シロツメクサの花言葉
シロツメクサ花言葉の由来
#聖パトリックの布教活動が由来になった説シロツメクサの花言葉である「約束」はキリスト教の修道士である聖パトリックが由来と言われている。キリスト教の家庭に生まれたパトリックは子供の頃に海賊に誘拐され、奴隷としてアイルランドに売られたことがある。奴隷として過酷な生活を強いられている中、神からのお告げを受けたパトリックはアイルランドにキリスト教を広めようと決意した。パトリックはアイルランドを脱出して故郷に逃げ帰り、修道士になるための勉強に励んだ。奴隷として虐げられていた地に出向いて布教を行うことにパトリックの家族は反対したが本人の気持ちは変わらず、神のお告げは絶対に果たさなければならない約束であるとして再びアイルランドに足を踏み入れたのである。
パトリックの布教は他の修道士とは異なり、土着の宗教を否定しないものであった。アイルランドは古くからドルイド教が信仰されていたが、パトリックはドルイド教を嘘に満ちた邪教と蔑むのではなく、神を崇めて清く生きることを是とする教えがキリスト教と共通していることを強調した。対立するのではなく、ドルイド教とキリスト教を融和させることで神の教えを広めたのである。パトリックはキリスト教の教義である三位一体を説く際に三つ葉のクローバーを用いた。ここからクローバーの葉、あるいはシロツメクサの花に「約束」の花言葉がつけられたと言われている。
#シロツメクサの生命力からつけられた説
シロツメクサはいくら抜いても根の切れ端がわずかに残っているだけで再び繁殖するほど生命力が強い。また、クローバーの葉がちぎれて土に埋もれてもそこから新しい芽が出てくる。この生命力の強さからシロツメクサは永遠の命を神に約束されたという迷信が生まれ、「約束」の花言葉になったと言われている。「幸運」の花言葉は他の植物が生えないような荒れた土地でもシロツメクサだけは繁殖することからつけられている。シロツメクサがどのような土地でも育つのは神から授けられた幸運のおかげと信じられていたためである。
シロツメクサの英語の花言葉
シロツメクサの花言葉を英語でいうと「think of me(私を思って)」「promise(約束)」などになる。シロツメクサ色別の花言葉の解説
シロツメクサは花の色でそれぞれ異なる花言葉がつけられている。シロツメクサの白い花には「私を思って」「約束」などの花言葉がつけられている。白色は無垢や純真、正義などを意味する色とされ、そこから「約束」などの花言葉が用いられた。アカツメクサとも呼ばれているムラサキツメクサの花言葉は「勤勉」「実直」「豊かな愛」などがある。アイヌ神話にある、愛する青年の死を嘆いて自ら命を絶った女性の話が元になってこれらの花言葉が用いられるようになった。女性が命を絶った川辺にはムラサキツメクサが咲くようになり、これは命を絶った後でも青年を愛する気持ちが花という形で残ったと解釈された。ここから「実直」「豊かな愛」という花言葉がつけられたのである。「勤勉」はやせた土地でも枯れずにすくすく育つ生命力の強さから来ている。
シロツメクサ本数別の花言葉の解説
シロツメクサには本数に由来する花言葉は存在しないが、クローバーの葉の枚数によって固有の花言葉がつけられている。葉の枚数で花言葉が変わる花は非常に珍しく、シロツメクサならではの特徴と言っても過言ではない。一つ葉の花言葉は「始まり」「開拓」「初恋」などがある。いずれも一枚の葉に物事の始まりを準えた言葉であり、ポジティブな意味として用いられる。二つ葉には「平和」「調和」などの花言葉があり、クローバーの葉が向かい合う形で生えている様から来ている。もっとも多く見かける三つ葉のクローバーには「約束」の他、「愛」や「希望」の花言葉がある。ありふれた枚数だからこそ明るい未来を感じさせる花言葉がつけられたと言える。四つ葉のクローバーは古くから幸運のシンボルとして知られているが、これはそれぞれの葉に「希望」「信仰」「愛情」「幸福」の意味があり、すべて揃うことは非常に稀なことが由来になっている。五つ葉には「財運」「富」、六つ葉には「名誉」の花言葉があるものの、四つ葉よりも多い枚数のクローバーは自然界ではほとんど見られない。花言葉が流行した際、葉の枚数ごとに異なる花言葉がつけられたのが由来である。
四つ葉のクローバーは幸運のシンボルとして知られているが、葉の枚数が多いほど縁起が良いとされているので、シロツメクサで花束を作るなら葉の枚数にこだわるのが贈る相手への気配りと言える。花にこだわる場合はシロツメクサ固有の花言葉ではなく、花束に使われる花の本数に基づく花言葉を用いるのが一般的である。花束の花言葉は本数ごとで異なるが、50本以上の大きな花束になると「あなたと結婚したい」など愛の告白を意味する花言葉が主流になる。
10本ほどの少数の花束には「あなたを尊敬します」「あなたを忘れない」など敬愛の意味を持つ花言葉がつけられている。そのため、目上の人への挨拶や墓前へのお供えなどに適している。花の本数が16本では「不安な愛」、17本では「絶望の愛」と悪い意味の花言葉になるので花束を作る際は本数に注意しなければならない。
シロツメクサの怖い花言葉
シロツメクサには「復讐」という怖い意味の花言葉がある。これはシロツメクサが持つ「私を思って」「約束」などの花言葉が裏返しになった結果と言える。思いや約束が裏切られると相手に抱いた愛が憎悪に変わる。憎悪は相手への攻撃に発展することが多く、そこから「復讐」の花言葉が生まれた。「復讐」の花言葉は特に四つ葉のクローバーが持つ意味になるが、これは十字の形で生える四枚の葉を十字架に見立てているためである。十字架はキリスト教のシンボルだが、同時にキリストが処刑された際のはりつけの形でもある。十字架のはりつけは元々、罪人を処刑する際に使われていた形であり、そこから死を連想させることもあるネガティブな言葉の「復讐」が使われるようになった。「復讐」の花言葉は聖パトリックによってキリスト教が広まったアイルランドの人々の心情から来ている説もある。アイルランドは土着の宗教であるドルイド教が信仰されていたが、パトリックの働きによってキリスト教が信じられるようになった。パトリックはドルイド教を排斥せず、キリスト教と融和させる形で布教活動を行っていたが、すべてのアイルランドの人々がその活動を肯定していたわけではない。ドルイド教をキリスト教と融和させることに嫌悪感を抱いた人も存在していた。自分たちの信仰が捻じ曲げられたと思い、キリスト教に敵意を向けるようになった人の心情が「復讐」の花言葉を生んだとされている。
シロツメクサの長い地下茎を編んで冠や首飾りを作る遊びは古くから知られているが、一部の地域では戦争で捕らえた兵士を嘲るために使われていた。シロツメクサは過酷な環境でも繁殖する生命力が強い植物だが、一方で背丈が低く、地面を這うように増えることから見苦しい花と嫌悪されることがあった。また、他の植物の陰になって成長が妨げられることから、しぶといが強い者には敵わない花と見なされた。戦争に負けて囚われの身になった兵士の姿をシロツメクサに見立てて、侮蔑する意味でシロツメクサの冠や首飾りを使っていたのである。このことから、シロツメクサで作った飾りを贈るのは「あなたを軽蔑する」「愚か者」などと相手を非難する意味を持つようになった。
※ 花言葉の内容は諸説あります。
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