クロスと関係者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/25 01:23 UTC 版)
フローンズ島にほど近い中立地帯にある都市国家。聖地から戻った聖者を称えて集まったことがきっかけとなって成立した宗教色の強い街。フルゴールやエクシアとの交易で財を成した富裕層と各国から食い詰めて流れてきた貧困層が混じり合うせいで治安が悪く、貧困、売春、犯罪といった深刻な問題が日常化している。世の中の矛盾が凝縮された街。 クレメンティア・ダルシス 物語のヒロイン。中立地帯クロスの総督ゴドフリーの令嬢。愛称クレア。聖者の末裔にあたるダルシス家の女性として「クロスの聖女」の名を受け継ぐ。ところが、幼い頃には自然と発揮できた「癒しの葉」と呼ばれる奇跡の力を喪失したことにより、重すぎる責務と人々の期待が重圧となり、沈みがちで物憂げな少女となってしまう。性格は純真で人を疑うことを知らない。施療院での慈善活動に真剣に取り組み、あらゆる人々との対話を重んじるなど「真の聖女」としての資質とカリスマ性を備える。 サナトールの身の回りを世話するために隠れ家を訪れた際にユーリグと知り合い、その不思議な魅力の虜となり恋に落ちてしまう。ユーリグやセレスたちの協力により、クロスを取り巻く貧困と治安問題の解決に立ち上がり、エヴァンジェリンという知己を得たことで想いの実現に一歩前進するが、そのことが却ってグレンとの決定的な亀裂を招いてしまう。復讐のためセレスを追ってクロスに来たフィニをセレスの依頼で保護し、その誤解を解くことに力を尽くす。 「癒しの葉」が落ちてきた場所は喉。言葉をうまく言い表せない自分自身へのもどかしさが「影の民」を招き寄せ、グレンとの言い争いの直後に失語に陥るが、ユーリグやフィニ、セレスらの支えで克服。グレンと和解し彼の想いを受け入れた上で、改めてユーリグを選び、戦に赴くユーリグからその命を預かる。 ゴドフリー・ダルシス クロス総督。クレアの父。ガイとは古くからの知人でその過去を知る悪友。聖地からの帰還後はその身を匿い隠れ家を提供するなど様々な便宜を取りはからう。病に冒されており、一日のほとんどを病床で過ごし、政治向きのことは副総督のグレンを信頼し任せている。しかし、グレンの心中を知らなかったことで彼が大きな罪を犯し、苦悩する結果となる。 グレンが薬をすり替えたことで病が深刻に悪化し危篤状態となる。だが、奇跡的に回復を遂げたことで、グレンが自分を見失わずに済んだ。 ローラン・グレン クロスの若き副総督。性格は生真面目で融通が利かず、他人以上に自分に対して厳しい。有能で万事に卒が無いものの完璧主義で情愛に欠け、貧困層や社会的弱者を“悪”として憎み、クレアの聖女としての名声を政治の安定に利用しようとする官僚気質の男。 サナトール暗殺未遂の捜査を通じて、護衛たちと交流を持つようになる。あらゆる面で性格がよく似ているセレスには信頼を寄せるが、クレアを巡るライバルとなったユーリグに対しては露骨な敵意を伺わせる。 口には出さないもののクレアを深く愛しているが、クレア自身の持つカリスマ性に嫉妬し、常に合わせるよう「努力」しているとして、その実束縛していた。 オルフェから言葉巧みに籠絡され、ユーリグやガイに対し強い疑念を植え付けられ、オルフェの部下たちがサナトール襲撃を実行するにあたって便宜を図る。また、クロスの指導者としてスラムに住む弱者の救済に熱意を持つダルシス親娘を軽蔑。自分一人が指導者の座に相応しいと思い上がった結果、ゴドフリーの薬をすり替えて病を悪化させ、亡き者にせんと謀る。 完全主義者だった父親に優しくされたことがないという過去を抱えるが為に「影の民」を引き寄せてしまう。「影の民」の囁きから自らの犯した罪への自責により破滅の一歩手前まで追い詰められるが、セレスが自身の闇を克服したことを聞き、当事者であるクレアやゴドフリーと対話して赦されたことで心を救われる。自らの罪を裁かれることを望んだがクレアは聞き入れず、最終回にてゴドフリーから総督の座を受け継いだ。 エヴァンジェリン クロスの男妾で娼館の店主。いわゆる性同一性障害を抱えており、体は男だが心は根っからの女性。意見をとりまとめる顔役として男妾たちのグループのみならず、スラム街では一目置かれる存在。ガイからも自分にとってなにが大切か分かっている一人との評価を受ける。偏見とは無縁なユーリグにベタ惚れしている。 暗殺犯捜索に協力した見返りとして、護衛達と野球の親善試合を行う。そのことがきっかけとなってクレアとは“女同士の”深い友情を結ぶようになり、貧困問題に真剣に取り組むクレアを後押し。また、クレアの心の危機においては率先して行動。身分の違いも恐れずグレンとも渡り合う。
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