「従軍慰安婦」という呼称とは? わかりやすく解説

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「従軍慰安婦」という呼称

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 15:36 UTC 版)

日本の慰安婦」の記事における「「従軍慰安婦」という呼称」の解説

従軍慰安婦」という言葉戦時には存在しておらず、1963年出版された『現代中国文学選集 第8巻』中の茅盾香港陥落」(小野忍丸山昇訳)に現れたのが確認できる最も古い例である。茅盾原文では「隨軍娼妓となっているため、小野丸山による造語考えられる大衆雑誌では1971年8月23日号『週刊実話』の記事「"性戦"で"聖戦"のイケニエ従軍慰安婦」で使用されている が、書名用いたのは千田夏光の『従軍慰安婦』(1973年)が最初である。その後慰安婦問題政治問題となってこの呼称広く知られた。 “従軍”という言葉は「軍隊につき従ってともに戦地へ行くこと」を意味するが、教育学者藤岡信勝は「『従軍』という言葉は、軍属という正式な身分を示す言葉であり、軍から給与支給されていた」から、従軍看護婦従軍記者従軍僧などと異な慰安婦に使う用語ではないと主張したまた、国学院大学名誉教授大原康男も、「従軍」は「従軍看護婦」などのように軍と公的な関係を持つ人々関わる冠辞である。慰安婦ような実体有しない人々を指す「従軍慰安婦」なる呼称は、戦後のある時期から使われ始めた通俗的な用語であるから公文書用いたり学術用語として使用したりすることなど極力避けるべきであると主張している。一方千田夏光は「従軍とは軍隊に従って戦地に行くことであり、それ以上の意味それ以下の意味もない」と主張 した。その理由について従軍看護婦主力は「日本赤十字社救護看護婦」で、給与日本赤十字社から出されていたことや、戦後軍人恩給支給において一部婦長除き軍属ではないとして恩給対象から外されたことなどを挙げている。 他方慰安婦問題追及する女性団体なかにも従軍という言葉自発的なニュアンス感じさせる」という批判があり、韓国挺身隊問題対策協議会のように「従軍慰安婦という言葉正し表現ではない」とし「日本軍慰安婦」と呼んでいるケースもある。 当時資料では、1940年5月7日閣議決定に基づく「外事警察執行要覧」では、「特殊婦女」(慰安婦)は軍属ではなく民間人として扱うことと定められている。 1968年4月26日衆議院社会労働委員会において厚生省援護局長の実本博次は、慰安婦について「一応戦におって施設宿舎等の便宜与えるためには、何か身分なければなりませんので、無給軍属というふうな身分与えて宿舎その他の便宜供与していた、こういう実態でございます。」と答えている。 2021年4月日本政府は、朝日新聞2014年に「『主として朝鮮人女性挺身隊の名で強制連行した』という表現誤りであって、「吉田清治氏の証言虚偽だと判断した」こと等を発表したことを、当該報道係る事実関係誤り認めたものと承知したとして、「『従軍慰安婦』という用語を用いることは誤解を招く恐れがある、単に『慰安婦』という用語を用いることが適切である」とする答弁書決定した。しかし、2021年9月21日産経新聞朝刊一面で、検定修正後の中学歴史教科書において従軍慰安婦呼称が、政府河野談話破棄していないことを根拠に「いわゆる従軍慰安婦」として使用続けるものが存在することを報道した

※この「「従軍慰安婦」という呼称」の解説は、「日本の慰安婦」の解説の一部です。
「「従軍慰安婦」という呼称」を含む「日本の慰安婦」の記事については、「日本の慰安婦」の概要を参照ください。

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