アトラクション興行
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「第一次怪獣ブーム」の記事における「アトラクション興行」の解説
怪獣を展示・実演させる「アトラクション」の先駆けは、前年1965年(昭和40年)に東京のデパート松屋屋上で行われたゴジラの実演ショーである。中島春雄本人がゴジラを演じたこのイベントの盛況ぶりは、当時撮影された8㎜フィルムの映像 で確認できる。 本格的な展示形態のイベントとしては、円谷特技プロダクションが1966年(昭和41年)の3月26日から4月3日にかけて松屋館内で『ウルトラQ』怪獣を展示した『春休み子供大会 大怪獣ウルトラQの大行進』が初めてである。当初、円谷特技プロダクション社長の円谷英二は、大切な小道具である怪獣のぬいぐるみを見世物化するアトラクション公開に対して反対の立場をとっていた。『ウルトラQ』に始まる公開展示型のアトラクションショーが実現した背景には、ひとえにTBSの栫井プロデューサーの説得があった。 「実演ショー」としては、満田かずほによれば、円谷特技プロそばの保育園から怪獣のぬいぐるみの貸し出し依頼があり、菓子折の返礼を受けたことが最初期の事例で、この怪獣たちの内部演技は自衛隊員などが受け持ったが、まるで人格が変わったように生き生きと動きまわる彼らを見て、ここから怪獣たちを遊園地などに貸し出すというアイディアが生まれ、「アトラクション・ショー」に発展していったという。遊園地での「怪獣ショー」は、同年4月17日に多摩テックで開催された『ウルトラQ大会』が初である。 『ウルトラQ』、『ウルトラマン』では、放映局のTBSは貸出怪獣の管理は円谷特技プロに一任したが、ブームの過熱期にはTBS自らもアトラクション用の怪獣の制作を高山良策に発注するほどの盛況ぶりであった。翌1967年(昭和42年)7月には松屋デパートで「ウルトラシリーズ」第三弾『キャプテンウルトラ』の「怪獣七夕祭り」がTBSの主催によって開催され、怪獣の展示に合わせ、出演者のトークショーが行われた。当時の新聞は「アカネ隊員役の城野ゆきが子供たちに大人気で、ステージから引っ張り降ろされる騒ぎ」とその盛況ぶりを伝えている。 同ブーム期では、後年の「第二期ブーム」、「変身ブーム」期に見られるような過激な立ち回り、アクションというものは顕著でなく、サイン会や怪獣ショーなど子供たちとの触れ合いを主体とした展示形式のものが多い。
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アトラクション興行
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「第二次怪獣ブーム」の記事における「アトラクション興行」の解説
前回の怪獣ブームでは、怪獣のぬいぐるみ(着ぐるみ)の展示や、子供たちの触れ合い程度の規模だった「アトラクションショー」が、この第二次ブームでは激しい立ち回りを伴った、ヒーローと怪人・怪獣とのアクションショーに変貌した。 公開型の興行として先駆けとなったのは、変身ブームの金字塔『仮面ライダー』の「実演ショー」であり、1971年(昭和46年)の7月に毎日放送の招きで行われた大阪のミリカプールでの興行が初で、この際にはあまりの人出に警察が出動する騒ぎとなったという。以後、豊島園を皮切りに東京でも「仮面ライダーショー」は行われ、大盛況となっていった。これらのショーは、番組中と同じく大野剣友会のメンバーが殺陣を演じた本格的なものであり、翌年には後楽園ゆうえんちが常設ステージを設け、この「テレビと同じアクション」を売りにしたアクションショーは全国に波及していった。 円谷プロやピープロといった制作会社もこの盛況ぶりに注目し、「アクション」という要素を加味されたアトラクションショーが各地の遊園地、デパート屋上などで催され、制作会社にとっても重要な収入源となっていった。両プロダクションはファンである子どもたちとの交流を目的に、遊園地や催事場でのお盆興行イベントとして、怪獣・怪人の着ぐるみ火葬などを交えた「慰霊祭」も実行し、これも盛況となった。 また、撮影用の怪獣造形自体も、撮影後すぐにアトラクション巡業に駆り出される状況となり、こうしたアトラクションに合わせた丈夫なものが要求され、ことに「ウルトラシリーズ」では色遣いやデザイン・造形面にも強い影響が見られるようになった。ことに細部の作りよりも丈夫さを優先したアトラクション用の怪獣が、テレビ本編に「逆輸入」されて登場する例も多々見られ、怪獣のクオリティ面でちぐはぐな面が目立つこととなっている。
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