キハ53形500番台(501 - 510)
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「国鉄キハ56系気動車」の記事における「キハ53形500番台(501 - 510)」の解説
キハ53 504札幌 キハ53 509釧網本線 標茶 1986年に苗穂工場・釧路車両所・五稜郭車両所でキハ56形を両運転台化改造したものである。形式的にはキハ45系一般形グループのキハ53形500番台に区分されたが、本来のキハ45系とは全く無関係である。 国鉄末期の当時、1両単行での運転が可能な北海道用強力形気動車は存在しなかったことから、北海道では急勾配路線でも、普通列車についてはキハ22形・40形など低出力の1エンジン1軸駆動車で無理をして運転されるケースが多かった(辛うじて登坂できたが、著しい鈍足を免れなかった)。更に北海道特有の事情として冬期の降雪時には排雪抵抗が増すため、1両で充分な輸送量しかない赤字ローカル線でも、冗長性確保のため1エンジン車2両編成以上での不経済な運用がしばしば行われていた。その改善策として2エンジン・2軸駆動のキハ56形を両運転台化改造したのが当形式キハ53形の当区分番台500番台である。 改造内容を以下に示す。 種車のキハ56形車体から運転台と反対の連結面側を切断し、廃車になったキハ56・27形から切断・流用した運転台を接合し両運転台化。502の接合運転台は、下部の裾絞りの車体断面形状が、2次車の曲絞りと異なる1次車のキハ27 2から切り取った運転台部分の為に、接合部で下部の裾曲げが腰高で直折りで異なり、微妙なずれが生じている。また前部標識灯が100mmづつ両側から内側へ寄っていたり、其の下の通風孔の位置、手摺りの長さ等の初期製造車輌の形状を唯一遺していた。 接合運転台側へ新たにデッキから出入りするタイプのトイレを設置。 トイレ側面の座席をロングシートに変更し 吊革を設置。 屋根上水タンクを車室内に移設。 504 - 506を除き車体側面にキハ40形100番台同様の露出雨樋縦管を設置。 当初は旭川運転所と釧路運転所(現・釧路運輸車両所)に配置され、根室本線急行「ノサップ」では単行で使われたほか、名寄本線直通急行「大雪」・宗谷本線急行「宗谷」「天北」「サロベツ」・根室本線急行「狩勝」の増結車運用にも投入されたが、早期に普通列車専用となった。JR化後も深名線や札沼線末端区間などの閑散ローカル線において、多くは単行(1両)で運用された。 老朽化・深名線廃止・札沼線末端区間へキハ40形400番台投入によるワンマン運転開始に伴いワンマン化改造未施工のまま1996年までに全車廃車となった。また塗装は最後までクリーム色4号と赤11号の急行色で運用された。 キハ53形車番改造種車運転台供出車改造施工所キハ53 501 キハ56 14 キハ27 37 苗穂 キハ53 502 キハ56 15 キハ27 2 釧路 キハ53 503 キハ56 19 キハ27 22 五稜郭 キハ53 504 キハ56 40 キハ56 20 五稜郭 キハ53 505 キハ56 47 キハ27 52 苗穂 キハ53 506 キハ56 113 キハ56 46 苗穂 キハ53 507 キハ56 120 キハ27 39 五稜郭 キハ53 508 キハ56 121 キハ27 21 五稜郭 キハ53 509 キハ56 139 キハ27 33 釧路 キハ53 510 キハ56 34 キハ56 17 釧路
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