コンテンツと実装
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/14 04:39 UTC 版)
「Radio Data System」の記事における「コンテンツと実装」の解説
RDSデータには通常、次のような情報分野が含まれている。 AF(代替周波数リスト) これは第一信号が弱くなり過ぎた場合(例えば範囲外に移動したとき)に、同じ局を提供している別の周波数に受信機が再同調できるよう、受信機に提供される周波数のリスト。切り替えを実行する前に、ラジオはPIコード(後述)の一致を確認してAFが同じ局であることを保証している。これはカーステレオ・システムでよく使われていて、移動中にヘッドユニットがより強い信号に自動的に同調できるようにしており、オプションで同じ地域コードにもできる(したがって全国放送局の場合、利用者はオリジナルのラジオ番組を聞き続けられる)。 CT(時計の日時) 受信機内部の時計または車のメイン時計を同期させることが可能。送信ブレのため、CTはUTCの100ミリ秒以内での精度まで可能である。RDSエンコーダ内で時計を定期的に同期させる方法が放送装置にない場合、一般的にCTは送信されない。 EON(その他ネットワーク情報の強化) 交通番組が放送されていることで、ある瞬間に周波数をネットワークの特定放送局に合わせるTAフラグのようなデータを動的に変更するため、聞いている人につながった他のネットワークや放送局について受信者に通知し、自動的かつ一時的にラジオがその局に同調できるようにしている。 PI(プログラム識別) これは放送局を識別する固有の16進法コード4文字である。国内すべての放送局は正しい国の接頭文字が入った固有の3文字コードを使用する必要がある。米国では、局のコールサインに式を適用してPIが決定される。 PIコードは最も重要なRDSのパラメータであり、RDSデータ構造内で最も頻繁に送信される。 米国以外で使うRDS規格では、あらゆる国の国番号が定義されているため、一般的な国境のある場所で同じコードを使用することはできない。これにより、他国間でコードを調整する必要がなくなっている。同一コードを運ぶ送信は受信側によって全て同じと見なされるも、受信を改善するための代替周波数として切り替えることは可能である(たとえ代替周波数として特に記載されていなくても)。 PS(プログラムサービス名) これは単に呼出符号または放送局のID名を表す8文字の静的表示である。ほとんどのRDS対応受信機はこの情報を表示し、もしその局が受信機の事前設定(プリセット)に保存されていれば、PIコード、周波数、およびそのプリセットに関連する他の詳細と共にこの情報をキャッシュする。一部の国では、PSを使用して放送局が他の情報を動的に送信している。これは一部の国では禁止されており、RDSシステム内での使用は意図されていなかったものである。 PTY(プログラムタイプ) 予め定義された最大31の番組種類コード(例えばヨーロッパでは、PTY1ニュース、PTY6ドラマ、PTY11ロック音楽)は、利用者がジャンルによって同様の番組を見つけることができるようにしている。PTY31は、自然災害やその他の重大な災害が発生した場合に備えた緊急アナウンス用に予約されている。 REG(地域) これは主に、全国放送局がその地域のオプトアウトなど「地域固有の」番組を一部の送信機で実行している国で使用されている。この機能は利用者が他の地域に移動する際に、設定を現在の地域に「固定」したり、ラジオが他の地域固有の番組に同調できるようにするものである。 RT(ラジオテキスト) この機能で、ラジオ局は64文字(一部では32文字)の自由な文章メッセージを送信できるようになっており、それは静的なもの(局のスローガンなど)でも番組プログラムと同期するもの(現在放送中の番組タイトルやアーティストなど)でも構わない。 RT+(ラジオテキストプラス) アーティスト、タイトル、その他のメタデータを受信者に送れるようにした、以前のラジオテキストの強化版。 TA、TP(交通情報、交通番組) このフラグは特に注意が必要で、交通ニュース速報を受信するために例えばCDを一時停止したり、再調整をしたりする。TPフラグは定期的に交通ニュース速報を放送する局のみを利用者が見つけられるようにするために使用され、一方でTAフラグは今起きている実際の交通ニュース速報を知らせるために使用される。この機能は(利用者に交通情報をより知らせるため)ラジオユニットがCD/MP3を一時停止したり、交通ニュース速報中に音量を上げるなど、一緒に他の操作も行なわれている可能性がある。 TMC(交通メッセージチャンネル) デジタル符号化された交通情報。全てのRDS機器がこれをサポートしているわけではないが、カーナビゲーションでは利用可能なことが多い。多くの国では暗号化された交通データのみが放送されるので、交通データを使用するには恐らく定額制サービスに関連付けられた適切なデコーダが必要となる。その定額料金は自動車メーカーによって支払われることが多く、したがって利用者は意識しなくともよい。
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