むさまざまな病気を引き起こすと考えられている。
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