《よろしくお願いします》の敬語
「よろしくお願いします」の敬語表現
よろしくお願いいたします「よろしくお願いいたします」は、何かをすることを依頼して承諾を得たいときや、挨拶の言葉として使われる敬語表現です。日常生活でも頻繁に使用しますが、ビジネスシーンにおいてはメールの締め言葉とされることが多いです。
「よろしくお願いいたします」は、「よろしく」「お」「願い」「いたし」「ます」の5要素に品詞分解できます。
・「よろしく」は形容詞「よろし」の連用形。程よく、適当にという意味があり、よろしく頼みます、よろしくお伝えくださいのように用いられます。程よくの意味が転じて、承諾を求める際や挨拶の際に使われる言葉となりました。
・「お」は接頭語。尊敬する人の動作や事物の前に付して、動作主への謙譲・卑下の気持ちを表します。「お願いいたします」「お伺いいたします」のように、動詞に「お」をつけることで相手に働きかける意味をもたせます。
・「願い」は「願う」の連用形。「願う」は神仏の心を安じて、自分の欲することを叶えてくれるように願をかける意味をもちます。
・「いたし」は「する」の謙譲語で補助動詞「いたす」の連用形。動作を表す漢語名詞または動詞の連用形の下につけて用いられます。
・「ます」は丁寧語。
「よろしくお願いします」の敬語の最上級の表現
「よろしくお願い申し上げます」「よろしくお願い申し上げます」は、「よろしく」「お」「願い」「申し」「上げ」「ます」の6要素に品詞分解できます。
・「よろしく」は形容詞「よろし」の連用形。
・「お」は接頭語。「願う」という動詞の前につけて謙譲の気持ちを表します。
・「願い」は「願う」の連用形。
・「申し」は「言う」の謙譲語である「申す」の連用形。
・「上げ」は「上げる」の補助動詞の連用形。「上げる」は、申す、頼む、願うなどの動詞の連用形について動作の対象を敬う意味をもちます。「申し上げる」は「申す」よりも謙譲の度合いが高く、「申し上げる」は上へ申し出るという意味をもっています。
・「ます」は丁寧語。
「お願い申し上げます」と「お願いいたします」は、両者とも丁寧語や謙譲語をつかった敬語表現です。違いは、お願いをするかお願いを言うかにあります。「お願い申し上げます」は、直接会ってお願いすることはできないけれども、是非お願いを申し上げておきたいという言い回しであり、「よろしくお願いします」の敬語の最上級の表現です。
「よろしくお願いします」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
「聞いた」の尊敬語である「お聞きになった」を使ったビジネスメールや手紙では、次のような使い方ができます。肯定文では「お客様がお聞きになったことには、できるだけ早く返信してください」、疑問文では「お客様から、なにをお聞きになったのでしょうか」、否定文では「課長は来週の定例会議のことについて、お聞きになっていないそうです」のようになります。謙譲語である「拝聴した」を使うときは、次のように使います。肯定文では「社長の御高説を拝聴したことがあります」、疑問文は「社長の御高説を拝聴したことがありますか」、否定文では「社長の御高説は拝聴しなかったので、内容は存じません」となります。
丁寧語である「聞きました」を使った例文は、次の通りです。肯定文では「社長の話を聞きました」、疑問文では「社長の話を聞きましたか」、否定文では「社長の話は聞いていません」のように使います。丁寧語が配慮しているのは人ではなく、場や聞き手、読み手です。フォーマルな場で人やもの、場などに使うことができるとされていますが、取り引き先など改まった関係性の場合は尊敬語や謙譲語を使う方が無難です。
「よろしくお願いします」を上司に伝える際の敬語表現
・引き続きよろしくお願いいたします・お力添えのほど、よろしくお願い申し上げます
・早急にご対応いただきますよう、よろしくお願い申し上げます
・ご検討くださいますよう、よろしくお願いいたします
・お忙しい中お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします
「よろしくお願いします」の敬語での誤用表現・注意事項
「宜しくお願い致します」は間違った表記です。「よろしくお願いいたします」のように、漢字ではなくひらがなで表記するようにしましょう。「よろしく」を「宜しく」と書くのは当て字とされており、「宜しく」の表記は常用漢字表にのっていません。宜は「ギ」と読み、適宜、便宜のように使われる漢字です。「お願いいたします」の「いたします」は動詞の下につける補助動詞であり、ひらがなで表記することになっています。「致します」と漢字で表記すると、極限まで至らせる、心をつくす、結果としてよくないことをもたらすといった別の意味の動詞となります。
「お願いいたします」は、ビジネスメールの最後に使われる便利な表現です。同じ文末を繰り返して使いがちであるため、連続して使わないように気をつける必要があります。「お願い申し上げます」やその他の言い換え表現を織り交ぜて読みやすい文章を作るようにしましょう。
「よろしくお願いします」の敬語での言い換え表現
・お願いしたく存じます・〜していただけますか
・〜していただけませんか
・〜していただきたく存じます
・〜していただければ幸いです
・〜していただけますと幸いです
・〜していただけますと幸甚に存じます
・〜していただければ大変助かります
・〜をお待ちしております
・懇願申し上げます
《よろしくお願いします》の敬語
よろしくお願いしますの敬語表現
「よろしくお願いします」は相手に依頼や要望を伝えるときに敬意を表すために添える言葉で、ビジネスシーン等でよく用いられる定型的な表現です。口頭でもメールでも使用頻度が高く汎用性のある言葉です。例えば仕事始めの挨拶とともに用いられたり、メールの文末の締めの挨拶として添えられることも一般的です。「よろしくお願いいたします」「よろしくお願い申し上げます」という表現もよく用いられます。より敬意を表した形なので目上の人やクライアントに使う場合はこちらの方が適切です。「よろしく」は、形容詞の「よろしい」の連用形です。広義の意味があり、「ちょうどよく」「適当に」や「いいでしょう」「許容範囲内です」という意味もあります。「よろしくお願いします」の場合は、相手に好意を示す意味合いとして使われます。 「お願い」は、「願い」の謙譲語です。希望、依頼、要望を伝えるときに幅広く使用できる言葉です。目上の人やお世話になっている人に対して使用します。 「します」は、動詞「する」の丁寧語です。「いたします」は謙譲語になります。「致します」と「いたします」は同じ読み方ですが、意味合いが変わってくるので、メールや書面で使用する場合は注意しなければなりません。「致します」は動詞「致す」の丁寧語であり、「失敗するかもしれませんが全力を尽くします」というネガティブな意味も含まれた動詞です。相手によっては失礼と捉えられる可能性がありますので文字で伝えるときはひらがなで「いたします」と表記した方が間違いありません。よろしくお願いしますの敬語での誤用表現・注意事項
「よろしくお願いします」は敬語ですが、どちらかというと程度の軽い敬語です。立場の近い人やビジネス上の親しい関係性の相手に使用することが適しています。目上の人やクライアント、信頼関係ができていない人に使うと失礼に当たる場合もあるので注意が必要です。例えば「よろしくお願いいたします」「よろしくお願い申し上げます」という伝え方だと、より敬意を感じられる丁寧な表現となります。逆に近しい関係の相手に「よろしくお願い申し上げます」を使うと硬いと捉えられてしまうこともあります。どの表現も敬語に変わりはありませんが、場面や相手との関係性を見て使い分けていくことが求められます。よろしくお願いしますの敬語での言い換え表現
よしなに・宜しくお願いします・よろしくお願いいたします・よろしくお願い申し上げます・よろしくお願いしたく存じます・お許しのほど願い上げます・何卒よろしくお願いします・どうぞよろしくお願いします・是非ともよろしくお願いします・今後ともよろしくお願いいたします・以後ともよろしくお願いいたします・よしなに御取り計らいください・希望いたします・要望いたします・願わしく存じます・願わしいと存じます・懇願申し上げます・お頼みいたします・お頼み申し上げます・念願いたしております- 《よろしくお願いします》の敬語のページへのリンク