《よかったです》の敬語
「よかったです」の敬語表現
「よかったです」は丁寧語を用いた敬語の一種ではあります。ただ、ややカジュアルな響きを含んでおり、目上の相手に使う言葉としては適切といえません。より丁重な敬語表現には、「よろしかったです」が挙げられます。「よかったです」の敬語の最上級の表現
「よろしかったです」よりも敬意が含まれた表現は「ようございました」「よろしゅうございました」などです。これらを強調すると、「たいへんようございました」「たいへんよろしゅうございました」などの形になります。あるいは、「まことによろしゅうございました」といった言い回しも可能です。「よかったです」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
「お断りします」や「お断りいたします」は、ビジネスシーンで好ましい表現とはいえません。直接的に、「受け入れられない」という気持ちを示しすぎているからです。ただ、ときにははっきりと意思を表明しなければならないケースもあります。身内へのメール、手紙の場合は、「お断りします」や「お断りいたします」を用いてもマナー違反にはならないでしょう。以下、例文です。「せっかくのお誘いですが、お断りします。その日は打ち合わせと重なっています」
「ご提案について、お断りいたします。もう少しだけ、今の方法で進めてみるつもりです」
身内以外とのメール、手紙では「お断り申し上げます」や「遠慮させていただきます」などの表現を使いましょう。はっきりと否定の気持ちを伝えることで、失礼になる可能性が高いからです。丁寧な言い回しで、少しでも否定的なニュアンスをやわらげるのが礼儀です。以下、例文を挙げていきます。
「ご来場の件ですが、たいへん恐縮ながらお断り申し上げます。その日は会員様だけの催しとなっております」
「パーティーの出席ですが、遠慮させていただきます。その日は出張で都内にはおりません。またの機会にご一緒できたらと願っています」
「よかったです」を上司に伝える際の敬語表現
「よろしかったです」や「ようございました」「よろしゅうございました」は上司に対して使っても間違いではありません。ただ、人によっては「偉そうだ」と感じてしまうこともあるでしょう。目上の相手の行動や発言を評価しているような雰囲気になるからです。上司に「よかったです」という気持ちを伝える際には、「安心いたしました」「ありがたく存じます」など、別の言葉にしておくのが無難だといえます。ポイントは、上司を評価しているのではなく、自分の感想を述べている形にすることです。「よかったです」の敬語での誤用表現・注意事項
基本的に「よろしかったです」は、自分の行為について語る際には使いません。たとえば、「良い発表ができました。よろしかったです」といった使い方は誤用です。「よろしかったです」は相手の行為を対象にした言い回しであり、自分については「嬉しく思いました」「光栄でした」などのフレーズを使いましょう。さらに、目上の相手から称賛されたときの返事としても、「よかったです」は不適切です。自分で自分を「よかった」と褒めている状態になってしまうからです。称賛に対する返事には「安心しました」「恐縮です」などを用いるのが一般的なマナーだといえます。次に、「よろしかったです」を使うときには対象をはっきりさせましょう。「よろしかったです」は使い方次第で、偉そうに読み取れてしまうフレーズです。何について「よろしかった」と述べているのかが曖昧では、相手を不愉快にさせかねません。使用例としては、相手の文章、発言にすかさず「それはよろしかったです」と返すことです。この方法なら、直前の文章や発言に対して「よろしかった」とはっきり示せます。あるいは、具体的に「よろしかった」対象を説明しましょう。「無事お帰りになられたようで、よろしかったです」といった書き方であれば、相手に誤解されにくくなります。
なお、「よろしかったです」と同じ意味で使われている敬語に「よろしかったと存じます」や「よろしかったと思います」が挙げられます。ただし、これらの言い回しはビジネスシーンに相応しくないので要注意です。なぜなら、ビジネスシーンでは物事を曖昧にするのが不適切だとされるからです。「存じます」というのは個人の主観であり、述べている内容が確定的ではなくなってしまいます。また、「よろしかった」という肯定的な内容を、「存じます」と続けることであやふやにするのも避けたいところです。肯定的な内容なら、「よろしかったです」と断定するのが礼儀です。
「よかったです」の敬語での言い換え表現
「よろしかったです」の類語には「何よりでございました」「嬉しかったです」「安心いたしました」などが挙げられます。この中で、もっとも使用できる状況が似ているのは「何よりでございました」です。「よろしかったです」「何よりでございました」はいずれも、相手の行為を形容する際に使います。「よろしかったです」では偉そうな印象になると思ったなら、「何よりでございました」に言い換えてみましょう。そのほか、「最高でした」「脱帽いたしました」「圧巻でした」なども、意味は「よろしかったです」と同じです。相手の行為をおおいに称賛することで、敬意を示せる表現です。そのかわり、これらの語句はややおおげさであり、媚びへつらっているようなニュアンスになる可能性もあります。見え透いたお世辞を並べ立てるのは、いかに敬語表現として正しくても失礼になりかねません。よほどの特別な出来事が起こらない限り、「よろしかったです」や「何よりでございました」などに留めておきましょう。
《よかったです》の敬語
「よかったです」の敬語表現
「よかったです」を敬語で表現する場合、「ようございました」という形になります。「よかったです」はただ「です」が付いているだけの丁寧語で、同等か目下の人に使用する分には問題ありません。しかし、目上の人や顧客相手で使用する場合には不適切なので、より丁寧な表現ができる「ございます」と組み合わせて「ようございました」にすることが望ましいです。「よかった」は「よい」の過去形で、「ございます」と直接組み合わせることが不可能です。「よかったでございます」という形にはなりません。そのため、「よかった」を現在形の「よい」にした後「ございます」と組み合わせ、過去形にして「ようございました」となります。また、「よい」をより丁寧な形の「よろしい」にした「よろしゅうございました」でもほぼ同じ意味となり、言葉を受け取った側からの印象は特に変わらないでしょう。「よかったです」の敬語での誤用表現・注意事項
「よかったです」を敬語で表現した形の「ようございました」「よろしゅうございました」は、いずれも文法としては正しいです。しかし、現代ではあまり使用されることがありません。そして、格式高い場面以外では、相手のことを嘲ったり、ふざけたりしているという印象を与える恐れがあります。そのため、「よかったです」を敬語で表現する必要がある場面では、状況をよく見て、「ようございました」や「よろしゅうございました」を使用するかどうかを考えましょう。もし、不適切だと考えられる場合は、言い換えた表現を使用した方が無難です。「よかったです」の敬語での言い換え表現
「よかったです」ということを相手に伝える場合、そのよい状況が、自身にとって喜ばしいことだという言い換えが可能です。その際に適切なのは、「何よりです」という表現です。これは「何より嬉しいです」を短縮した言葉で、よい状況が、他の全てを差し置いて一番嬉しいという表現となります。したがって、あくまでも丁寧語ではありながらも、敬語として使用することができます。目上に対して使用しても問題はありません。また、相手の言葉に返す形であれば、「それを聞いて嬉しく思います」や「喜ばしい限りです」といった直接的な表現も可能です。さらに、悪い状況が改善したり、相手から吉報を伝えられたりした場合は、「安心いたしました」という言い換えができます。その他にも、相手の感謝の気持ちに応える際には「お役に立てて光栄です」という表現があります。文脈がおかしくならないのであれば、感謝の気持ちとまとめて「ありがとうございます」と表現してしまっても問題はありません。- 《よかったです》の敬語のページへのリンク