キハ56系気動車の余剰化・陳腐化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/25 03:05 UTC 版)
「アルファコンチネンタルエクスプレス」の記事における「キハ56系気動車の余剰化・陳腐化」の解説
1961年(昭和36年)から北海道用に耐極寒・耐雪仕様で製造された急行形気動車・キハ56系は、最盛期には最大15両という長大編成を組んで主要路線の都市間急行列車に運用され、一時は特急列車の代走車両にも充当されるなど高度成長期の北海道の鉄道を代表する車両であった。しかし、1970年代以降は主要幹線の急行列車が軒並み特急列車に格上げされたことで、1980年代初頭に車内環境はすでに旧態化していた。普通車に冷房がなく、車内がボックス式クロスシートで台車も金属バネという1960年代水準の車両では、当時勢力を拡大しつつあった都市間バスなどと比較しても最早時代遅れであり、すでにその本来の役割を失ったとも言える状態であった。したがってキハ56系の多くはローカル線の普通列車運用に転じ、余剰化したグリーン車や初期車には、老朽廃車や両運転台化改造車(キハ53形500番台)も生じていた。 さらに長らくその牙城であった宗谷本線・天北線系統の急行列車でも、陳腐化対策と夜行急行「利尻」との共通運用化のため、1985年(昭和60年)に昼行列車「宗谷」「天北」をディーゼル機関車牽引の14系客車に置き換えるという奇策が採られ、キハ56系は主要路線の長距離優等列車からほぼ撤退した。
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