《いいですか》の敬語
「いいですか」の敬語表現
「よろしいでしょうか」。「よろしい」は「よい、いい」の丁寧語です。「よい、いい」は、「適切である、好ましい、許可できる」といった意味を持っています。「でしょうか」は「だろうか」の丁寧語であり、「でしょ」と「う」、「か」の3要素に品詞分解できます。断定の助動詞「です」の未然形「でしょ」に、推量の助動詞「う(む)」と疑問の助詞「か」を付けたものです。よって、「よろしいでしょうか」は「いいだろうか?」という意味の丁寧語だと言えます。相手に許可を求めたり、問題の有無を確認したりする場合に使用する表現です。「〜してもいいですか」と、自分の行動に対して相手に許可を求める際は「〜してもよろしいでしょうか」と言います。
「いいですか」の敬語の最上級の表現
丁寧語の「よろしいでしょうか」が、最上級の表現です。「いいですか」の尊敬語や謙譲語はありません。「よろしいでしょうか」の前に尊敬語や謙譲語の言葉をつけると、尊敬語や謙譲語の表現になります。「休暇をもらってもいいですか。」を謙譲語で表現する場合、言い換えるのは「もらっても」の部分です。「もらう」を謙譲語の「いただく」に言い換えてから「よろしいでしょうか」と合わせることで、「休暇をいただいてもよろしいでしょうか。」という謙譲語の表現になります。「いいですか」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
ビジネスメールや手紙にも、「よろしいでしょうか」を用いることは可能です。取引先の相手と日程を調整する場合、「〜時にうかがってもよろしいでしょうか」や「〜を〜時に変えていただいてもよろしいでしょうか」といった表現を使用します。例文として挙げられるのは、「御社のビルへ、再来週の木曜日の14時にうかがってもよろしいでしょうか。」や「来週の面談の日程を、金曜日の13時に変えていただいてもよろしいでしょうか。」などです。メールで相手に資料などを送る場合は、「添付したファイル(資料)を確認していただいてもよろしいでしょうか。」とします。相手に質問、または内容を確認する場合に用いる表現は「〜は〜という認識でよろしいでしょうか。」や「(1点確認したいことがあるのですが)〜は〜ということでよろしいでしょうか。」などです。
「いいですか」を上司に伝える際の敬語表現
「よろしいでしょうか」は丁寧語であるため、上司に伝える際に用いる表現としても適切だと言えます。上司に対して失礼にならないだけでなく、堅苦しい雰囲気もない表現です。よって、基本的には「よろしいでしょうか」という表現がよく用いられています。しかし、相手によっては「よろしいでしょうか」では他人行儀になってしまう可能性も否めません。相手が身近な上司である場合は、そのまま「良いですか(いいですか)」を使用します。「いいですか」の敬語での誤用表現・注意事項
「よろしかったでしょうか」は、場面によっては誤用表現になってしまいます。「よろしかった」は「よろしい」の過去形です。基本的に「よろしかったでしょうか」は、過去の出来事について確認する場合に使用します。よって、現在または未来の出来事に対して「よろしかったでしょうか」を用いることはできません。過去形ではなく、「よろしいでしょうか」を使用する必要があります。具体的な場面として挙げられるのは、目上の相手の名前をたずねる時や、飲食店で注文の内容を確認する時などです。「よろしいですか」も「よろしかったでしょうか」と同様、不明なことに対する問いかけの丁寧語です。「ですか」は「です」と「か」の2要素に品詞分解できます。断定の助動詞「です」に疑問の助詞「か」を合わせたものであり、推量の意図は含まれていません。よって、「ですか(断定+疑問)」は断定的、「でしょうか(断定+推量+疑問)」は間接的な表現だと言えます。「よろしいですか」にはどこか威圧的な印象があるため、注意が必要です。
「いいですか」の敬語での言い換え表現
「いいですか」の敬語表現「よろしいでしょうか」には、大きく分けて3つの言い換え表現があります。1つ目は、「いかがでしょうか」。「ご都合はいかがでしょうか」といった形で、相手の様子や意見、感想をたずねる際に用いる表現です。また、「プログラムの進捗状況はいかがでしょうか。」、「当店自慢のプリンはいかがでしょうか。」などと作業の進捗状況を確認したり、相手に行動を促したりすることも出来ます。2つ目は、「構いませんでしょうか」。「構いません」は、「構わない」の丁寧語です。「差支えない、問題ない」という意味を持っています。「次回のレッスンの時間を、10時から13時に変えていただいても構いませんでしょうか。」のように、相手にとって不都合な可能性があることについて、相手の許可を求める際に使用します。3つ目は、「お間違いないでしょうか」。「お」は、尊敬を表す接頭語です。「間違いない」は、(前提となる内容が)間違っていない、正しいということを断定する表現です。「次回の面談の時間は、14時でお間違いないでしょうか。」といった形で間違いがないか、適切かどうか確認する際に使用します。
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