アラブ征服後のイラン語とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > アラブ征服後のイラン語の意味・解説 

アラブ征服後のイラン語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/10 16:42 UTC 版)

イラン語群」の記事における「アラブ征服後のイラン語」の解説

詳細は「ペルシア文学」を参照 イラン内外ではイスラーム教徒のペルシア征服以後ペルシア語方言地位大きく変わったアラブ征服時代以降イラン中央アジアではウマイヤ朝アッバース朝といったイスラム帝国支配下になったことで旧サーサーン朝ペルシア人たちやソグド人たちがムスリム化し、さらに政治的な主要言語アラビア語になったことで、7世紀半ばから在来イラン系サーサーン朝言語である中期ペルシア語パフラヴィー語)やさらにソグド人ソグド語などの中期イラン諸語による著述活動絶無の状態に陥った。この状態はサーマーン朝勃興する9世紀後半まで続き、これをペルシア語文学史上では「沈黙2世紀」と呼ばれている。 権威ある文体特徴としたパフラヴィー語呼ばれる中期ペルシア語代わり、かつて一方であったダリー語宮廷公用語となった。「ダリー」という名称は「門扉」を意味するダルdar由来するが、この「ダル」とは宮廷意味する『ダルバール』 (دربار) と意味を同じくし、「宮廷語」ほどの意味になる。9世紀アッバース朝のカリフ・マアムーンのクーデター支援したことでホラーサーン拠点としたサーマーン朝マー・ワラー・アンナフルまで支配地域広げた。かつてソグディアナ中心地であったサマルカンドサーマーン・フダー孫たちのうち、ヌーフ1世以来サーマーン朝宮廷営まれ、ここにアラビア文字アラビア語彙を多数用いた近世ペルシア語」が成立し文芸復興が行われた。この宮廷には詩人要人文学パトロン文化花咲かせた(ペルシャ文学参照)。特にマンスール1世英語版)(マンスール・ブン・ヌーフ、在位961年 - 976年)の時代に、タバリーの『大タフスィール』や、同じく宰相バルアミー(英語版)らによる『諸使徒と諸王の歴史』のペルシア語訳が編纂され、ルーダキーダキーキーなどに代表される最初期ペルシア語詩がそれである。875年の「ダリー語」の公用語化はサッファール朝特徴づける出来事である。8世紀の『カリーラとディムナ』(Kalīlah wa Dimnah)の訳者イブン・ムカッファ10世紀イブン・ナディームなど中世イラン学者イスファハーンからアゼルバイジャンアゼルバイジャン語参照)に至る北西地方方言記述するさい「パフラヴィー」という名称を用い東部ホラーサーン地方方言を「ダリー」という名称に関連づけていることから、「パフラヴィー語」は西部地域方言を基にしており、対照的にダリー語」は東部地域方言影響強かったらしい。なお「ファールスィー」、「パールスィー」(ペルシャ語)はファールス地方方言をさしている。この新し公用語現代標準ペルシャ語の祖形となった王朝固有の言語はフーゼスターンの方言であると記述されている。 イスラム征服副産物にはアラビア文字ペルシャ語表記への使用がある。そのさいペルシャ語音素あわせて文字追加された。これはおそらく8世紀後半のことで、以後中世アラム文字次第使われなくなったアラビア文字現代ペルシャ語でも使われている。タジク語その後ソヴィエト国家政策により1920年代にはラテン文字使われ1930年代になるとソ連邦中央アジア政府計画によりキリル文字使われた。 イラン諸語話される地域異言社会侵入受けてきた。イラン西部のフーゼスタンの一部ではアラビア語話されるようになり、現在トルクメニスタン・ウズベキスタン・タジキスタンがある中央アジア広域従来ソグド語バクトリア語にかわりトルコ系諸語普及したアゼルバイジャンでもペルシャ言語代わりトルコ系言語がつかわれるようになった

※この「アラブ征服後のイラン語」の解説は、「イラン語群」の解説の一部です。
「アラブ征服後のイラン語」を含む「イラン語群」の記事については、「イラン語群」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「アラブ征服後のイラン語」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「アラブ征服後のイラン語」の関連用語

アラブ征服後のイラン語のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アラブ征服後のイラン語のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのイラン語群 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS