油揚げ
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文化
- 突然大事な物をさらわれることを例えて「トンビに油揚げをさらわれる」と称する。
- 俗に「キツネの好物」とされ、稲荷神では、神様のお使いである狐に油揚げを供える。 日本では古くから農耕を行っており、農作物を荒らすネズミはとても迷惑な存在だった。いっぽう狐は、害獣ネズミを食べてくれるとてもありがたい存在だったことから、狂言の「釣狐」が描いているように、狐の巣穴の前に好物であるネズミを油で揚げた「ネズミの油揚げ」を置く習慣ができた。その後、肉食殺生を嫌う仏教の影響で、次第に大豆を油で揚げた「油揚げ」を供えるようになっていったと考えられている[18]。
- なお、狐だけでなく猫にも油揚げを好むものがいるが、与え過ぎなければ猫に油揚げを与えても問題はない[19]。
脚注
出典
参考文献
- 大谷晃一『大阪学』新潮社〈新潮文庫〉、1994年12月。ISBN 4101382212。
- 岡田哲『たべもの起源事典』東京堂出版、2003年2月。ISBN 4490106165。
- 菊地武顕『あのメニューが生まれた店』平凡社〈コロナ・ブックス〉、2013年11月。ISBN 4582634869。
- ^ 新明解国語辞典第6版(三省堂)
- ^ 全国豆腐油揚商工組合連合会 豆腐加工食品「油揚げ」
- ^ a b c d 橋詰和宗「油揚げ」『調理科学』第18巻第1号、一般社団法人日本調理科学会、1985年、17-22頁、doi:10.11402/cookeryscience1968.18.1_17。
- ^ “揚げたてアツアツ! 1日1万枚売れる仙台『定義とうふ店』の三角油揚げはなぜうまい? (2018年5月1日)”. エキサイトニュース. 2020年6月26日閲覧。
- ^ “あぶらげ(油揚げ) of 栃尾観光協会”. 栃尾観光協会. 2021年2月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月26日閲覧。
- ^ 日本経済新聞夕刊2017年1月31日『食ナビ/飛騨「味付けあげ」人気アゲアゲ ふんわりニュー油揚げ』
- ^ 橋詰和宗「福井県の油揚げに関する調査」『仁愛女子短期大学研究紀要』第49巻、仁愛女子短期大学、2017年4月、29-34頁。
- ^ クボタ食品 奈良の伝統食「大和揚げ」とは
- ^ 程野商店 松山あげの特徴
- ^ 塩山食品株式会社 南関あげとは?
- ^ a b “第5章 その他”. 文部科学省. 2023年6月23日閲覧。
- ^ 岡田哲(2003)p.212
- ^ a b 大谷晃一(1994)p.52
- ^ a b c 岡田哲(2003)p.126
- ^ “油揚げの裏巾着”. 中野区. 2023年6月23日閲覧。
- ^ “松本伝統の味「からしいなり」に迫る 油揚げが「裏返し」内側に「からし」ルーツは神事の味?”. 長野放送. 2023年6月23日閲覧。
- ^ 菊地武顕(2013)p.43
- ^ “かつてお稲荷さんには「ネズミの油揚げ」を供えていた!?日本人の食とキツネの関係”. Japaaan (2021年7月28日). 2022年12月29日閲覧。
- ^ “猫に油揚げを食べさせる際の与え方とは”. ねこちゃんホンポ. 2022年12月29日閲覧。
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油揚げと同じ種類の言葉
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