サイノス
英語のCynosure(目標・賛美の的という意味)から命名。1991年1月に初代モデル発売。
ターセル、コルサ、カローラⅡのフロアパンを利用して誕生した小型クーペで、トヨタではこの形態のクルマを、従来のハッチバックに代わる。あるいはハッチバックから移行するクルマという設定で開発した。日本でもハッチバックは完全に定着したが、その一方で、生活臭があるとの批判もあり、それを踏まえての解答だった。初代モデルのエンジンは4気筒・DOHC・16バルブ・1.5Lで、ATは電子制御のECT-Sと進歩的だった。TEMSサスペンションがオプションで注文できた。
95年9月にフルモデルチェンジ、2代目となった。ターセル・コルサ系をベースにした2ドアクーペというコンセプトに変化はない。エンジンは廉価モデル用として1.3Lを追加、1.5Lと合わせて2種。ミッションは前者が4速MTまたは3速AT、後者が5速MTまたは4速ATという組み合わせ。96年9月には2+2シーターのコンバーチブルを設定した。手動開閉式のソフトトップを架装したモデルだった。97年12月、GOAボディに変更、同時にマルチリフレクターヘッドランプや新外板色の採用などがあったが、99年7月をもって生産を終えた。
トヨタ・サイノス
サイノス(CYNOS)は、トヨタ自動車が生産・販売していたクーペ型の小型自動車である。日本国外ではパセオ(PASEO )を名乗る。
初代 EL40型(1991年 - 1995年)
トヨタ・サイノス(初代) EL4#型 | |
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概要 | |
販売期間 | 1991年1月 - 1995年9月[1] |
ボディ | |
乗車定員 | 4人 |
ボディタイプ | 2ドアノッチバッククーペ |
エンジン位置 | フロント |
駆動方式 | 前輪駆動 |
パワートレイン | |
エンジン | 5E-FE型 1.5L 直4 DOHC 5E-FHE型 1.5L 直4 DOHC |
最高出力 | 5E-FE型:105PS→100PS 5E-FHE型:115PS |
最大トルク | 5E-FE型:12.9kg·m→12.8kg·m 5E-FHE型:13.8kg·m |
変速機 | 4速AT、5速MT |
サス前 | 前:ストラット式 後:トレーリングツイストビーム式 |
サス後 | 前:ストラット式 後:トレーリングツイストビーム式 |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,380mm |
全長 | 4,145mm |
全幅 | 1,645mm |
全高 | 1,295mm |
車両重量 | 870 - 950kg |
その他 | |
ベース | トヨタ・ターセルセダン トヨタ・コルサセダン |
販売終了前月までの新車登録台数の累計 | 7万8,264台[1] |
系譜 | |
先代 | 北米: トヨタ・ターセルクーペ(EL30型系) |
ターセル/コルサをベースとした小型2ドアクーペで、北米のセクレタリーカー(女性秘書等を対象にイメージされた車)およびサブコンパクトカー市場に向けて企画されたモデルであり、ターセルクーペの後継車種にあたる。
- 1991年1月 - 発売。CMキャラクターに萩原聖人を起用し、キャッチコピーは「友達以上恋人未満。」 [2]。グレードはα(アルファ)とβ(ベータ)の2種類で、αは5E-FE型(105PS)、βは5E-FHE型(115PS)DOHCエンジンを搭載する。βでは4輪ディスクブレーキや電子制御サスペンションTEMSがオプションで選択可能。販売チャネルはトヨペット店(大阪地区は大阪トヨタ)とカローラ店。
- 1992年12月 - マイナーチェンジ。
- 1994年 - ベースとなったターセル/コルサ/カローラIIはフルモデルチェンジするが、サイノスは本モデルを継続生産。同時にカローラ店での取扱いを中止し、新たにトヨタビスタ店での取扱いを開始した。製造は高岡工場。
- 1995年8月[3] - 生産終了。在庫対応分のみの販売となる。
- 1995年9月 - 2代目と入れ替わって販売終了。
2代目 EL50型(1995年 - 1999年)
トヨタ・サイノス(2代目) EL5#型 | |
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1.3α ジュノパッケージ(前期型) | |
概要 | |
販売期間 | 1995年9月 - 1999年12月 |
ボディ | |
乗車定員 | 4人 |
ボディタイプ | 2ドアノッチバッククーペ 2ドアコンバーチブル |
エンジン位置 | フロント |
駆動方式 | 前輪駆動 |
パワートレイン | |
エンジン | 4E-FE型 直4 DOHC 1.3L 5E-FHE型 直4 DOHC 1.5L |
最高出力 | 4E-FE型:88PS→85PS 5E-FHE型:110PS |
最大トルク | 4E-FE型:11.8kg·m→12.0kg·m 5E-FHE型:13.9kg·m |
変速機 | 3速AT/4速MT/5速MT |
サス前 | 前:ストラット式 後:トレーリングツイストビーム式 |
サス後 | 前:ストラット式 後:トレーリングツイストビーム式 |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,380mm |
全長 | 4,155mm |
全幅 | 1,660mm |
全高 | 1,295mm |
車両重量 | 910 - 1,000kg |
その他 | |
販売終了前月までの新車登録台数の累計 | 4万3,269台[4] |
- 1995年9月[4] - フルモデルチェンジ。CMには当時大ブレイク中であったglobeが起用された。先代同様α(アルファ)、β(ベータ)、2グレードの設定。αは4E-FE型1.3L DOHCエンジン、βは5E-FHE型1.5L DOHCエンジンを搭載。初代は2種類の1.5Lエンジンでグレードが分かれていたが、2代目は排気量別となる。トランスミッションは姉妹車のターセル/コルサ/カローラII/スターレット同様、1.3L車(α)は4速MT/3速AT車、1.5L車(β)は5速MT/4速AT車が設定された。αとβでは装備の差も大きく、中間グレードとして1.3L車(α)にβと同等の装備を施したα juno(ジュノ)パッケージも設定する。なお、7,000回転スケールタコメーターはαの基本仕様を除いて全て標準装備である。販売チャネルは初代末期同様、トヨペット店(大阪はトヨタ店)とトヨタビスタ店となる。
- 1996年8月 - コンバーチブルを追加設定。同時に、イエローのボディカラーを採用した特別仕様が150台限定で発売された。これは上級のセリカコンバーチブル同様、クーペボディ骨格部に追加補強を施した車体をアメリカのASC社へ送り、ルーフ、クォーターピラーをカット、その他艤装を施し日本へ送り返して納車前検査をするという工程を経ていた。クーペ仕様と同様1.3Lと1.5Lの2グレード設定。コンバーチブル追加時に、クーペ版は一部仕様変更で「安全装備の全車標準装備化」され、ターセル等に続いてABS・デュアルエアバッグを標準装備した。
- 1997年12月[5] - マイナーチェンジ。ヘッドライトがマルチリフレクターとなり、衝突安全ボディGOAを標準装備した。1.3L車のMTが4速から5速へ多段化。
- 1999年7月[6] - オーダーストップに伴い生産終了。以降は在庫対応分のみの販売となる。
- 1999年12月[7] - 販売終了。
- 欧州仕様パセオ フロント
- 欧州仕様パセオ リア
- コンバーチブル
車名の意味
英語で「目標」「注目の的」などを意味する「cynosure」から取られた造語。「cynosure」には「北極星」の意もあり、「スターレット」にも掛けた名前でもある。輸出仕様の「PASEO」はスペイン語で「散歩に行く」の意味。
脚注
- ^ a b デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第45号11ページ
- ^ [1]
- ^ “サイノス(トヨタ)1991年1月~1995年8月生産モデルのカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月12日). 2020年1月12日閲覧。
- ^ a b デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第42号11ページ
- ^ “サイノス(トヨタ)1995年9月~1999年12月生産モデルのカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月12日). 2020年1月12日閲覧。
- ^ “サイノス(1995年8月~1999年7月)”. トヨタ自動車株式会社 (2020年1月12日). 2020年1月12日閲覧。
- ^ “サイノス(トヨタ)のカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月12日). 2020年1月12日閲覧。
関連項目
- トヨタ自動車
- トヨタ・スターレット
- トヨタ・ターセル
- トヨタ・コルサ
- トヨタ・セラ
- トヨタ・ヴィッツ
- トヨタ・ヤリス
- トヨタ・プラッツ
- トヨタ・ベルタ
- トヨタ・ヴィオス
- トヨタ・エティオス
- サブコンパクトカー
外部リンク
- トヨタ サイノス(初代) - トヨタ自動車公式企業サイト内のページ。
- トヨタ サイノス(2代目) - 同上。
- サイノスのページへのリンク