種牡馬 種牡馬の種類

種牡馬

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/18 14:44 UTC 版)

種牡馬の種類

リース種牡馬

国外などから期間限定でレンタルされた種牡馬のこと。主に海外の一流種牡馬をリースする。日本へリースされた馬の代表例にデインヒルパントレセレブルラストタイクーンなど。 ロックオブジブラルタルも当初の予定に反して結果的に1年のみの日本供用となった。

シャトル種牡馬

馬の種付けは春に行うため、北半球と南半球の季節のずれを利用し1年に2期種付けを行う種牡馬のこと。代表例はラストタイクーンデインヒル。日本では1997年に初めて試みられ、以降輸出が相次いでいる。

日本のシャトル種牡馬のリスト

1997年
カーネギー、グルームダンサー、ヘクタープロテクターペンタイアロドリゴデトリアーノ、ワージブ
2000年
エンドスウィープ、カーネギー、ジェイドロバリージェネラスシンコウキングタヤスツヨシティンバーカントリードリームウェルバブルガムフェローフジキセキ、ブロッコ、ペンタイア
2001年
アグネスワールド、ウェイオブライト、エンドスウィープ、カーネギー、サマーサスピション、ジェイドロバリー、ジェニュイン、ジェネラス、スキーキャプテン、タヤスツヨシ、チーフベアハート、フジキセキ、ペンタイア
2002年
ウェイオブライト、カーネギー、ジェニュイン、タヤスツヨシ、チーフベアハート、デヒア、フジキセキ、ブラックホーク、ブロッコ
2003年
ウェイオブライト、エリシオグラスワンダー、ジェニュイン、ジャングルポケット、チーフベアハート、デヒア、ブラックタキシード、ブラックホーク、フレンチデピュティ、ペンタイア
2004年
アグネスワールド、ウェイオブライト、グラスワンダー、グランデラ、ジャングルポケット、デヒア、トワイニングファルブラヴ、ブラックタキシード、ブラックホーク、フレンチデピュティ
2005年
ウェイオブライト、グラスワンダー、グランデラ、ジャングルポケット、タヤスツヨシ、デザートキング、デヒア、ブラックホーク、フレンチデピュティ
2006年
グラスワンダー、グランデラ、ジャングルポケット、ストラヴィンスキーゼンノロブロイ、タヤスツヨシ、ティンバーカントリー、デザートキング、ファルブラヴ、ブラックタキシード、ブラックホーク
2007年
馬インフルエンザの影響もあって見送られた馬も多い。
グランデラ、ジャングルポケット、ストラヴィンスキー、スニッツェル、ゼンノロブロイ、ブラックホーク
2008年
馬インフルエンザの影響で日本に帰国できず、北半球シーズンの供用を停止した馬も出たため、この年以降からシンジケート所有の種牡馬は見送られる傾向にある。
2009年
スタチューオブリバティ、ストラヴィンスキー
2011年
スタチューオブリバティ、ストラヴィンスキー
2016年
リアルインパクト
2017年
リアルインパクト、モーリスミッキーアイル
2018年
リアルインパクト、モーリス、ミッキーアイル、サトノアラジン

内国産種牡馬

日本国内で生産された種牡馬のこと。産駒は父内国産馬として扱われ、父内国産馬奨励賞などの附加賞金や父内国産馬限定レースへの出走権が与えられた。持込馬も内国産扱いである。代表例は、ニホンピロウイナーサクラユタカオーダンスインザダークアグネスタキオンなど。かつては内国産種牡馬が冷遇された時代が長く続き、2007年まではリーディングサイアーを獲得した内国産種牡馬はクモハタアローエクスプレスの2頭のみだった。だが2008年にアグネスタキオンがリーディングサイアーとなって以降、マンハッタンカフェキングカメハメハディープインパクトと内国産種牡馬が次々とリーディングサイアーを獲得している。このような流れを受けてJRAは2007年に父内国産馬奨励賞[2]、2008年に父内国産馬限定競走を廃止した[3]

代替種牡馬

特定の種牡馬が人気となった場合、おのずと種付け料の高騰や、種付け頭数の増加による受付終了(ブックフルとも呼ばれる)が起こる場合が少なくない。その対応策として導入される、人気種牡馬に似た血統構成の種牡馬を指して代替種牡馬と呼ぶ。ただし代替種牡馬が一概に代用として扱われ続けたわけではなく、代替種牡馬の方が高い実績を残した例もある。

なお代替種牡馬の導入の経緯には様々な事情があり、以下にその代表的な例を挙げる。

ブライアンズタイム
当初いとこにあたるサンシャインフォーエヴァーの導入を検討していたが購入に失敗し、その代替種牡馬として輸入された。父馬は同じロベルト、母馬も同じくグロースタークを父に持つ全姉妹と極めて近い血統構成である。後年サンシャインフォーエヴァーも日本に輸入されているが、産駒成績はブライアンズタイムが圧倒的に上回っており、代替種牡馬がいわば「本家」に勝る評価を得るに至った稀有な例である。
ヤマニンスキーラシアンルーブル
マルゼンスキーの代替種牡馬。父ニジンスキー、母の父バックパサーという共通点を持ち、しかもラシアンルーブルは祖母の父もマルゼンスキーと同じプリンスキロである。両馬の競走成績は一流とは言い難いものだったが、ともに種牡馬としてGI馬を出し、まずまずの実績を残している。
マグニテュード
当時次々に活躍馬を送り出し、種付け料が高騰していたミルジョージの代替種牡馬として扱われていた。両馬ともに父馬は凱旋門賞などGI6勝を挙げたミルリーフ。ただしマグニテュードは母馬のアルテッスロワイヤルもオークスなどGI2勝を挙げた活躍馬であり、血統的背景においては超一流ともいえる良血である。当馬の代表産駒であるミホノブルボンは、母の父シャレーもダンディルートの代替種牡馬であったエピソードは有名[4]
ミシックトライブ
エルコンドルパサーやキングカメハメハなど日本で産駒の活躍が目立つキングマンボは名門レーンズエンドファームのエース格で国内導入の可能性は極めて低かった。そこでフランスで1戦未勝利だったキングマンボの全弟である本馬をアロースタッドが購入したが、キングマンボどころか他の不人気種牡馬と比べても見劣りするほどまったく実績をあげることができず、2008年に廃用となった。同じくキングマンボの全弟であるミエスクズサンは北米で供用されマイル前後を中心に活躍馬を輩出している。

フジキセキの様に、実績のある期待馬が故障した際に、即座に種牡馬入りが選択されたことや、エイシンサンディ等実績に関係なく、これらサンデーサイレンスの初期産駒がこぞって種牡馬になったのも、代替種牡馬としての需要があったためである。特にサンデーサイレンスは種付けが極めて高額であったため、この傾向が顕著であった。(サンデーサイレンスは2002年に死亡しており、フジキセキは種牡馬実績からもすでに代替種牡馬ではなく後継種牡馬という位置づけにある。)

ブライアンズタイムのように本物以上の成功を収めることや、リーズナブルな種付料と成績を比較するとまずまずの成功を収める馬もあるが、一般に競走実績がなく血統だけで種牡馬になったタイプの馬は、相応の実績を挙げない限りは種付の申込数はそれほど増えることはない。むしろ種付は年々減っていき、毎年デビューする競走馬も数少なくなっていくため、ミシックトライブのように結果が付いてこないまま埋もれていく場合の方が多い。前述のエイシンサンディは、代替種牡馬としてはミツアキサイレンスエイシンテンダーを輩出し実績をあげている。

ディープインパクトの代替種牡馬であるオンファイア(全弟)とブラックタイド(全兄)はその好例である。ディープインパクトは初年度2007年から種付け料が1200万(2016年は3000万)と高額で、G3で3着が1回のみのオンファイアに代替需要が発生し、初年度2007年には153頭もの種付けを行った。しかし、その後ウキヨノカゼ等の活躍馬は出るものの全体として成績が悪く、2009年に種牡馬入りした全兄ブラックタイドに代替需要が奪われたこともあり伸び悩んでいる。一方、自身に重賞実績のあるブラックタイドはファーストシーズンサイアーランキングで1位となり、キタサンブラック等活躍馬が多数出現した。2015年には種付け数が194頭に達し、2009年に受胎条件で50万だった種付け料が2016年には300万にまで高騰している。単に高額な種付け料やブックフルだけの問題ではなく、馬格の小さなディープインパクトを交配することにリスクがある小型の繁殖牝馬向け需要も代替している。


  1. ^ 【種牡馬展示会(Stallion Parade)】の「2017年度日程」について(社台スタリオンステーションなど9開催)(【サラブレッドセール(セリ市場)=馬市】&【種牡馬】の最新情報 by馬市.com 2017年1月13日 2017年2月23日閲覧)・【こちら日高支局です・古谷剛彦】種牡馬展示会にエイシンヒカリやゴールドシップ登場(2017年2月14日 スポーツ報知・古谷剛彦 (スポーツライター) 2017年2月23日閲覧)
  2. ^ 後藤正俊 (2006年12月1日). “「パート国」としての今後”. 日本競走馬協会. 2017年8月29日閲覧。
  3. ^ 2008年度競馬番組および払戻金の上乗せについて - ウェイバックマシン(2007年11月11日アーカイブ分)
  4. ^ Yahoo!Japanスポーツ内コラム『最強ヒストリー ミホノブルボン 無敵の“人造サラブレッド”』第1話『作られた名馬』で生産者本人が「経済的な理由で両馬を選択した」という旨のコメントをしている。[1]
  5. ^ ゴールドアリュール号が死亡日本中央競馬会、2017年2月18日閲覧
  6. ^ 【皐月賞】フジキセキ産駒 デビューから17年目のクラシックV スポーツニッポン 2015年3月27日閲覧
  7. ^ champion sire smart strike euthanized - bloodhorse.com 2015年3月27日閲覧




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