あやめ(菖蒲)の花言葉
あやめ(菖蒲・文目)の花言葉の由来
あやめの花言葉の中には、ギリシア神話に由来するとされるものがある。そもそも、あやめは学名を「Iris Sanguinea」というが、これはギリシア神話の虹の女神「Iris(イリス)」にちなむ名である。ちなみに「Iris(イリス)」はギリシア語で「虹」を意味する語であり、英語では「アイリス」と読む(「虹彩」の虹)。イリスはギリシア神話の最高神ゼウスの妻ヘーラーに仕える美しい侍女だった。浮気なゼウスに何度も言い寄られ、困り果てたイリスは、ヘーラーにどこか遠くに行かせて欲しいと願った。ヘーラーは願いを聞き入れ、イリスの首に七色に輝く首飾りをかけ、虹の女神に変えた。その際、祝杯としてイリスの頭に振りかけた3滴の神の酒がしずくとなって地上に落ち、そこからアイリス=あやめの花が咲き出したという。
虹の女神となったイリスはヘーラーに忠実な、神々の伝令役(メッセンジャー)となった。このことから、アイリス(あやめ)の花言葉が「よい便り」「朗報」「メッセージ」となったという。また、「天の使い」や「消息」(安否や様子、行方、事情)という言葉もまさにこの伝令の役割につながる。
また、イリスは最高神ゼウスに愛されながらもそれを拒み、ヘーラーに忠実であったこと、そして嫉妬深くゼウスの愛人に容赦ないヘーラーから罰せられることなく、虹の女神・伝令役という使命を与えられたということから、「愛」「希望」「あなたを大事にします」「信じる者は救われる・信じる者の幸福」という、ポジティブで幸せな花言葉もある。そして、虹は古代から天と地の架け橋と見なされ、いつ・どことも知れず現れては消えてしまう、美しく謎めいた存在であることからも、「神秘的」という花言葉が含まれる。
あやめ(菖蒲・文目)の英語の花言葉
あやめは英語では「Iris(アイリス)」。ギリシア語で虹を意味する「Iris(イリス)」、またギリシア神話の虹の女神「Iris(イリス)」を英語読みして「アイリス」と呼ばれる。英語の花言葉は、「Eloquence(力強い言葉)」「Hope(希望)」「Faith(信頼)」「Communication(コミュニケーション)」「Wisdom(知恵、賢さ)」「Royalty(王権)」
花の名前の由来となっているギリシア神話の虹の女神イリスが、神々から「Faith(信頼)」され、メッセージを託された伝令役であったことから「Eloquence(力強い言葉)」「Communication(コミュニケーション)」「Wisdom(知恵、賢さ)」といった花言葉を持つ。イリスは天と地の架け橋=「Hope(希望)」の象徴でもある虹を渡って瞬時にどこにでも移動できたという。
西欧ではあやめ(アイリス)の花というと、フランス王家の紋章(fleur-de-lisフルール・ド・リス)として使われていたというイメージが強く、またヨーロッパではほかにも紋章に取り入れられている例が多くあるため、「Royalty(王権)」という花言葉につながる。
青色(ブルーアイリス)は「Hope(希望)」「Faith(信頼)」、また「Royalty(王権)」を表す。
紫色(パープルアイリス)は「Wisdom(知恵、賢さ)」「Compliment(賛美)」、そして「Royalty(王権)」を表す。お祝いや誕生日・記念日などの贈り物にふさわしいとされ、特に”結婚25周年記念”に贈る花として良く知られている。
黄色(イエローアイリス)は太陽のように明るい黄色から「Passion(情熱)」を表し、その明るいエネルギーによって「Regeneration(再生)」「Renewal(リニューアル)」の象徴でもある。前進しようとする人の背中を押し、元気づけてくれる花だと信じられている。
白色(ホワイトアイリス)は「Purity(純粋)」「 a pure heart(ピュア ハート)」。白という色が持つ清らかさと上品な花姿から、心を癒し、なぐさめるため、またはウェディングブーケに最適とされている。
あやめ(菖蒲・文目)色別の花言葉の解説
あやめは5-6月に咲き、初夏を彩る。花色は紫、青、黄、オレンジ、白、ピンクなど。あやめの花のとりどりの色合いは、ギリシア神話の虹の女神イリスのヴェールと同じ色であると信じられていた。紫色「よい便り」。あやめといえば、ほとんどの人が紫色を思い浮かべるであろう。あやめ全般の花言葉のうち特に「よい便り」という意味を持つ。何かの記念日やお祝いに、大切に伝えたいメッセージと一緒に紫のあやめの花束を贈ると粋で上品にまとめられる。
白色は「純粋」「あなたを大事にします」「優しさ」「神秘的」。白という色が持つ印象そのままに、長くまっすぐな葉と茎の先に咲く清楚な白いあやめの花は、「純粋」という花言葉を持つ。白が心の清らかさを表すように「あなたを大事にします」「優しさ」という意味と「神秘的」な雰囲気も併せ持つ。誕生日や記念日の、心を込めた贈り物にふさわしいような優しいフレーズ。
ピンク色は「再び愛を信じる」「騎士道」。失恋をして心を痛めている人が、再び愛を信じる気持ちを取り戻して立ち直れるよう助けてくれる。
オレンジ色は「勇気」「心身の健康」。自分を信じ、すべてが良い方向に向かうという希望をもたらしてくれる。心身を鍛えたり、治療に取り組んでいる人への贈り物に良い。
黄色は「幸せ」「幸せを掴む」「信じる者の幸福」「私は燃えている」「友情」・「復讐」「消息」である。
あやめの品種の中でも鮮やかな黄色の花を咲かせる黄菖蒲(キショウブ)は、様々な意味の花言葉を持つ。黄色は輝く太陽のような喜びにあふれる幸せな色であることから「幸せ」「幸せを掴む」「信じる者の幸福」「私は燃えている」「友情」といった明るい意味を持ち、その一方やや不安げな「消息」(安否や様子、行方、事情)という意味もある。意外に思われるのが「復讐」。キリスト教文化圏における、黄色についてのネガティブなとらえ方によるものか、それともアヤメが他の在来種を枯らして駆逐してしまうほどの強い繁殖力を持つ、外来植物としての危険性に由来するものなのか定かではない。ポジティブな面とネガティブな側面があるため、花言葉を気にかけるなら留意しておきたい。
あやめ(菖蒲・文目)本数別の花言葉の解説
あやめの花に固有の「本数に応じた花言葉」は特にない。あやめ(菖蒲・文目)の怖い花言葉
あやめ全般の花言葉には特に怖さを感じさせる要素はないが、「黄菖蒲(キショウブ)」という品種は「復讐」というなかなかに怖い花言葉を持つ。黄菖蒲が「復讐」という花言葉を持つようになった理由は定かではない。きわめて繁殖力が強く、在来品種を駆逐・枯らしてしまう危険な外来植物であるためとか、西洋キリスト教において黄色はユダの衣服の色(裏切り者のイメージ)、および「卑劣さ」「臆病者」を象徴する色とされてきたとか、いくつかの説がある。
黄菖蒲は明るい黄色の鮮やかな花であり、「復讐」の他にもポジティブな意味の花言葉があり、それに黄色は古来「希望」や「喜び」を示すポジティブな色とも認識されてきた経緯がある。「復讐」という花言葉ばかりを気にかけて、贈り物の候補から外すのは、いささか惜しくもある。
※ 花言葉の内容は諸説あります。
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