よろんのじゅうごやおどりとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 文化 > 国指定文化財等データベース > よろんのじゅうごやおどりの意味・解説 

与論の十五夜踊

名称: 与論の十五夜踊
ふりがな よろんのじゅうごやおどり
種別1: 民俗芸能
保護団体名: 与論十五夜踊り保存会
指定年月日 1993.12.13(平成5.12.13)
都道府県(列記): 鹿児島県
市区町村(列記): 大島郡与論町字城
代表都道府県 鹿児島県
備考
解説文:  与論町字城【ぐすく】の地主【とこぬし】神社旧暦の三、八、十月の各十五日に行われる豊年祭ほうねんさい】に、島中安穏五穀豊穰ほうじよう】、子孫繁栄等を願い奉納されるもので、大和沖縄芸能の両要素当地独特の風を加えた民俗芸能である。
 この十五夜踊は、最初に雨乞い願いをこめて『アミタボウリ(賜ぼうり)』という踊りがあり、以下風流【ふりゆう】踊り狂言交互に演じる。風流踊りは、音楽沖縄風で、踊りそのもの大和風とされ、踊り手は、踊りによっては頭から布で顔をおおい、鉢巻きの端を後に長く垂らした「シファ」というかぶりものをかぶる。扇を持つ踊り素手踊りがあり、行列し踊りながら場を回っていく。狂言は、台詞【せりふ】を中心に展開し、筋は大和能狂言そのままのものや沖縄組踊組み直したものなどがある。演目によっては、竹の骨に紙を貼り重ね目鼻口など絵の具で描く仮面用いるものがあり、なかには長さ四〇センチメートルほどの大きな仮面もある。
 以上の芸能は、二組の人々分担し一番組主として狂言を、二番組風流踊り伝えてきている。一番組伝承は『三者【さんばすー】囃子』、『二十四孝【にじゆうしこう】』、『町奉行【まちぶぎよう】』など狂言十一番と、踊りの『船踊【ふなおどり】』、『六十節【ろくじゆうぶし】』であり、二番組は『一度【いちど】いうて』(扇踊)、『この庭【にわ】』(扇踊)、『今日のぷくらしや』(手踊)などの風流踊り十八番である。
 これらは、それぞれ踊り演じ旧暦三、八、十月十三日各行事始めとし、組の中心となる一番組二番組座元【ざもと】の家で、行事始め十三日、シグミ(仕組)の祝とされる十四日、祭当日十五日に祝詞【のりと】や盃事【さかづきごと】などを行い祭にそなえる。当日踊りは、神社下方広場奉納され広場一番組二番組控えサークラとよぶ座をそれぞれに設け一番組広場入り口近くの座に集まったころ、二番組座元の家から旗の先端を持つ者を先頭に列をつくり、太鼓打ち鳴らしながら広場くりこみ広場の奥の二番組の座に向かい、その傍らに旗を立てる。両組が揃うと町の関係者とともに社前上がり豊年祭祭式が行われ、その後、両組が座に戻り二番組では、座元祝詞唱えて太鼓に酒を注ぎ、後に各人が酒を頂いて踊り始める。
 踊りは、まず一、二番組合同の『アミタボウリ(賜ぼうり)』で、これは大旗を持つ者を先頭に、次に肩に太鼓をになう者とその太鼓を打つ者が続き次に一番組三味線などの演奏者、さらに「シファ」で顔を隠した二番組踊り手が「アミタボウリ タボウリ…」以下を歌いながら、つぼめ扇を左右に振りつつ進むもので、雨乞い祈願の意味があるとされるその後二番組風流踊り一番組狂言交互に上演される狂言は、最初が『三者囃子』で、次に二十四孝』、『町奉行』までが常に決まっていて、この順序変えることは許されないという。十五夜踊の最後は『六十節』で、これが始まると見物人参加し大きなとなって踊り、やがて三味線が六調【ろくちよう】に変わると輪がくずれて大勢での乱舞となる。ややあって二番組人々は座にもどり道具を整え沖泊唄』を歌った後に、列をつくって広場から退場し一連の十五夜踊が終わる。なお旧暦三月十月には行わないが、旧暦八月十五日には『六十節』の前に二番組が『獅子【しし】』を出し次に集まった人々によって盛大に綱引きが行われる。この綱引き勝負をつけずに綱を切って終わりとする。
 『アミタボウリ』の先頭掲げ大旗は、地元豊年の神のように尊重されているもので、七メートルほどの竹を旗棹【はたざお】とし最上端に竹輪取り付けたわわに実った稲穂かたどったという飾り付ける。旗の大きさ一・二メートル四方ほどで中央に嶋中安穏大書し双龍日輪描いている。踊りの間にこの大旗が、風などで折れたり倒れたりすることを最大不吉とし、そのため二番組担当する旗主あるいは旗差【はたさ】しとよばれる旗持ち役は、非常な潔斎要求されかつては潔斎一か月及んだという。この大旗グン太鼓)の胴は、十五夜踊が創始された時以来のものと伝え大旗同様にこの太鼓御神体として尊重されている。

与論の十五夜踊

名称: 与論の十五夜踊
ふりがな よろんのじゅうごやおどり
種別1: 民俗芸能
保護団体名: 十五夜保存会
選択年月日 1972.08.05(昭和47.08.05)
都道府県(列記): 鹿児島県
市区町村(列記): 大島郡与論町
代表都道府県 鹿児島県
備考 所在地同一都道府県内のもの(このデータ種別1から移行しています)
解説文:  与論町字城【ぐすく】の地主【とこぬし】神社旧暦の三、八、十月の各十五日に行われる豊年祭ほうねんさい】に、島中安穏五穀豊穰ほうじよう】、子孫繁栄等を願い奉納されるもので、大和沖縄芸能の両要素当地独特の風を加えた民俗芸能である。
 この十五夜踊は、最初に雨乞い願いをこめて『アミタボウリ(賜ぼうり)』という踊りがあり、以下風流【ふりゆう】踊り狂言交互に演じる。風流踊りは、音楽沖縄風で、踊りそのもの大和風とされ、踊り手は、踊りによっては頭から布で顔をおおい、鉢巻きの端を後に長く垂らした「シファ」というかぶりものをかぶる。扇を持つ踊り素手踊りがあり、行列し踊りながら場を回っていく。狂言は、台詞【せりふ】を中心に展開し、筋は大和能狂言そのままのものや沖縄組踊組み直したものなどがある。演目によっては、竹の骨に紙を貼り重ね目鼻口など絵の具で描く仮面用いるものがあり、なかには長さ四〇センチメートルほどの大きな仮面もある。
 以上の芸能は、二組の人々分担し一番組主として狂言を、二番組風流踊り伝えてきている。一番組伝承は『三者【さんばすー】囃子』、『二十四孝【にじゆうしこう】』、『町奉行【まちぶぎよう】』など狂言十一番と、踊りの『船踊【ふなおどり】』、『六十節【ろくじゆうぶし】』であり、二番組は『一度【いちど】いうて』(扇踊)、『この庭【にわ】』(扇踊)、『今日のぷくらしや』(手踊)などの風流踊り十八番である。
 これらは、それぞれ踊り演じ旧暦三、八、十月十三日各行事始めとし、組の中心となる一番組二番組座元【ざもと】の家で、行事始め十三日、シグミ(仕組)の祝とされる十四日、祭当日十五日に祝詞【のりと】や盃事【さかづきごと】などを行い祭にそなえる。当日踊りは、神社下方広場奉納され広場一番組二番組控えサークラとよぶ座をそれぞれに設け一番組広場入り口近くの座に集まったころ、二番組座元の家から旗の先端を持つ者を先頭に列をつくり、太鼓打ち鳴らしながら広場くりこみ広場の奥の二番組の座に向かい、その傍らに旗を立てる。両組が揃うと町の関係者とともに社前上がり豊年祭祭式が行われ、その後、両組が座に戻り二番組では、座元祝詞唱えて太鼓に酒を注ぎ、後に各人が酒を頂いて踊り始める。
 踊りは、まず一、二番組合同の『アミタボウリ(賜ぼうり)』で、これは大旗を持つ者を先頭に、次に肩に太鼓をになう者とその太鼓を打つ者が続き次に一番組三味線などの演奏者、さらに「シファ」で顔を隠した二番組踊り手が「アミタボウリ タボウリ…」以下を歌いながら、つぼめ扇を左右に振りつつ進むもので、雨乞い祈願の意味があるとされるその後二番組風流踊り一番組狂言交互に上演される狂言は、最初が『三者囃子』で、次に二十四孝』、『町奉行』までが常に決まっていて、この順序変えることは許されないという。十五夜踊の最後は『六十節』で、これが始まると見物人参加し大きなとなって踊り、やがて三味線が六調【ろくちよう】に変わると輪がくずれて大勢での乱舞となる。ややあって二番組人々は座にもどり道具を整え沖泊唄』を歌った後に、列をつくって広場から退場し一連の十五夜踊が終わる。なお旧暦三月十月には行わないが、旧暦八月十五日には『六十節』の前に二番組が『獅子【しし】』を出し次に集まった人々によって盛大に綱引きが行われる。この綱引き勝負をつけずに綱を切って終わりとする。
 『アミタボウリ』の先頭掲げ大旗は、地元豊年の神のように尊重されているもので、七メートルほどの竹を旗棹【はたざお】とし最上端に竹輪取り付けたわわに実った稲穂かたどったという飾り付ける。旗の大きさ一・二メートル四方ほどで中央に嶋中安穏大書し双龍日輪描いている。踊りの間にこの大旗が、風などで折れたり倒れたりすることを最大不吉とし、そのため二番組担当する旗主あるいは旗差【はたさ】しとよばれる旗持ち役は、非常な潔斎要求されかつては潔斎一か月及んだという。この大旗グン太鼓)の胴は、十五夜踊が創始された時以来のものと伝え大旗同様にこの太鼓御神体として尊重されている。
 この十五夜踊は「豊年踊ほうねんおどり】」、「ユガプウ(世果報=世が富む)踊」、「サトゥヌシ(里主)踊」、「サトゥヌシビ(里主子美〔部〕)踊」、「シニュグ踊」などとも、また風流踊りを「城籠踊【じようろうおどり】」、狂言を「大和踊【やまとおどり】」とも称した
民俗芸能のほかの用語一覧
延年・おこない:  高寺八講
渡来芸・舞台芸:  一色の翁舞  下長磯の式三番  与論の十五夜踊  久田見の糸切りからくり  伊那の人形芝居  佐伯灯篭



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「よろんのじゅうごやおどり」の関連用語

よろんのじゅうごやおどりのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



よろんのじゅうごやおどりのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
文化庁文化庁
Copyright (c) 1997-2024 The Agency for Cultural Affairs, All Rights Reserved.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS