コンテナ開発
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 15:47 UTC 版)
「マルコム・マクレーン」の記事における「コンテナ開発」の解説
アイデアを思いついた1955年時点で大型のコンテナを製造している会社は無く小型の物が主流であった。そこで、ワシントン州スポーケンにある産業機械を製造していた「ブラウン・インダストリーズ」の主任技師「キース・タントリンガー」を探し出し連絡を試みている。ブラウン・インダストリーズは1949年に30フィート(約9メートル)のアルミ製コンテナを開発しており、見本市や業界の会合上で講演を行うものの「みんな興味は持ってくれるが、買ってはくれなかった」と述懐している。マクレーンはタントリンガーに対し「船、トラック、鉄道で容易に積み替えができる」ことを条件にT2タンカーに搭載するため33フィートコンテナの開発を依頼する。その後、タントリンガーはマクレーンの説得によって、半ば強引にパン=アトラック・カンパニーの主任技師として採用された。次にマクレーンはT2タンカーの甲板上下にコンテナを搭載できる様改造を加えている。「メカノ・デッキング(Mechano decking)」と呼ばれたこの手法は、木製のデッキ(板)を甲板に並べる方法となり、マクレーンはこの改造計画も監督する。メカノ・デッキングは航空機などで大型貨物を輸送する際に採られた一般的な手法であった。船の甲板の上と下にコンテナ搭載用のデッキやデッキを支える梁や桁、コンテナを入れるフレームの構築を行い、コンテナが脱着可能なトレーラーのシャーシ設計と再運行までに数ヶ月を要している。 次に解決すべき問題は「クレーン」となり、当時貨物船にはデリック(クレーン)が装備されていることが標準的であったが、重量のあるコンテナをこのデリックで吊り上げるとバランスを崩し転覆する危険性があり採用せず、埠頭に平行に設置された軌道上を移動できる大型クレーン案が採用され、造船所で放置されていたクレーンを見つけ購入し、改造を施した上でニューアーク港とヒューストン港に設置している。コンテナを吊り上げる方式も現在も使用されるコンテナのサイズに合わせた枠を上下させる「スプレッダー方式」がタントリンガーによって開発された。これにより沖仲仕による吊り上げ作業も不要となった。
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