メルボルンカップとは? わかりやすく解説

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メルボルンカップ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/19 08:23 UTC 版)

メルボルンカップ
Melbourne Cup[1]
1930年メルボルンカップ(優勝馬ファーラップ
開催国 オーストラリア
競馬場 フレミントン競馬場
創設 1861年
2014年の情報
距離 芝3200m
格付け G1
賞金 賞金総額600万豪ドル[1](約6億円[2]
出走条件 サラブレッド3歳以上
負担重量 ハンデキャップ競走
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1881年のメルボルンカップ

メルボルンカップ (Melbourne Cup) は毎年11月の第1火曜日にオーストラリアメルボルンフレミントン競馬場3200メートルで行われる競馬の競走。「オーストラリアで最も有名な競走[3]」とされる。国家を止める大一番と呼ばれる[4]

概要

メルボルンカップは1861年に創設された歴史あるレースであるとともに、2017年にジ・エベレストが創設されるまで[5]長らくオセアニアでの最高賞金額の競走(2014年は、賞金総額600万オーストラリアドル[6])だった。(2017年以降はジ・エベレストに次ぐ2位)

毎年この競走の開催日は、メルボルン大都市圏ではメルボルンカップ・デーとして祝日となる[7]。The Race that stops a Nation(国の動きを止めるレース)と呼ばれ、オーストラリアの国民的行事となっている[8]

2018年には英国からの遠征馬クロスカウンターが勝利し、英国調教馬初制覇を飾っている。

歴史

レース史上最も重いハンデを背負って勝ったのは1890年カーバイン (Carbine)、この時の負担重量は145ポンド (65.8kg)であった。トップハンデを背負わされた馬は実に1969年のレインラヴァー (Rain Lover)以来長らく優勝していなかったが、2005年にマカイビーディーヴァ (Makybe Diva)が牝馬ながらトップハンデで優勝した。マカイビーディーヴァは2003年から2005年にかけて史上初のメルボルンカップ3連覇を達成している。

距離については当初は2マイル(約3218.69メートル)で行われていたが、1972年からメートル法を採用したため3200メートルとなっている。1971年以前のレコードタイムは1968年にレインラヴァーが記録した3分19秒1、現在のレコードタイムは1990年にキングストンルール (Kingston Rule)が記録した3分16秒3である。

2005年には5月の天皇賞(春)で3着に入線したアイポッパーが日本調教馬として初めて参戦し、12着だった。翌2006年には、同じく日本から遠征したデルタブルースが優勝、ポップロックが2着となった。

また、2008年より前年度[注 1]メルボルンカップ優勝馬が天皇賞(春)に招待されることになった。また、当年の天皇賞(春)優勝馬に対してもメルボルンカップの優先出走権が与えられる。

2012年の賞金総額は6,200,000豪ドル[注 2](当時のレート換算で約4億9600万円)、1着賞金3,600,000豪ドル(約2億8800万円[2])、2着賞金900,000豪ドル、3着賞金450,000豪ドル、4着賞金250,000豪ドル、5着賞金175,000豪ドル、6着から10着賞金125,000豪ドルと定められている。

2004年からエミレーツ航空がスポンサーとなっており、『Emirates Melbourne Cup』の名称で開催している[9]。2018年はトヨタ自動車の高級ブランドレクサス (LEXUS)がスポンサーとなって18金製の優勝金杯を提供、『Lexus Melbourne Cup』の名称で開催となる[10]。いずれも成績書には「メルボルンカップ」と記載される[6][11]

2020年にアイルランドからの遠征馬・アンソニーヴァンダイクが競走中に骨折して予後不良となるなど、本レースでは過去8年間で外国からの遠征馬6頭が競走中に、3頭が調教中の故障により予後不良となっていることから、2021年開催より外国からの遠征馬の頭数減少や滞在中に出走できるレース数制限などの待遇変更をすることが発表された[12][13]

歴代優勝馬

施行日 調教国・優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師
第1回 1861年 Archer
第2回 1862年 Archer
第3回 1863年 Banker
第4回 1864年 Lantern
第5回 1865年 Toryboy
第6回 1866年 The Barb
第7回 1867年 Tim Whiffler
第8回 1868年 Glencoe
第9回 1869年 Warrior
第10回 1870年 Nimblefoot
第11回 1871年 The Pearl 牝5
第12回 1872年 The Quack
第13回 1873年 Don Juan
第14回 1874年 Haricot
第15回 1875年 Wollomai
第16回 1876年 Briseis 牝3
第17回 1877年 Chester
第18回 1878年 Calamia
第19回 1879年 Darriwell
第20回 1880年 Grand Flaneur
第21回 1881年 Zulu
第22回 1882年 The Assyrian
第23回 1883年 Martini-Henry
第24回 1884年 Malua
第25回 1885年 Sheet Anchor
第26回 1886年 Arsenal
第27回 1887年 Dunlop
第28回 1888年 Mentor
第29回 1889年 Bravo
第30回 1890年 Carbine
第31回 1891年 Malvolio
第32回 1892年 Glenloth
第33回 1893年 Tarcoola
第34回 1894年 Patron
第35回 1895年 Auraria 牝3
第36回 1896年 Newhaven
第37回 1897年 Gaulus
第38回 1898年 The Grafter
第39回 1899年 Merriwee
第40回 1900年 Clean Sweep
第41回 1901年 Revenue
第42回 1902年 The Victory
第43回 1903年 Lord Cardigan
第44回 1904年 Acrasia 牝7
第45回 1905年 Blue Spec
第46回 1906年 Poseidon
第47回 1907年 Apologue
第48回 1908年 Lord Nolan
第49回 1909年 Prince Foote
第50回 1910年 Comedy King
第51回 1911年 The Parisian
第52回 1912年 Piastre
第53回 1913年 Posinatus
第54回 1914年 Kingsburgh
第55回 1915年 Patrobas
第56回 1916年 Sasanof
第57回 1917年 Westcourt
第58回 1918年 Night Watch
第59回 1919年 Artilleryman
第60回 1920年 Poitrel
第61回 1921年 Sister Olive 牝3
第62回 1922年 King Ingoda
第63回 1923年 Bitalli
第64回 1924年 Backwood
第65回 1925年 Windbag
第66回 1926年 Spearfelt
第67回 1927年 Trivalve
第68回 1928年 Statesman
第69回 1929年 Nightmarch
第70回 1930年 Phar Lap
第71回 1931年 White Nose
第72回 1932年 Peter Pan
第73回 1933年 Hall Mark
第74回 1934年 Peter Pan
第75回 1935年 Marabou
第76回 1936年 Wotan
第77回 1937年 The Trump
第78回 1938年 Catalogue
第79回 1939年 Rivette 牝6
第80回 1940年 Old Rowley
第81回 1941年 Skipton
第82回 1942年 Colonus
第83回 1943年 Dark Felt
第84回 1944年 Sirius
第85回 1945年 Rainbird 牝4
第86回 1946年 Russia
第87回 1947年 Hiraji
第88回 1948年 Rimfire
第89回 1949年 Foxzami
第90回 1950年 Comic Court
第91回 1951年 Delta
第92回 1952年 Dalray
第93回 1953年 Wodalla
第94回 1954年 Rising Fast
第95回 1955年 Toparoa
第96回 1956年 Evening Peal 牝4
第97回 1957年 Straight Draw
第98回 1958年 Baystone
第99回 1959年 Macdougal
第100回 1960年 Hi Jinx 牝5
第101回 1961年 Lord Fury
第102回 1962年 Even Stevens
第103回 1963年 Gatum Gatum
第104回 1964年 Polo Prince
第105回 1965年 Light Fingers 牝4
第106回 1966年 Galilee
第107回 1967年 Red Handed
第108回 1968年 Rain Lover
第109回 1969年 Rain Lover
第110回 1970年 Baghdad Note
第111回 1971年 Silver Knight
第112回 1972年 Piping Lane
第113回 1973年 Gala Supreme
第114回 1974年 Think Big
第115回 1975年 Think Big
第116回 1976年 Van der Hum
第117回 1977年 Gold and Black
第118回 1978年 Arwon
第119回 1979年 Hyperno
第120回 1980年 Beldale Ball
第121回 1981年 Just A Dash
第122回 1982年 Gurner's Lane
第123回 1983年 Kiwi
第124回 1984年 Black Knight
第125回 1985年 What A Nuisance
第126回 1986年 At Talaq
第127回 1987年 Kensei
第128回 1988年 Empire Rose 牝6
第129回 1989年 Tawrrific
第130回 1990年 Kingston Rule
第131回 1991年 Let's Elope 牝4
第132回 1992年 Subzero
第133回 1993年 Vintage Crop
第134回 1994年 Jeune
第135回 1995年 Doriemus
第136回 1996年 Saintly
第137回 1997年 Might and Power
第138回 1998年 Jezabeel 牝5
第139回 1999年 Rogan Josh
第140回 2000年11月7日 Brew 牡5 3:18.68 K.マカヴォイ M.モロニー
第141回 2001年11月6日 Ethereal 牝4 3:21.08 S.シーマー S.ラクソン
第142回 2002年11月5日 Media Puzzle 騸6 3:16.97 D.オリヴァー D.ウェルド
第143回 2003年11月4日 Makybe Diva 牝4 3:19.90 G.ボス D.ホール
第144回 2004年11月2日 Makybe Diva 牝5 3:28.55 G.ボス L.フリードマン
第145回 2005年11月1日 Makybe Diva 牝6 3:19.17 G.ボス L.フリードマン
第146回 2006年11月7日 Delta Blues 牡5 3:21.42 岩田康誠 角居勝彦
第147回 2007年11月6日 Efficient 騸4 3:23.34 M.ロッド G.ロジャーソン
第148回 2008年11月4日 Viewed 牡5 3:20.58 B.シン B.カミングス
第149回 2009年11月3日 Shocking 牡4 3:23.87 C.ブラウン M.カヴァナー
第150回 2010年11月2日 Americain 牡5 3:26.87 G.モッセ A.ドゥロワイエデュプレ
第151回 2011年11月1日 Dunaden 牡5 3:20.84 C.ルメール M.デルザングル
第152回 2012年11月6日 Green Moon 牡6 3:20.45 B.プレブル R.ヒックモット
第153回 2013年11月5日 Fiorente 牡5 3:20.30 D.オリヴァー G.ウォーターハウス
第154回 2014年11月4日 Protectionist 牡5 3:17.71 R.ムーア A.ヴェーラー
第155回[14] 2015年11月3日 Prince of Penzance 騸6 3:23.15 M.ペイン D.ウィアー
第156回[15] 2016年11月1日 Almandin 騸6 3:20.58 K.マカヴォイ R.ヒックモット
第157回[16] 2017年11月7日 Rekindling 牡4 3:21.29 C.ブラウン J.オブライエン
第158回[17] 2018年11月6日 Cross Counter 騸3 3:21.17 K.マカヴォイ C.アップルビー
第159回[18] 2019年11月5日 Vow and Declare 騸4 3:24.76 C.ウィリアムズ D.オブライエン
第160回[19] 2020年11月3日 Twilight Payment 騸8 3:17.34 J.マクニール J.オブライエン
第161回 2021年11月2日 Verry Elleegant 牝6 3:17.43 J.マクドナルド C.Waller
第162回[20] 2022年11月1日 Gold Trip 牡6 3:24.04 M.Zahra C.Maher & D.Eustace
第163回[21] 2023年11月7日 Without A Fight 騸7 3:18.37 M.Zahra A & S.Freedman
第164回[22] 2024年11月5日 Knight's Choice 騸5 3:19.53 R.Dolan J.Symons & S.Laxon

(→英語版の全勝ち馬リスト

オセアニア調教馬以外からの優勝馬

日本調教馬の成績

上記の通り第146回(2006年)の競走にて、デルタブルースポップロックがワンツーフィニッシュを果たしている。

脚注

注釈

  1. ^ オーストラリアは8月から7月を1シーズンとしているため、オーストラリアの基準では同一シーズンとなる。
  2. ^ 優勝馬の馬主、調教師、騎手、厩務員、生産者への総額20万豪ドル相当のトロフィーを含む。

出典

  1. ^ a b IFHA Race Detail Melbourne Cup2014年11月12日閲覧。
  2. ^ a b 1豪ドルを100円換算(2014年11月レート)
  3. ^ Melbourne Cup 2018 | Horses, Field, Race Time, Results & Form Guide” (英語). www.racenet.com.au. 2018年8月9日閲覧。
  4. ^ 太田尚樹. “角居元調教師、豪州で“国家を止めた”デルタブルース悼む「種馬にはなれなかったけど…」 - 競馬 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2024年10月11日閲覧。
  5. ^ 豪州で世界最高賞金の芝レースが創設(オーストラリア) - ジャパンスタッドブックインターナショナル 2018年3月11日閲覧
  6. ^ a b International Cataloguing Standards Book 2014 AUSTRALIA2014年11月12日閲覧。
  7. ^ メルボルン・カップ・カーニバル - オーストラリア政府観光局 2017年11月1日閲覧
  8. ^ 「国の動きを止めるレース」メルボルンCの発走迫る - netkeiba.com 2017年11月1日閲覧
  9. ^ 2011 BMWコーフィールドカップ、Tattsコックスプレート、エミレーツ・メルボルンカップの登録について(簡易版) - ジャパン・スタッドブック・インターナショナル「海外競走出馬登録」 2011年9月9日閲覧
  10. ^ news.com.au,Mt Barker’s Steriline Racing welcomes the 18-carat Melbourne Cup 2018年10月25日閲覧。
  11. ^ International Cataloguing Standards Book 2018 AUSTRALIA2018年10月25日閲覧。
  12. ^ メルボルンカップの大幅変更は遺憾だが理解すべきだ(オーストラリア)【開催・運営】”. 公益財団法人 ジャパン・スタッドブック・インターナショナル. 2021年5月21日閲覧。
  13. ^ Staff, Racing Victoria. “Enhanced safety initiatives to set new global benchmark for Spring Racing Carnival” (英語). Racing Victoria. 2021年5月21日閲覧。
  14. ^ メルボルンカップの結果日本中央競馬会、2015年11月3日閲覧
  15. ^ 第156回メルボルンカップ(G1)の結果日本中央競馬会、2016年11月1日閲覧
  16. ^ 2017年結果breednet.com、2017年11月7日閲覧
  17. ^ 2018メルボルンカップ(G1)の結果日本中央競馬会、2018年11月6日閲覧
  18. ^ 2019年レース結果”. breednet.com (2019年11月5日). 2019年11月5日閲覧。
  19. ^ 2020年レース結果”. breednet.com (2020年11月3日). 2020年11月3日閲覧。
  20. ^ 2022年メルボルンカップbreednet.com、2022年11月1日閲覧
  21. ^ 2023年メルボルンカップbreednet.com、2023年11月7日閲覧
  22. ^ 2024年メルボルンカップbreednet.com、2024年11月5日閲覧


外部リンク


メルボルンカップ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 08:21 UTC 版)

アドマイヤラクティ」の記事における「メルボルンカップ」の解説

11月4日アドマイヤラクティGI連覇を狙うべく、メルボルンカップに出走した。前走のコーフィールドカップ勝利評価されて、1番人気に支持されたが、斤量は58.5kgと前走同様トップハンデを背負わされた。レースでは第3コーナーまで2番手をキープしていたが、第4コーナーずるずる後退し最下位22着に敗れたレース後、滞在厩舎戻ったアドマイヤラクティ体調異変生じて馬房内で倒れ死亡した当初アドマイヤラクティ死因不明とされていたが、メルボルン大学付属動物病院獣医ブライアン・スチュワート博士検死した結果死因心臓麻痺だったことが明らかになった。 詳細な病理解剖が行われた後、アドマイヤラクティオーナー近藤利一意向により火葬され遺灰豪州功労馬繋養施設であるリビングレジェンズ内にある霊園埋葬された。 なお、海外レース客死した日本馬1997年ドバイワールドカップレース中に転倒して骨折し安楽死処分となったホクトベガ次いでアドマイヤラクティが2頭目になる。

※この「メルボルンカップ」の解説は、「アドマイヤラクティ」の解説の一部です。
「メルボルンカップ」を含む「アドマイヤラクティ」の記事については、「アドマイヤラクティ」の概要を参照ください。

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