《なるほど》の敬語
「なるほど」の敬語表現
「なるほど」は上から目線の表現だと受け取られる恐れがあるため、敬語として別の表現に置き換える必要があります。ただ、「なるほど」をそのまま敬語にした言葉はありません。そして、「なるほど」には色々な使い方があるため、その使い方に応じて表現を変える必要があります。相手の言葉に相槌を打つための「なるほど」は、「はい」に置き換えた方が良いです。「はい」はただ丁寧なだけの相槌ですが、「なるほど」とは違い、上から目線の印象を与えないため、無難な表現として使用することができます。
「なるほど」は相手の話している内容を理解した時にも使用しますが、その場合は「左様でございますか」に置き換えると良いです。「左様でございますか」は「そうですか」を丁寧にした表現で、相手への理解を示すことができます。
さらに、「なるほど」は、相手の意見を肯定するために使用する場合もあります。その際には、「おっしゃる通りです」を使用します。相手の言う通りという表現によって、肯定の態度を示す形です。また、「おっしゃる通り」よりは尊敬の度合いが下がりますが、「その通りです」という表現も可能です。
「なるほど」の敬語の最上級の表現
「なるほど」を最上級の敬語にする場合も、使い方に応じて表現を変えます。そして、相槌を打つために使用する場合、「はい」よりも尊敬の度合いが強い表現はないため、そのまま「はい」を使用する形で問題はありません。相手の話を理解した時に使う「左様でございますか」も同様に、丁寧語ではありますが、最上級の敬語表現です。別の表現に置き換えることなく、目上の人に対して使用することができます。相手の意見を肯定する場合の「おっしゃる通りです」に関しては、「おっしゃる通りでございます」という形にした方が、より丁寧になり、強い尊敬の意思を示すことができます。「なるほど」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
ビジネスメール・手紙では、口語表現よりも丁寧な言い回しにするのがマナーです。「助かります」などのカジュアルな敬語は失礼にあたるため、適切な表現を使う必要があります。感謝・お礼を伝えるメール例文:お世話になっております。この度は納品手続きに迅速に対応していただき、誠にありがとうございます。
感謝・お礼を伝えるメール例文:いつもお心遣いをいただき、誠にありがとうございます。感謝の一端としまして、弊社の設立10週年の記念品をお送りしましたので、ご笑納いただければ幸いでございます。
依頼のメール例文:平素よりお世話になっております。見積書を添付しておりますのでご査収ください。お忙しいところ申し訳ございませんが、本日中にご確認いただけると幸甚に存じます。
依頼のメール例文:いつもお世話になっております。先日お話ししたプロジェクトの件で打ち合わせをさせていただきたくお願い申し上げます。ご都合の良い日時をお伝えいただけると幸いでございます。
「なるほど」を上司に伝える際の敬語表現
「なるほど」は、上から目線の表現だと受け取られかねないため、上司に対して使用することも好ましくありません。そのため、状況に応じて別の表現に変える必要があります。相槌の場合は「はい」、上司の話す内容を理解した時には「左様でございますか」、上司を肯定する場合は「おっしゃる通りです」を用います。ただ、「左様でございますか」と「おっしゃる通りです」は、身近な上司に対して使用すると、他人行儀な印象を与えてしまう恐れがあります。そのため、「左様でございますか」は「そうですか」、「おっしゃる通りです」は「その通りです」という風に、少し砕けた表現に置き換えた方が良いかもしれません。いずれも丁寧語ではあるため、敬語として使用できる表現です。
また、身近な上司に対しては、「なるほど」が使用できる場合があります。ただ、その際には、「なるほど」を単体で使用するのではなく、別の敬語表現と組み合わせなければなりません。「なるほど、勉強になりました」「なるほど、今やっと理解できました」といった形にすると、「なるほど」を使用しても、敬語表現として自然に受け入れてもらえる可能性はあります。
「なるほど」の敬語での誤用表現・注意事項
「なるほど」が上から目線の表現だと理解している場合、「なるほどですね」という丁寧な敬語表現にしようとする人がいます。しかし、「なるほど」はどのような使い方をしても、副詞あるいは感嘆詞のどちらかです。そのため、「です」と組み合わせられるようにはなっていません。したがって、「なるほどですね」という表現は、文法的に間違っています。さらに、言葉の響きも違和感を生みやすいため、敬意が伝わりにくいです。「なるほど」そのものが敬語表現に相応しくないため、「なるほどですね」のように無理をして残す形にはせず、全く異なる表現に置き換えてしまった方が良いです。「なるほど」の敬語での言い換え表現
相槌を打つために使用する「なるほど」の敬語表現「はい」は、「ええ」という表現に言い換えることも可能です。「ええ」は「はい」よりも少し砕けた意味合いを持つ言葉ですが、一般的に使用しても特に失礼にはなりません。したがって、相槌を打つ際に、「はい」だけを連続させると単調になってしまいそうな時には、「ええ」を混ぜると良いでしょう。相手に同意する場合は、「おっしゃる通りです」「その通りです」以外に、「ごもっともです」「ご指摘の通りです」を使用することも可能です。「ごもっともです」は相手を肯定する表現なので、相手に同意する幅広い場面で使用することができます。「ご指摘のとおりです」は、相手が何らかの問題点を指摘したり、改善案を出したりした場合に使用可能です。
《なるほど》の敬語
なるほどの敬語表現
「なるほど」は相手に同意した、納得したことを表現する言葉です。言葉そのものに上下関係を示す意味はありませんが、相手を見下すイメージがあるのも事実です。「なるほど」は敬語ではないため、目上の人や公式の場で使うのは不向きです。敬語表現として「わかりました」「おっしゃる通りです」などがあるので会話の際は注意します。なるほどは話し言葉なので書面に記すことはほぼありませんが、会話を書き起こす際は敬語表現の「その通りです」「左様でございます」などが適しています。なるほどの敬語での誤用表現・注意事項
「なるほど」の敬語表現で多い誤りとして「なるほどです」があります。なるほどは副詞・感嘆詞にあたるため、そこに丁寧語の一種である「です」を付け加えるのは正しい使い方ではありません。「なるほどですね」「なるほどでございます」なども同じ誤用表現ですが、このような間違いをするのはなるほどに敬語としての意味を持たせようとするためです。なるほど自体には敬語の意味はないので別の表現に言い換えるのが不自然にならない会話を成立させる工夫になります。なるほどの敬語での言い換え表現
なるほどは相槌に用いる言葉なので様々な会話に使うことができます。敬語に言い換える際は会話の内容に適した表現を選ぶ必要があります。通常の相槌として使う場合は「はい」に言い換えるのが無難です。なるほどと繰り返すよりもはいの方が柔らかい感じになります。相手の話に納得した、話の内容を理解した際の言い換え表現は「わかりました」「承知しました」があります。どちらも話の内容を正しく理解したことを効果的に伝えることができる他、丁寧に聞こえるのでどのような場で使っても違和感はありません。相手の言い分に同意する、賛同する場合は「おっしゃる通り」が最適です。相手を尊重する意味もあるので目上の人に用いるのが無難です。自分がへりくだる言葉でもあるので誰に対しても失礼にはなりませんが、親しい友人や後輩に使うと嫌味に聞こえることもあるので注意します。話の内容が正しいと感じた時の表現は「確かに」があります。「確かに、おっしゃる通りです」と使うこともありますが、話の内容に同意するのと正しいと判断するのは必ずしも同一ではありません。そのため、言い換えの際は注意が必要です。相手の言い分に理解を示す時の表現には「左様でございます」「そうですか」などがあります。丁寧な言い方ですが口調が強いと相手を責めるような感じになるので会話の際は注意します。- 《なるほど》の敬語のページへのリンク