《もしかしたら》の敬語
「もしかしたら」の敬語表現
「もしかしたら」の敬語表現は「もしかしたら~かもしれません」「もしかしたら~ではないでしょうか」などの形です。「もしかしたら」自体は敬語でないので、その後の文章に推量の意味の丁寧語を加えることで、相手への敬意を示せます。「もしかしたら」の敬語の最上級の表現
「もしかしたら」の敬語の最上級は、「もしかいたしますと~かもしれません」の形です。「もしかしたら」という言葉は十分に浸透しているので、変化させることはあまりありません。ただ、謙譲語の「いたす」を付け加えて「もしかいたしますと」にすれば、より強く相手への敬意を示せます。「もしかしたら」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
ビジネスシーンで「もしかしたら」の敬語を使うこともあります。以下、メールや手紙における「もしかしたら」の例文です。「もしかしたら、弊社にあるかもしれません。本日中に使用していないノートパソコンを探しておきます。夕方ごろ、またご連絡いたします」
「弊社でシステムの点検を行いましたが、特に変わった点はありませんでした。もしかしたら、ハードウェア側の故障ではないでしょうか」
「予想とは裏腹に、社長から批判的な意見は出ませんでした。これはとても珍しいことです。もしかしたら、気に入っていただけたのかもしれません」
「これまでよりも価格帯についての質問が多くなっていたように見受けられました。もしかしたら、他社もアプローチしているのではないでしょうか」
「もしかいたしますと、私を別の人間に間違えられているのかもしれません。私から課長様にそのようなことは申し上げておりませんので」
「特に質疑応答もなく、弊社のプレゼンテーションは予定時刻よりもかなり前に終了いたしました。もしかいたしますと、もう注文先は決まっているのかもしれません」
「もしかいたしますと、弊社の担当者が無礼を働いたのではないでしょうか。もしそうであれば、上司の私がお詫びしなければなりません」
「お問い合わせありがとうございます。もしかいたしますと、以前、私が入会のご説明をさせていただいたお客様でしょうか」
「もしかしたら」を上司に伝える際の敬語表現
「もしかすると」を上司に伝える際は、別の語句に置き換えることが適切です。なぜなら、「もしかすると」は推量の表現なので、上司への報告・連絡・相談には向いていない言葉だからです。ビジネスシーンにおける上司とのやりとりでは、確定的な事実を述べなくてはなりません。どうしても推量の表現を用いたいなら、「可能性といたしましては」「私が思いますに」「あくまでも推測ですが」などの前置きがあります。「もしかすると」はやや平易な言葉であり、上司相手には避けるようにしましょう。ただし、立場が近く、気心の知れた上司には「もしかしたら」を使うことも可能です。「もしかしたら」の敬語での誤用表現・注意事項
「もしかすると」の敬語の誤用は「もしかすると~です」「もしかすると~でございます」のような、断定口調にしてしまうことです。「もしかすると」は推量の意味を持つ言葉なので、その後に来る文章も同じ形になっていなくてはなりません。「かもしれません」「でしょうか」といった語尾で、推量を示すようにします。なお、「もしか~かもしれません」のように、「したら」を除いた「もしか」の形で文章をつなぐことも避けましょう。「もしか」自体が副詞なので、単体で使うのはまちがいではありません。ただ、雑な印象を与える文章になってしまいます。ビジネスシーンや目上の人とのやりとりでは、「もしかしたら」を使いましょう。「もしかしたら~かもしれません」を使うときの注意点は、多用しないようにすることです。特に、ビジネスシーンでは推量が多いと、相手を混乱させてしまいます。また、確定的な情報を提示できないと、相手を不快にさせるケースもあるでしょう。可能な限り、重要な話題については「もしかしたら~かもしれません」という推量をしないほうが賢明です。どうしても推量で伝えなければならないときは、「追って調べます」「引き続き考えさせてください」のような文章をつなぎ、「確定するまで継続的に努力している」という意思を示しましょう。
なお、明確な事実に関しても、「もしかしたら~です」の形は使わないようにします。たとえば、自分自身の考え、経験などは確定的な事実として答えられるはずです。調べれば簡単に分かることも「もしかしたら~です」の形で答える必要がありません。ビジネスシーンでは相手に不信感を抱かせないよう、はっきりと受け答えすることが肝心です。
「もしかしたら」の敬語での言い換え表現
「もしかしたら」の敬語の類語には「ひょっとしたら~かもしれません」があります。意味は「もしかしたら」とほぼ同じで、推量を伝える際の表現です。ただし、「もしかしたら」よりも「ひょっとしたら」のほうがカジュアルな響きを持つので、ビジネスシーンには向かない言い回しです。さらに、「あるいは~かもしれません」という表現もあります。これは選択肢があり、どれが決定的な答えか分からない状況での言い回しです。最初にある選択肢を伝え、その後に別のものを紹介するときに使われてきました。- 《もしかしたら》の敬語のページへのリンク