換骨奪胎
読み方：かんこつだったい
換骨奪胎とは、換骨奪胎の意味
換骨奪胎は「先人の作品・スタイルに工夫を加えた上で自分のものとする事」を意味する熟語だ。換骨は「人のものをあたかも自分のもののようにする」、奪胎には「人のものを取り入れて新たに自分のものとして生まれ変わらせる」という意味がある。意味の似た熟語同士を組み合わせて強調する構成であり、意味が転じて「他者からの影響を受けた作品・スタイル」となった。換骨奪胎の語の由来・語源
換骨奪胎は中国の宋時代、僧侶であった恵洪が編纂した『冷斎夜話』が語源である。冷斎夜話の中で詩人・黄庭堅は詩を書く際のコツを「その意を易ずして、その語を造る、これを換骨法と謂ひ、その意を規模してこれを形容する、これを奪胎法と謂ふ」と記した。先人の言葉の意味を変えずに文を練り直す「換骨法」・先人の言葉を参考に内容を作り直す「奪胎法」を紹介し、これが由来となって換骨奪胎という四字熟語が成立した。換骨奪胎の語の使い方（用法）、例文
換骨奪胎は詩の作り方に由来する考えであるが、現代においては文学・映像・絵画など様々な芸術作品に対して用いられる。贋作や盗作を揶揄する用例が散見されるが、本来は先例の作品の優れた点を取り入れるという意味であるため誤用である。ただし、否定的なニュアンスの文面に使用出来ないという訳ではない。 ・この作品は歴史的な名作たちを換骨奪胎したものでありクオリティが高い。 ・初心者のうちは換骨奪胎に努めてノウハウを吸収するのがおすすめだ。 ・換骨奪胎を意識するあまり、作品のオリジナリティが損なわれている。換骨奪胎の類語と使い分け方
換骨奪胎の類義語には「点鉄成金」「温故知新」などが有名なものとして知られる。点鉄成金には「他者の平凡な作品を優れたものに仕上げ直す」といった意味があり、英語で言うところのアレンジに近い。平凡な作品を参考対象とするため、換骨奪胎のようにへりくだって参考元を尊敬するというニュアンスは含まれない。温故知新は「古い事例に学び新しい見識を身に付ける事」であるが、創作物に限らず思考・意見に対しても用いられる。 また、換骨奪胎は西洋の言葉にも「オマージュ」「インスパイア」「リメイク」など類義語が多数存在する。オマージュは元となる作品に敬意を払った上で、意図的にその作品のスタイルや特徴を自分の作品に盛り込む事である。換骨奪胎のように「先人の作風を解釈して自分のものに作りかえる」といったニュアンスは薄い。インスパイアは「触発する・影響をする」という意味の動詞だが、一般的に「インスパイアされた」のように受動態で用いる。意識的に他者の作風を取り入れるというよりは、自覚・無自覚を問わず自然に影響を受ける場合を指す。「リメイク」は換骨奪胎に共通する部分も多いが、リメイクが元作品全体を作り直す意味合いが強いのに対し、換骨奪胎は部分的に元作品のテイストを取り入れる事を指す場合もある。換骨奪胎の英語
換骨奪胎を英語で表現する場合には、改作を意味する「adaptation」を用いる事が多い。部分的な改造には「modification」、言葉の置き換えには「recasting」も使われる。換骨奪胎
読み方：かんこつだったい
換骨奪胎は、中国の書物である冷斎夜話に記される、換骨法と奪胎法が由来である。換骨法は、元の内容を自分の言葉にし、奪胎法は、手本となる言葉を元に内容を作り変える、という意味がある。
換骨奪胎とは、換骨奪胎の意味
換骨奪胎とは、文学作品においてすでに用いられている発想や形式を踏襲し、独自のを作品を作るという意味のこと。換骨奪胎は英語で、adaptation、recasting などと表現できる。換骨には凡骨を仙骨に取り替え非凡なものとし、奪胎には胎盤を奪い自分のものにするという意味があり、それらを組み合わせたことが換骨奪胎の語源である。換骨奪胎は、他者の作品の焼き直しという意味でも用いられることがあり、その場合、換骨奪胎は単なる模倣やパクリという意味合いになる。換骨奪胎は、中国の書物である冷斎夜話に記される、換骨法と奪胎法が由来である。換骨法は、元の内容を自分の言葉にし、奪胎法は、手本となる言葉を元に内容を作り変える、という意味がある。
換骨奪胎の類語、対義語
換骨奪胎の類語には、同工異曲やオマージュが挙げられる。同工異曲は、作品に用いる技巧は同じだが、趣が異なることを表す。オマージュは本来、尊敬や賛辞を表すフランス語であり、転じて敬意をもって既存の作品を踏襲するという意味で使われる。換骨奪胎の対義語には、独創性や創意が挙げられる。独創性には、他人がまねることのできないものを作り出す能力、という意味があり、創意には、誰にも思いつかなかった考え、という意味がある。換骨奪胎の例文、使い方
換骨奪胎の例文として、「過去の傑作をうまく換骨奪胎した小説だ」や「この作品は既存作品の換骨奪胎に過ぎない」といった使い方ができる。前者の例文は、換骨奪胎が本来意味する、独自性を表現するための踏襲を表しているが、後者の例文では、新たな作品が単なる模倣やパクリでしかないという、批判的な意味合いを表している。
かんこつ‐だったい〔クワンコツ‐〕【換骨奪胎】
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