《いきます》の敬語
「いきます」の敬語表現
「いきます」は漢字で「行きます」と表記します。「行きます」は、「行く」を丁寧語にした敬語表現で、「行きます」はそのままで敬語表現の一つです。敬語には、丁寧語、謙譲語、尊敬語があります。丁寧語は、文末に「です」、「ます」などを付けて丁寧な言い回しをする敬語です。謙譲語は、自分に対してへりくだった表現をすることにより相対的に相手を高め、敬意を表します。「行く」の謙譲語は、「参る」、「伺う」になります。尊敬語は、対話中の相手や話題になっている人に対して高める表現を使うことで敬意を表します。「行く」の尊敬語は「行かれる」になります。「いきます」の敬語の最上級の表現
丁寧語の「行きます」よりも、謙譲語の「参る」、「伺う」、尊敬語の「行かれる」のほうが敬意の高い表現です。「行く」の主語が誰なのかによって謙譲語を使うのか尊敬語を使うのか変わってきますので、謙譲語と尊敬語のなかでどれが最も丁寧であるかというのを決めるのは難しいです。文脈に合わせて適切な敬語を使い分けてください。「いきます」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
社内の先輩にメールをする場合を想定した、例文をご紹介します。「営業一課
〇〇様
お疲れさまです。
営業三課の〇〇(氏名)です。
先週行われた営業力向上勉強会についてですが、
私はちょうど出張中で留守をしており参加することができませんでした。
勉強会の際に配布した資料をシェアして頂くことは可能でしょうか。
もし可能であれば、お手すきの時間帯にデスクまで伺います。
お忙しい中、大変恐縮ではございますが
ご返信いただけると幸いです。
署名」
続いては、取引先への手紙の場合の例文をご紹介します。
「株式会社〇〇
総務部〇〇様
晩夏の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、毎年開催しております弊社イベントのご案内をお送りいたします。
イベント当日の夜には、近隣の会場で地域の花火大会も開催されるそうです。
花火大会には行かれますか?
弊社では花火大会の入場チケットのご用意がございますので
入場希望の際はご連絡いただければ幸いです。
猛暑日が続いておりますので、お身体ご自愛ください。
署名」
「いきます」を上司に伝える際の敬語表現
自分の上司に「いきます」を伝える場合、そのまま「行きます」という敬語表現を使うことができます。ビジネスシーンでは、社内の会話の場合、丁寧語を使うことが多いです。社外の取引先やお客様に対しては尊敬語を使う場合が多く、相手やシーンによって使い分けるようにしましょう。取引先へ営業などに出かける場合、周囲の人や上司へ「行ってまいります」とあいさつをする人が多いのではないでしょうか。「行ってきます」では家族へのあいさつのようなフランクな雰囲気になってしまうため、ビジネスシーンでは「行ってまいります」のほうが好んで使われる傾向にあります。「行ってまいります」の「まいる」は漢字で表記すると「参る」で、「行く」の謙譲語です。ですので、「行って参ります」は「行く」という意味の言葉が二重で使われているため不適切であるという考え方もあるようです。一方で、「参る」ということばは「~する」という意味もあるので間違いではないとする考え方もあります。「行ってまいります」は一般的に広く使われているあいさつですので、社外へ外出する際は「行ってまいります」で問題ないと言えるでしょう。
「いきます」の敬語での誤用表現・注意事項
「いきます」をより丁寧に表現したいと思って、「いかさせていただきます」としてしまう人がいますがこれは間違いです。「~させていただく」とすると丁寧な感じがするかもしれませんが、「読まさせていただく」、「休まさせていただく」も同じくこれらも間違っています。正しくは「行かせていただく」、「読ませていただく」、「休ませていただく」となります。普段から間違った表現を使ってしまっている人も多いのでわかりにくい、難しいと感じる人もいるでしょう。迷ったときには、いったん元の言葉に「ない」を付けて、否定形にします。「行く」の場合では「行かない」とします。「ない」の直前は「行か」で、「か」はア行です。「ない」の直前の言葉がア行以外の場合に「させていただく」をつけることができます。つまり「行かない」はア行なので、「行く」に「させていただく」は付けないのです。例えば、「食べる」であれば否定形は「食べない」となり、「ない」の直前の言葉の「食べ」の「べ」はエ行ですので「させていただく」をつけます。「食べさせていただく」となります。少しややこしいかもしれませんが、日ごろから気をつけるようにして正しく敬語を使っていきましょう。「いきます」の敬語での言い換え表現
「いきます」の「行く」には、「出向く」という言い換え表現があります。例えば、翌日に研修センターでの勉強会があることを上司に伝える場合、「明日は研修センターに出向きます」などと伝えることができます。ただ、取引先の人に対して「明日は御社に出向きます」などと伝えるのは、失礼だと感じる人もいるようです。「出向く」という言葉そのものは「行く」とほぼ同じ意味で、目下の人の場合に使う言葉というわけではありません。ですが「出向く」という言葉が「出向」をイメージさせ、「左遷」を連想してしまってイメージが良くないと感じる人もいるようです。もう一つの例文として、「先生にわざわざ出向いていただいてすみません」この場合は失礼な感じはしないと言えるでしょう。「出向く」は使う場面によって印象が変わりますので、相手やシーンを選んで使いましょう。- 《いきます》の敬語のページへのリンク