ハクキンカイロの歴史とは? わかりやすく解説

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ハクキンカイロの歴史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 08:41 UTC 版)

ハクキンカイロ (企業)」の記事における「ハクキンカイロの歴史」の解説

大正末期創業者的場仁市がイギリスプラチナ触媒ライター参考に、プラチナ触媒作用利用して気化しベンジンゆっくりと酸化発熱させる懐炉独自に発明し1923年(大正12年)に「ハクキンカイロ白金懐炉)」の商品名発売した。ジッポーライターの登場(1932年)より9年先駆け登場で、富裕層向けのカイロ(当時庶民カイロ主流であった)や、北支満州など寒冷地帯に駐留する兵士慰問品、南極観測隊常備品などとして広くその名が知られた。 ハクキンカイロ発熱作用燃焼とは異なる為、原理上は揮発油用い内燃機関予熱にも利用ができる。実際に戦前満州駐留する日本陸軍使用していた国産軍用トラックは、零下30度にも達す冬の朝オイルパンの下に練炭コンロを置き、キャブレターハクキンカイロ括り付けエンジン予熱を行う必要があった。一方で同時期のフォードシボレートラックそのような作業を行わなくても始動出来たともいわれるこのような背景もあり、第二次世界大戦中ハクキンカイロ社は戦闘機エンジン予熱機材、つまりは特大ハクキンカイロ製造にも注力した。 水冷エンジン冷却水経路電熱器予熱するブロックヒーター英語版)がカナダ発明されるのは1940年(昭和15年)、一般に市販されるうになるのは1949年(昭和29年)になってからであり、このような電気製品登場までは、カナダでは空冷星型エンジン極寒環境始動する為には、着陸後毎度エンジンオイルをブローポットと呼ばれる灯油コンロ付きバケツ抜いてエンジン始動前に加熱する必要があり、自動車(フォード・モデルA (1927-31年)(英語版))でもオイル抜いて夜間暖炉利いた室内保管する始動前に暖炉焼けた石炭エンジンの下に敷く、インテークマニホールド熱湯掛けるなどの作業必須という状況で、極寒地域ではどこもエンジン冷間始動対策には苦慮していた中で、ハクキンカイロ冬季装備軍需品としての価値認められていたのである。 そのため物資統制下で、ハクキンカイロは「国民健康維持不可欠な保健用品」として当局より製造継続許可され本体材質真鍮からステンレス切り替え敗戦直前大阪大空襲による工場全焼まで製造された。戦中真鍮供出に伴う材質変更戦中モデル存在)や、90年上の間基本構造がほぼ不変で現在に至るなど、後にOEM生産提携するジッポーとも共通点が多い。 戦後1950年代より国外輸出開始1964年(昭和39年)には第18回夏季オリンピック東京大会聖火リレーにて、聖火トーチの炎が消えた場合バックアップとして、特製ハクキンカイロ用意されていた。この他に、1985年夏季ユニバーシアード神戸大会)・1998年長野オリンピックでも聖火輸送使用されている。 なお、ハクキンカイロ原理応用した製品は、現在では火災報知器動作確認機材がある。

※この「ハクキンカイロの歴史」の解説は、「ハクキンカイロ (企業)」の解説の一部です。
「ハクキンカイロの歴史」を含む「ハクキンカイロ (企業)」の記事については、「ハクキンカイロ (企業)」の概要を参照ください。

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