風立ちぬ
「風立ちぬ」とは、スタジオジブリの長編アニメーション映画のことを意味する表現である。
「風立ちぬ」とは・「風立ちぬ」の意味
「風立ちぬ」とは、スタジオジブリが製作した長編アニメーション映画作品のことである。2013年に公開された。監督は宮崎駿、脚本や原作も宮崎駿が手掛けているのだ。宮崎駿が発表した連載漫画である「風立ちぬ」を元に、飛行機技術者の堀越二郎と作家である堀辰雄の半生を描いている。本作を手掛けた宮崎駿が作品を通して伝えたいことは、生きることの大切さだと考えられている。公開直後には74万人の観客を動員し、公開後3週間になると累計観客動員数は350万人を超えた。監督である宮崎駿はこの作品で引退を表明していたが、のちに「君たちはどう生きるか」という作品で再び製作に携わっている。あらすじは、主人公である堀越二郎は飛行機を愛する少年の夢はパイロットになることだった。しかし近眼である二郎にパイロットになることは難しく、それを克服しようと様々な努力もしていた。そんなとき二郎は奇妙な夢を見るのだ。広大な草原で二郎の憧れの人物であるドイツの飛行機設計士であるカプローニが登場する。夢の中でカプローニに飛行機に乗せて貰った二郎は、「近眼でもパイロットになれるのか」と質問するのだ。するとカプローニは微笑みを浮かべて、「自分も飛行機の操縦は出来ない」と伝えるのだった。この言葉に勇気を貰った二郎は、飛行機設計士を目指すことになる。
大きくなった二郎は大学に進学し、そこで飛行機設計について学ぶ。無事大学を卒業した二郎は夢を叶えるために、三菱に就職をする。優秀だった二郎は次々と重要な仕事を任されるようになるのだ。そんなときに上司である黒川から指導を受けながら新型戦闘機の開発に携わることになる。二郎たちが作製した戦闘機である「はやぶさ」は、試運転中にスピードに耐えられずに空中分解してしまうのだった。その結果を受けて二郎には重要なプロジェクトを任されるどころか、戦闘機の設計にも携われなくなってしまう。
一から技術を学び直そうと決意した二郎は、ドイツに行く。ドイツで最新の技術を学んだことから、再び戦闘機の設計を任されるようになるのだ。前回と同じような失敗はしないと気合を入れ、自分の全てを戦闘機に込めたのだ。その戦闘機の試運転も空中分解という結果に終わり、落ち込んだ二郎は軽井沢に赴く。そこでかつて列車の中で出会った女性、菜穂子と再会するのだ。二人はお互いに惹かれ合い、婚約まで進む。ところが菜穂子の持病である結核が急変し、命の危険に晒されていた。側についていてやりたいが、戦闘機の試運転に行かなければならない二郎。試運転の日の朝に菜穂子は二郎を見送ると、菜穂子は二郎の元を去ってしまうのだ。
二人の行く末や戦闘機の完成、作った飛行機が戦争に使われていく悲惨さなどが見どころとなっている。結末については「意味不明」「意味が分からない」などの意見もある。だが他のジブリ作品と比べて大人向けの内容になっていることからこんな意見が出ているとされているのだ。
堀越二郎役に庵野秀明、里見菜穂子に瀧本美織が声優に抜擢されている。さらに本庄役に西島秀俊、黒川役に西村雅彦、二郎の母にら竹下景子が声優を務めている。堀越加代役には志田未来、黒川夫人は大竹しのぶという配役だ。主役を務めた庵野秀明はアニメーション映画の監督であり、ジブリ作品の主役に抜擢したことも大きな話題となった。
タイトルである「風立ちぬ」は堀辰雄の小説「風立ちぬ」から来ている。また作品内のヒロインである「菜穂子」も、堀辰雄の小説のタイトルから名前を拝借しているのだ。「風立ちぬ」のぬの意味は「風が立った」という意味がある。古語の完了を示す助動詞であり、ぬを付けることで「風が立った」「風が吹いた」などの意味になるのだ。ちなみに「今は秋」などのフレーズが印象的な松田聖子の「風立ちぬ」は、本作とは関係ない。
いつの時代なのか、いつの時代背景が描かれているのかというと、1920年代の日本となる。戦争はもちろんのこと貧困や関東大震災、結核など命と関わる出来事が沢山起きた時代でもある。
この作品は多くの人の目に触れたということもあり、様々な解釈や意見が出ている。それが次第に都市伝説となり、本当の意味がわかると怖いジブリ作品と言われている。ヒロインの菜穂子は病気ではなく自殺してしまっているのではないか、ラストで菜穂子が掛けた言葉は死後の世界に導くものではないかなどだ。
かぜたちぬ【風立ちぬ】
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