「英米分析」哲学からの影響とは? わかりやすく解説

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「英米分析」哲学からの影響

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 16:05 UTC 版)

ネオプラグマティズム」の記事における「「英米分析」哲学からの影響」の解説

ネオプラグマティスト、特にローティパトナムは、チャールズ・サンダース・パースウィリアム・ジェームズジョン・デューイなどの古典的プラグマティスト考え利用している。パトナムは、『言葉と生(Words and Life)』(1994)の中で、新しプラグマティストが最も説得力のあると考え古典的なプラグマティスト伝統的発想列挙している。パトナム議論をまとめると次のうになる。 完全な懐疑論哲学的懐疑論への信念は他の信念と同じ程度正当化を必要とするという見解可謬主義Fallibilism信念修正する必要性否定する形而上学的保証はないという見解) 「事実」と「価値」の二元論否定 適切に解釈され実践こそが哲学において第一義重要性有するという見解 (『言葉と生』p.152) ネオプラグマティズムは、主に20世紀初頭から中頃にかけて起きた哲学における言語論的転回影響により、古典的プラグマティズムジェームズデューイパース、およびミードプラグマティズム)とは区別される哲学言語論的転回は、心、観念、そして世界について語りを、言語世界2つ還元した。哲学者は、心の中にあるとされる観念概念について話すのをやめ、「心的言語mental language)」と、これらの概念用いる際に使用される言葉について話し始めた20世紀初頭の言語哲学者たち(例えば、A.J. エイヤー、バートランド・ラッセルG.E. ムーア)は、言語分析することが意味、客観性、そして最終的に外的実在に関する真理到来もたらす考えていた。この伝統では、言語非言語対象適切な対応関係にあるときに真理得られる考えられた(これは「表象主義(representationalism)」と呼ぶことができる)。言明または命題が真であるためには、それは現実存在しているものに対応する事実与えなければならない考えられていたのである。これは真理の対応説correspondence theory of truth)と呼ばれネオプラグマティズム真理論からは区別されるべきである。 初期英米分析言語哲学方法論正当性突き崩され始めた20世紀半ばに、多く哲学的な探求なされた1960年出版された『言葉対象Word and Object)』において、クワインは我々の概念現実との強い対応を持つという観念攻撃した[6]。クワインは、言語実在について純粋に主観的な描像記述しうるという考え攻撃する趣旨の、存在論相対性(ontological relativity)を主張した。より具体的には、存在論相対性とは、我々が世界存在する信じるものは、私たち主観的な心的言語mental languages)」に完全に依存していると主張するテーゼである。「心的言語」とは、端的には、我々の心の中概念指示する言葉が、世界における対象マッピングされる方法のことである。 存在論相対性についてのクワイン主張は、おおよそ次のようにまとめられる実在に関するすべての観念知覚は、我々自身心的言語観点から我々の心に与えられる心的言語は、我々の感覚与件センスデータ)から世界における対象どのように解釈されるかを特定する異な心的言語異な存在論世界存在する異な対象)を特定する2つ異な心的言語を完全に翻訳する方法存在しない。すなわち、各言語の用語を他の用語対応付ける方法は、常に複数ある。 我々の知覚から切り離され実在は、真の対象言語object language)、すなわち物事が「実際にどのようにあるか」を特定する言語構成するものと考えることができる。 2つ心的言語間の翻訳と、実在について対象言語人間心的言語の間の翻訳とでは、何も違いがない。 したがって2つ心的言語客観的に翻訳する方法がないのと同じように(一方の用語から他方の用語への一対一マッピング存在しない)、実在について真の対象言語を我々自身心的言語客観的に翻訳する(あるいは適合させる方法存在しない。 したがって実在表象するために一貫して保持することができる存在論多数(おそらく無限に存在する。 (『言葉対象Word and Object)』第2章参照。) 上記議論は、言語の写像理論picture theory of language)、すなわち探究目的は自らの言語実在正しく表象することであるという見解抗するネオプラグマティズムテーマ彷彿とさせる。 ネオプラグマティストにとって2番目に決定的に影響力のある哲学者は、トーマス・クーンである。彼は、現実表象するための我々の言語、あるいは彼が「パラダイム」と呼ぶものは、将来実験観察可能にする程度によってのみ評価される主張した科学哲学者であるクーンは、『科学革命の構造The Structure of Scientific Revolutions)』において、「科学進歩」は一種誤称であると主張したクーンによれば、我々が科学進歩させていると言いうるのは、古い科学的パラダイムとそれに関連する概念方法捨てて、それに代わって行われるべき新し実験新たな科学的存在論提供する新たなパラダイム採用されるときである。クーンにとって、「電子」が存在すると言えるのは、我々が採用した新しいパラダイムについて、より多く明らかにすることを可能にするであろう新し実験私たち提供するのに役立つ限りにおいてのみである。クーン考えでは、異なパラダイムたちは世界何が存在するかについて異なるものを想定するゆえ、互いに共約不可能(incommensurable)である。この点を見てとるもう一つ方法は、諸パラダイム新し言語記述するものであり、それによって我々は世界新しい方法記述することができる、という理解である。クーン可謬主義者だった。すなわち、彼の考えでは、すべての科学的パラダイム例えば、ニュートン古典力学アインシュタイン相対性理論)は、全体として誤っていると捉えられるべきだが、科学者新しアイデア与えられる限りにおいて受け入れられるクーン可謬主義ホーリズムholism)、共約不可能性強調、および客観的実在に関する考えは、ネオプラグマティストの著作によく見られるテーマである。 ウィルフリッド・セラーズは、認識論における基礎付け主義正当化反対したため、ネオプラグマティスト、特にローティ大きな影響与えた

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