南海高野線 南海高野線の概要

南海高野線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/29 18:31 UTC 版)

高野線
30000系による特急「こうや」
基本情報
通称 汐見橋線(汐見橋駅 - 岸里玉出駅間)
こうや花鉄道(橋本駅 - 極楽橋駅間)
日本
所在地 大阪府和歌山県
起点 汐見橋駅[1]
終点 極楽橋駅
駅数 42駅
路線記号 NK
開業 1898年1月30日
全通 1929年2月21日
汐見橋線分断 1985年6月16日
所有者 南海電気鉄道
運営者 南海電気鉄道
車両基地 小原田検車区、同区千代田検車支区
住ノ江検車区(汐見橋線専用車のみ)
使用車両 使用車両の節を参照
路線諸元
路線距離 64.5 km
軌間 1,067 mm狭軌
線路数 複線(汐見橋駅 - 橋本駅間)
単線(橋本駅 - 極楽橋駅間)
電化方式 直流1,500 V 架空電車線方式
最大勾配 50
高低差 443 m(橋本駅と極楽橋駅との差)
閉塞方式 自動閉塞式
保安装置 ATS-NATS-PN
最高速度 100 km/h
路線図
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路線シンボルマークは、高野杉の林をイメージしたもの()で、ラインカラーは緑。山岳区間の橋本駅 - 極楽橋駅間には鋼索線とともに「こうや花鉄道」という愛称が付けられ、観光列車「天空」を運行するなど様々な取り組みが行われている[3]

また、かつて難波駅 - 橋本駅間には「りんかんサンライン」という愛称がつけられていた(命名経緯は後述)。

概要

日本有数の宗教都市霊場である高野山への参詣輸送路線であり、終点の極楽橋駅からは鋼索線に連絡している。加えて、大阪府南河内地域ならびに和歌山県橋本・伊都地域から大阪市内への通勤・通学路線でもある。宅地開発による沿線人口の急増や、泉北高速鉄道線との相互直通運転による泉北ニュータウンから大阪市内への通勤客輸送などにより、南海本線を上回る輸送人員を有する路線へと発展した。

全線でPiTaPaおよびICOCAなどPiTaPaと相互利用可能なIC乗車カードが利用できる。ただし、乗車回数に応じて割引が適用されるサービスはPiTaPaのみが対象となる。

高野線は、主に市街地を走る難波駅 - 橋本駅間と、曲線と勾配の激しい山岳区間を走る橋本駅 - 極楽橋駅間とに運行系統が分かれる[4]。橋本駅 - 極楽橋駅間の山岳区間に乗り入れる列車には、平坦区間では高速運転が可能で、山岳区間では大きな牽引力を発揮する、車体長17m級の「ズームカー」と呼ばれる専用車両が用いられる[5][6]。特に高野下駅 - 極楽橋駅間は50 勾配を持つ登山鉄道であり(詳細後述)、沿線に高野山という観光地を持つ南海高野線と同様に、沿線に観光地を持ち急勾配区間を持つ、日本国内の鉄道会社との間で、2009年全国登山鉄道‰会を結成している[7]。また、2017年10月24日には同様の特徴を持つスイスモントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道 (MOB) と姉妹鉄道協定を締結している[8]

「りんかんサンライン」の愛称について

南海新今宮駅。1番線案内表示機に「りんかんサンライン」の文字(2015年2月撮影、現在は撤去済み)

1995年から2008年まで、難波駅 - 橋本駅間には「りんかんサンライン」の愛称が付けられていた。「りんかん」は、澄んだ空気と豊かな自然とが調和するさわやかな街並みのイメージ、「サンライン」は太陽 (Sun) の明るさと暖かさ、さんさんと降り注ぐ陽光の輝きを意味している[9][10]

1994年12月14日、当時の社長川勝泰司が「田舎臭いイメージを変えたい」と発言したことがきっかけで、岸里玉出駅 - 橋本駅間の名称を社内公募で選定のうえ、1995年9月1日のダイヤ改正時から使用したいと発表し[11]、社長案として「南海山手線」を提唱した[11][12]。川勝社長は会見で「名称がいま風、都会風になれば、当社の住宅分譲などにも効果が出るだろうし、利用客が増えるかもしれない。それには山手線がいい」とコメントした[11][注 1]

しかし、高野山の所在する高野町がそれに反発し、当時の町長と高野山真言宗金剛峯寺宗務総長が路線名存続の要望を出したことから、路線名変更を断念して愛称を募集することとし[13]、「りんかんサンライン」に決定した。

当初、路線図上では難波駅 - 橋本駅間を「りんかんサンライン」、橋本駅 - 極楽橋駅間を「高野線」と表示していたが、後に「高野線りんかんサンライン」と両名併記して案内されるようになった[14]。車内放送では、南海本線側からの乗換案内などで「高野線りんかんサンラインはお乗り換えです」と案内されていた。

しかし、沿線住民の間では「高野線」で定着しており、「りんかんサンライン」の愛称は浸透しなかった。2008年の高野線ダイヤ変更より案内上でも愛称はほとんど使われなくなり、公式ホームページからも削除された。2009年3月20日阪神なんば線開業に伴う修正で、車内路線図から表記が削除され、車内自動放送での乗換案内もなくなった。その後も「りんかんサンライン」表記が残る時刻表などの駅での配布は続けられたが、2013年10月のダイヤ改正で駅掲出・配布の時刻表からも記載がなくなった。

その後も泉北高速鉄道5000系車内案内表示器には中百舌鳥駅到着時の乗換案内に「りんかんサンライン」表示が残っていたが、2020年2月に同系列のリニューアル工事が完了したことで見られなくなった。さらには駅案内サイン類の更新が進み、2022年時点で「りんかんサンライン」表記は北野田駅高野山方面ホームの発車案内表示器などにごくわずかに残る程度となっている。

路線データ

  • 路線距離(営業キロ):汐見橋駅 - 極楽橋駅間 64.5 km
  • 軌間:1067mm
  • 駅数:42駅(起終点駅・汐見橋線の駅も含む)
  • 複線区間:汐見橋駅 - 橋本駅間(汐見橋線岸里玉出駅構内のみ単線)
  • 単線区間:橋本駅 - 極楽橋駅間
  • 電化区間:全線電化(直流1500V)
  • 閉塞方式:自動閉塞式
  • 最高速度:橋本駅 - 高野下駅間80km/h、高野下駅 - 極楽橋駅間33km/h、それ以外100km/h
  • 2021年度の混雑率:101%(百舌鳥八幡駅→三国ヶ丘駅 7:20-8:20)[15]

沿線概況

停車場・施設・接続路線
 (難波駅 - )岸里玉出駅 - 極楽橋駅間 
阪神 阪神なんば線
大阪難波駅 近鉄 難波線
4.1 難波駅 (1) -1980
3.9 NK01 難波駅 (2) 1980-
難波駅
阪神高速1号環状線
3.0 NK02 今宮戎駅
なにわ筋線(南海ルート)
JR西 大阪環状線関西本線 大和路線
2.5 NK03 新今宮駅 動物園前駅
新今宮駅前停留場
阪堺 阪堺線
1.9 NK04 萩ノ茶屋駅
天王寺支線
0.9 NK05 天下茶屋駅
左:天下茶屋車庫・工場 1903-1982
高野線(汐見橋線)
0.0 NK06 岸里玉出駅
南海本線
1.1 NK51 帝塚山駅
神ノ木停留場 阪堺: 上町線
2.0 NK52 住吉東駅
2.9 NK53 沢ノ町駅
3.2 若宮駅 -1917
3.5 NK54 我孫子前駅
大和川
梅鉢車輛 [* 1] 西工場/東工場 専用線
4.8 NK55 浅香山駅
6.4 NK56 堺東駅
堺東検車区 -1973[* 2]
JR西: 阪和線
7.9 NK57 三国ヶ丘駅
8.8 NK58 百舌鳥八幡駅
引き上げ線泉北高速鉄道線用)
9.5 NK59 中百舌鳥駅
和泉中央駅 泉北高速鉄道線
10.1 百舌鳥貨物駅 -1912?[16]
10.4 (臨)中百舌鳥運動場前駅
10.5 NK60 白鷺駅
12.0 NK61 初芝駅
12.9 NK62 萩原天神駅
阪和自動車道
14.7 NK63 北野田駅
西除川
富士車輌大阪狭山工場 専用線
15.6 NK64 狭山駅
東除川
16.7 池尻信号所 -1914
17.2 NK65 大阪狭山市駅
17.6 第一半田貨物駅 -1930?
18.2 第二半田貨物駅 -1930?
18.3 NK66 金剛駅
20.0 NK67 滝谷駅
21.3 NK68 千代田駅
22.0 千代田信号所
小原田検車区
 千代田検車支区・千代田工場
近鉄: 長野線
23.4 NK69 河内長野駅
石川
天見川
天見川
天見川
25.1 NK70 三日市町駅
引き上げ線
26.7 NK71 美加の台駅
加賀田信号所 -1984
28.6 NK72 千早口駅
30.3 NK73 天見駅
新紀見トンネル (1,853m)
大阪府和歌山県
紀見隧道 (1,562m)
34.0 NK74 紀見峠駅
35.3 NK75 林間田園都市駅
36.2 橋谷信号所 -1983
37.3 NK76 御幸辻駅
38.2 小原田信号所
小原田検車区
京奈和自動車道(橋本道路)
39.5 (臨)市脇山駅 -1918?
39.9 橋本町臨時乗降場 -?
JR西: 和歌山線
40.1 NK77 橋本駅 高 92 m
高野山検車区橋本検車場 -1996[* 3]
40.6
0.0
妻信号所 -1959
-
0.6
紀ノ川口駅 -1959
紀の川
43.2 NK78 紀伊清水駅 高 87 m
南馬場砂利採取場 -1955頃
45.8 NK79 学文路駅 高 79 m
47.6 NK80 九度山駅 高 94 m
丹生川橋梁 丹生川
椎出トンネル 長 399m
49.6 NK81 高野下駅 高 108 m
不動谷川
51.3 NK82 下古沢駅 高 177 m
トンネル2か所
中古沢橋梁 長 67.6 m
53.0 NK83 上古沢駅 高 230 m
トンネル2か所
笠木橋梁
トンネル4か所
56.0 NK84 紀伊細川駅 高 363 m
トンネル7か所
58.4 NK85 紀伊神谷駅 高 473 m
トンネル4か所
59.9 NK86 極楽橋駅 高 539 m
鋼索線
 汐見橋線 
桜川駅 阪神: 阪神なんば線
0.0 NK06-5 汐見橋駅 (桜川駅)
JR西: 大阪環状線
0.9 NK06-4 芦原町駅
1.6 NK06-3 木津川駅
阪神高速17号西大阪線
2.6 NK06-2 津守駅
大阪市電阪堺線
3.6 NK06-1 西天下茶屋駅
4.6 NK06 岸里玉出駅 南海本線
高野線
  1. ^ 西・東工場閉鎖後、鳳に移転し、
    帝國車輛工業東急車輛製造を経て
    現在は総合車両製作所が事業承継。
  2. ^ 2005年まで電留線群として、それ以降は側線1線のみ存続
  3. ^ 電留線および保線基地として存続

難波駅 - 橋本駅間は沿線に住宅地が多く、21m級の4扉大型車両を運行し通勤客を捌いている。

難波駅 - 堺東駅間は、南海本線の難波駅 - 堺駅間よりもカーブが多く、所要時間が幾分長い。また堺東駅 - 住吉東駅間は先行の各駅停車の後続で運転され、ラッシュ時を中心に列車間隔が詰まるため、低速での運転となっている。2024年1月時点での日中の優等列車の運行頻度は、毎時10 - 11本(うち有料特急は0 - 1本)と、南海本線の毎時8本(うち有料特急2本、一部座席指定特急2本を含む)より高い。

大阪市内の住吉東駅 - 我孫子前駅間を中心に、大きな幹線道路との平面交差があり、『開かずの踏切』が点在する。地形の関係や線路と建物が隣接していることから、高架化が遅れているが、都市計画事業として堺市が事業主体となり、浅香山駅堺東駅を含む約3.2 kmの区間が高架化され、10か所の踏切が除却される見込みで、完成は2040(令和22)年頃の予定である[17]

堺東駅から千代田駅にかけては国道310号、河内長野駅から橋本駅にかけては国道371号、紀伊清水駅から紀伊細川駅手前付近までは国道370号がほぼ同じ経路を併走している。

難波駅 - 橋本駅間

難波駅 - 岸里玉出駅間は、線路名称上は南海本線である。線路別複々線のうち、東側の複線は高野線列車専用となっており、高野線の帝塚山駅を経由する全列車が、岸里玉出駅から難波駅まで乗り入れる。運行系統上、難波駅から記述する。

始発の難波駅は9面8線で、のりばは1 - 9番線の構造を持ち、高野線の列車はこのうち1 - 4番線の東側4線を使用する。難波駅を発車するとすぐ右にカーブし、右手になんばパークス(旧大阪スタヂアム〈大阪球場〉跡地)・ヤマダデンキLABI1なんば・クボタニコニコのりの本社社屋・南海電気鉄道本社の入る南海なんば第1ビルなどを、左手に日本橋電気街(でんでんタウン)などを見ながら、阪神高速1号環状線をくぐり、左下に今宮戎神社が近付くと、高野線の各駅停車のみが停車する島式ホーム今宮戎駅。駅下の国道25号を越え、左手に通天閣が見えると程なくJRとの接続駅であり全列車停車駅の新今宮駅に着く。新今宮駅と2駅先の天下茶屋駅の高野線上り線ホームは、ともに南海本線の下り線と島式の同一面ホームである。新今宮駅の下を通るJRの大阪環状線関西本線(いずれも高架線)を高々架で跨ぎ、左右に釜ヶ崎あるいはあいりん地区と称されるドヤ街を、また左手遠方には高さ日本一の高層ビル・あべのハルカスを望みながら、やはり高野線の各駅停車のみが停車する島式の萩ノ茶屋駅を過ぎると、全列車停車駅である天下茶屋駅。かつてはこの駅から天王寺支線が分岐していたが、1993年に大阪市営地下鉄堺筋線(現在のOsaka Metro堺筋線)が同駅まで延長されてからは、その一部区間が代替を担っている。1980年までは南海の車両工場もあったが、同年高野線千代田に移転し、跡地には大阪フィルハーモニー交響楽団の練習場やスーパーマーケットが建っている。天下茶屋駅を出て程なく左にカーブして南海本線系統の線路と別れ、「汐見橋線」との接続駅である岸里玉出駅を過ぎ、同時に阪堺線を越えると上町台地にさしかかり、線路は掘割の中を右カーブしながら南進を始める。掘割を抜けて上町台地に上ると帝塚山学院帝塚山学舎の最寄り駅でホーム幅の狭い帝塚山駅。この駅を過ぎると大和川を渡るまでカーブや開かずの踏切が連続する。阪堺上町線をくぐると、高野線では唯一、通過用複線を挟む待避線に相対式ホームのある(新幹線型配線ともいう)住吉東駅大阪内環状線国道479号)の踏切を過ぎて沢ノ町駅、続いてあべの筋府道大阪和泉泉南線)と斜めに平面交差して我孫子前駅を過ぎると、大和川を渡って堺市に入る。関西大学堺学舎やツツジの見所である浅香山浄水場の最寄り駅の浅香山駅を過ぎて、府道堺大和高田線の高架をくぐると、堺市役所などの最寄りで堺市の中心駅である堺東駅に着く。かつては堺東検車区などがあり運行の拠点だったが、検車区は小原田検車区および同検車区千代田支区に移転し、その跡地には高層マンションが建っている。堺東駅には泉北高速線直通の特急「泉北ライナー」を除く全列車が停車し、各駅停車と連絡している。準急行はこの駅から各駅に停車する。なお、泉北線直通の区間急行は泉北線深井駅まで、「泉北ライナー」は泉ケ丘駅まで停車しない。

堺東駅を過ぎると大きく左カーブをして南東に進路を変え、掘割区間に入って府道大阪中央環状線をくぐると、右側には仁徳天皇陵が垣間見える。すぐ下の掘割を通って交差するJR阪和線との接続駅の三国ヶ丘駅百舌鳥八幡駅を過ぎると、Osaka Metro御堂筋線、泉北高速線との接続駅で、堺市北東部の中心駅である中百舌鳥駅に着く。この駅から一部の列車は泉北高速線と直通する。中百舌鳥を出ると泉北高速線は上下線に挟まれた地下トンネルに入り、一方の高野線は線路容量に若干余裕が出ることや、線形がやや良くなることもあって、日中時間帯を中心に優等列車はこの付近から少し速度を上げて運転することが多い。線路は住宅地の間を通りながら、大阪公立大学中百舌鳥キャンパスの最寄り駅であり、待避設備のある白鷺駅、続いて初芝駅に至る。緩やかに右にカーブしながら萩原天神駅を過ぎて阪和自動車道府道泉大津美原線バイパスをくぐると一旦周囲には田園風景が広がるが、すぐに近代的な住宅街や商業地などが整備された堺市東区の中心駅・北野田駅に着く。北野田駅は待避設備を持つ緩急接続駅で、特急以外の全列車が停車し、区間急行はこの駅より各駅に停車する。

北野田駅を出ると線路は西除川を渡りながら緩やかに左にカーブをしてすぐに大阪狭山市に入り、狭山駅を過ぎると、車窓右側には住宅街の向こうに日本最古の灌漑用溜池である広大な狭山池の堤防が、左手遠方にはパーフェクト リバティー教団(PL教団)の大平和祈念塔(PL塔)がそれぞれ見えるようになる。狭山駅 - 大阪狭山市駅間の築堤には煉瓦造りの暗渠が7か所あり、2020年に土木学会選奨土木遺産に認定された[18]。右にカーブをすると、かつて南海が狭山池畔で経営していた遊園地「さやま遊園」(2000年閉園)の最寄り駅であった大阪狭山市駅に至る。周辺には大規模なニュータウンが見え始め、府道森屋狭山線の跨線橋をくぐると、金剛ニュータウン狭山ニュータウンの玄関口で、1992年11月に特急・急行停車駅(全列車停車駅)となった2面4線の金剛駅に着く。これら大阪狭山市内の駅は毎年8月1日教祖祭PL花火芸術の日には、周辺に眺望を妨げるものが少ないために多数の観客が訪れ、激しく混雑する。

金剛駅を出ると富田林市に入り、次第に起伏の多い地形が目立ち始め、右手遠方に近畿大学医学部附属病院を望む。滝谷駅を過ぎ、河内長野市に入って千代田駅を過ぎると、南海最大の車両工場である千代田工場を併設する小原田検車区千代田検車支区が左右に広がり、特急「サザン」「ラピート」などの南海線・空港線用車両を時おり見かけることがある。この千代田検車支区と高野線を大きく越える高架橋が国道170号(大阪外環状線)であり、このガードをくぐると住宅街の広がる丘陵を開削した区間となり、列車は下り勾配を駆け下りる。左後方から単線の近鉄長野線が近づいてきて並走し、国道170号の旧道と国道310号の重複区間となっている道路(東高野街道)を越えると、駅ビルのノバティながのを携える全列車停車駅の河内長野駅に着く。同駅は南海が2面4線、近鉄が頭端式1面1線の駅構造となっており、利用者数・利便性ともに南海の方が優位に立っている。またこの駅より急行は各駅に停車するため、各駅停車の多くはこの駅で折り返す。

河内長野駅を過ぎると車窓の雰囲気は一変し、新興住宅地が広がる山並みの裾を河岸段丘に沿って走る区間となり、石川やその支流の天見川が線路沿いを蛇行するように流れる。左右にカーブをするとすぐにフォレスト三日市と直結する三日市町駅に達するが、これより先は急勾配区間となり、南海本線所属列車など一部の列車は、ブレーキ性能等の関係でこの駅より先には入線できない。この駅を出て引き上げ線を上下線の間に挟みながら大きく左へカーブすると高架区間となり、新興住宅街・南海美加の台の最寄り駅で、高野線で最も新しい美加の台駅に達する。ここから先は山々がせり出し農村地帯を通る区間となり、かつて単線であった頃は山の谷間を縫うように線路が通っていたが、複線化工事の完成後は美加の台駅 - 千早口駅 - 天見駅の駅間に新たに1本ずつトンネルが貫通している。天見を出た線路はなおも複線化時に新たにできた大小3か所のトンネルを通過した後、いよいよ紀見峠を貫く通称紀見峠トンネルに入っていく。紀見峠トンネルは上下線が離れた単線並行の2本(単線時代の紀見トンネルが上り、複線化時に新設された新紀見トンネルが下り)から成る。トンネル内に大阪府と和歌山県の府県境があり、同県橋本市に入る。

紀見峠トンネルを出ると、橋本駅手前まで約7キロにわたり急な下り勾配が続くようになる。トンネルを出るとすぐ紀見峠駅、続く大きな右カーブを通過する頃から周辺は車窓左側を中心に徐々に開けてくる。高い高架橋で国道371号橋本バイパスを越えると、南海が開発したニュータウン「南海橋本林間田園都市」の最寄り駅であり、2面3線の構造をもつ全列車停車駅の林間田園都市駅に着く。区間急行は最長でもこの駅までの運転となり、また快速急行はこの駅より各駅に停車する。続いてニュータウン内のメインストリートであるバイパス道路を跨ぎ、さらに右に国道371号橋本バイパスと並走しながら御幸辻駅に達する。やがて車窓の右側に小原田検車区の本区が見え、急勾配を下りながら一般道・京奈和自動車道・国道371号旧道の3本の高架橋をくぐる。住宅地直下の小原田トンネルを抜けると、線路は大きく左にカーブをして下り勾配が終了し、右後方から近づいてくるJR和歌山線と並走する形で、同線との乗り換え駅であり、橋本市の中心駅でもある全列車停車駅の橋本駅に到達する。橋本駅はもともと島式ホームで、複線化時に4扉大型車8両対応に延長された。4扉大型車や特急「りんかん」専用車両である11000系は、車両限界の関係でこの駅までの運転となる。また、難波駅から続く複線区間もこの駅までである。

河内長野駅 - 橋本駅間は、山間部の河岸段丘を縫うように敷設された線路で、以前は全区間が単線で、半径160mの曲線や25の勾配が連続する線形であった。このため、17m車4両編成しか走行できず、最高速度43km/h、平均速度30km/hで難波駅 - 橋本駅間を急行で64分を要した。沿線開発による輸送需要の増大に対応するために、同区間の複線化など大規模改良が実施された。1971年(昭和46年)5月12日に運輸大臣から、河内長野駅 - 橋本駅間を複線化するための認可を受け、1972年(昭和47年)3月から工事に着手した。

複線化のルート決定では、難波駅 - 橋本駅間の急行列車の運転時分を45分程度とするため、河内長野駅 - 橋本駅間の平均速度を60km/h程度とすること、既存の駅中心位置は移動させないこと、各駅のホーム長は、当初は135m(21m車6両編成)とし、将来的には220m(21m車10両編成)に延伸可能なよう曲線・勾配を考慮すること、駅構内の渡線道(踏切)を廃止して、地下道または跨線橋の立体交差とすることなどを条件とし、曲線と駅部の改良を重視したことから、新線建設に近い線形となった。

複線化完成後は、半径400m未満の曲線が全体の43.8%から5.2%に減少したのに対して、駅間の最急勾配は25.2‰から33‰ときつくなった。複線化と関連して、美加の台駅、林間田園都市駅の新設や、以前は橋本駅に隣接していた橋本車庫の機能を、小原田車庫に移転・拡充する事業なども実施された。河内長野駅 - 橋本駅間の複線化は7つの工区に分けられ、段階的に工事が実施された。第1工区の河内長野駅 - 三日市町駅間は1974年(昭和49年)3月24日に完成し、第7工区の御幸辻駅 - 橋本駅間は1995年(平成7年)8月30日に完成した。小原田車庫(第8工区)は1996年(平成8年)11月15日に完成した。これら工事費用の合計は556億55百万円であった[19]

橋本駅 - 極楽橋駅( - 高野山駅)

橋本駅 - 高野山駅間には「こうや花鉄道」の愛称があり、駅名標も通常のものに加えて、各駅の標高が記された独自仕様のものが設置されている。橋本駅 - 極楽橋駅間は山岳鉄道であり、特に高野下駅以南は50の勾配や、制限速度33km/h、半径100m以下の急カーブが続く登山鉄道となっているため、ズームカーと呼ばれる17m級の中型車両のみが運行される。

山岳区間、とりわけ高野下駅 - 極楽橋駅間においては完全に線路が山の中に入るために、途中にある駅へは幹線道路からすれ違いの困難な狭い道路や林道があり、車で辿り着くのは容易でない。各駅の周辺の山間部は民家が少なく利用客もきわめて少ないが、すべての駅に簡易型の自動改札が完備され、駅係員も橋本駅および下古沢駅、紀伊細川駅から極楽橋駅のすべての駅に配置されている。橋本駅 - 極楽橋駅間は単線であるが、上古沢駅を除く全ての駅で列車の行き違いが可能である。

上古沢駅と下古沢駅の間には、鉄道橋としては日本で10箇所だけで供用されているトレッスル橋(全長67.6m、高さ33.4m)の中古沢橋梁がある。この橋は、トラス構造とトレッスル橋脚とを組み合わせた鉄道用鋼橋としては日本に唯一現存するもので、2011年に土木学会選奨土木遺産に認定されている[20]。橋の下には、南海電鉄が2010年2月25日に設置した観光用の展望デッキと電車の通過時刻を記した時刻表を備え[21]、トレッスル橋を下から見上げられる。展望デッキまでは上古沢駅・下古沢駅から徒歩20分の道のりである。

九度山駅 - 極楽橋駅間には、橋本駅以南でもっとも長い「椎出トンネル」(九度山駅 - 高野下駅間、399m)[22] をはじめ、大小24箇所のトンネルがあり、このうち高野下駅 - 極楽橋駅間の23箇所には坑口に番号が振られている[注 2]

2009年(平成21年)2月6日に紀伊清水駅、学文路駅、九度山駅、高野下駅、下古沢駅、上古沢駅、紀伊細川駅、紀伊神谷駅、極楽橋駅、高野山駅、紀ノ川橋梁、丹生川橋梁、鋼索線が近代化産業遺産(高野山参詣関連遺産)に認定されている。

橋本駅を出ると線路は単線となり、東進してすぐ緩やかな左カーブとなりやや勾配を下る。JR和歌山線は見えなくなるが、やがて大きく右にカーブをして南進を始め、同線および国道24号のガードをくぐると線路は紀の川を渡る。さらに大きく右カーブし西進、ここからしばらくは車窓左側には山々が迫り、住宅地と田園地帯の錯雑が見られるようになる。右側には先ほど停車した橋本駅周辺の市街地を紀の川越しに望む。しばらく進み、国道371号と平面交差すると紀伊清水駅。この付近から右側に国道370号が並走を始める。車窓左側に学文路天満宮、かむろ大師奥之院を見上げると学文路駅。この駅の入場券は、毎年受験シーズンが近づくと、学文路天満宮の祈祷を受けた5枚セットが縁起物として販売される。線路はなおも紀の川に並行して南西に進み九度山町に入り、右・左にカーブしながら勾配を上ると九度山駅である。九度山には戦国武将真田信繁(幸村)が潜伏していた真田庵があり、九度山駅の駅舎も2015年にそれにちなんだデザインにリニューアルされた[23][24]。やがて左に大きくカーブをして南進を始める頃から、車窓右側には丹生川の深い渓谷が続き、左側は終点までほぼ完全に山に覆われる。丹生川橋梁で国道370号と美しい渓流の景観が見える丹生川を渡り、椎出トンネルを抜けるとすぐ島式ホームの高野下駅に着く。この駅から先は各駅停車の本数がさらに半減する。

ここから先は急カーブやトンネルの連続区間となり、車窓右側もいくつかの集落が見えるほかは山々に覆われた光景となる。高野下駅を出ると、ゆっくりしたスピードで右へ大きくカーブし、体感できるほどの急勾配を大きな音を軋ませながら上り始める。下古沢駅は2002年に行き違い設備がいったん撤去されていたが、2018年に隣の上古沢駅から移設される形で復活し、交換可能駅となった。やがて中古沢橋梁に差し掛かるあたりからは周辺の集落もほぼ見えなくなり、さながら秘境の様相を呈してくる。2017年の台風21号に伴う地すべりの影響で棒線駅化された上古沢駅を出て2か所のトンネルを通過し、笠木橋梁を渡って3本目のトンネルを抜けた付近で高野町に入り、さらにトンネルを1か所通過すると紀伊細川駅、続く7本のトンネルを経て島式ホームの紀伊神谷駅に至る。最終の4か所のトンネルを抜けて、右側に朱塗りの極楽橋が見えると、鋼索線(高野山ケーブル)との接続駅である終点の極楽橋駅に到着する。ケーブルカーのりばは列車を降りて車止め方向に歩いて突き当たった右側にあり、高野山駅との間をおよそ5分で結んでいる。

汐見橋駅 - 岸里玉出駅間

汐見橋駅 - 岸里玉出駅間も後述する通り、あくまで正式には高野線の一部であるが、1985年の線路分断後は事実上孤立した支線(南海本線とは線路が接続している)となっており、ほとんどの時間帯で1時間に2本の各駅停車が往復するだけの、いわば下町のローカル線の様相を呈している。以下、汐見橋から岸里玉出に向かって記述する。

駅舎にかつてのターミナル駅であった頃の面影を残す頭端式1面2線の汐見橋駅を出発すると、しばらくは車窓左側に高架の阪神高速15号堺線および新なにわ筋府道大阪臨海線)が並走する。JR大阪環状線の高架をくぐる地点で同時に新なにわ筋が左前方に別れて芦原町駅に着く。同駅下りホームの裏にあるランプウェイは阪神高速の芦原出口である。緩やかに右カーブをすると阪神高速も一旦左に別れ、かつての貨物取扱駅の面影を偲ばせる木津川駅に達する。阪神高速17号西大阪線および国道43号の高架をくぐり、大きく左にカーブをして、右側に西成高校や西成公園が見えると津守駅に至る。津守を出てすぐ新なにわ筋と阪神高速15号堺線の高架をくぐるが、新なにわ筋の高架橋(鶴見橋跨線橋)は1968年に廃線となった大阪市電阪堺線の路盤をそのまま道路に転用したものであり、廃線から半世紀以上たった現在も架線柱の切断痕などが見られる。線路は下町の住宅地を直線状に進んで西天下茶屋駅、そのまま高架を上がって国道26号をオーバークロスすると線路は単線となって、左後方から右前方に向かって南海本線が、前方の延長線上から高野線の帝塚山駅以南に通じる路線がそれぞれ近づき、汐見橋線は南海本線に沿う形で右にカーブをすると岸里玉出駅に到着する。


注釈

  1. ^ 「山手線」の名称は、南海電気鉄道の前身である南海鉄道が、1940年12月に阪和電気鉄道を吸収合併した際の路線名として用いられたことがある。山手線は1944年5月に運輸通信省への譲渡により国有化され、阪和線(現・JR西日本)となっている。
  2. ^ 「天空」沿線マップ - 南海高野ほっと・ねっと (PDF) [リンク切れ]のほか、主要駅で配布される「天空」のパンフレット(折りたたみ式)内面にも「同区間のトンネルには1〜23の番号がついている」との記載がそれぞれなされている。
  3. ^ 全区間4両編成で運行される。
  4. ^ 難波駅の発車時刻が原則として0分・30分であった。
  5. ^ 2000年改正から2005年改正の間は極楽橋駅・高野下駅(主に2003年改正で設定)発着の快速急行(2003年改正)・急行と橋本駅・林間田園都市駅・三日市町駅発着の急行が併存していた。
  6. ^ ただし、2000系と1000系は新造当初より英字併記の黒地に白文字の幕である。
  7. ^ 最終列車が堺東行きであったが、当該列車は2021年4月29日から新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言発出および同年5月22日の南海本線ダイヤ改正に伴う終電繰り上げで、運転が取り止められた[33][34]
  8. ^ 駅配布の冊子型時刻表では、2015年12月現在のものは列車種別欄が空欄であったが、2017年8月現在のものは列車種別欄が「特急」である。また、南海発行の『ハンドブック南海』の運転本数の項でも、特急列車として計上されている。
  9. ^ 南海全線で最も早く終電を迎えるのは和歌山港線下り和歌山市駅で21時13分発である。
  10. ^ ただし1970年改正以降は、わずかな早朝・深夜の出入庫列車および時折運転される臨時列車程度となった。
  11. ^ 2200系・2230系は22000系時代に、夏期に極楽橋直通の林間学校学童臨時列車として、岸ノ里駅以南と線路が繋がっていた頃の汐見橋線に入線したこともある。また、更新改造を受けずに廃車予定となっていた編成(熊本電気鉄道に譲渡されたものを含む)が、一時的に汐見橋線と南海本線系の支線で運用されたことがあった。
  12. ^ 種別幕がある2000系の場合、南海本線の支線(高師浜線多奈川線加太線和歌山港線)では「普通」と表示している。なお、英文表記は普通・各停とも「Local」である。
  13. ^ 鉄道ピクトリアル』1995年12月臨時増刊号(No.615) 227ページでも触れているとおり、南海本線萩ノ茶屋駅(ただし南海本線側に同駅のホームはない) - 粉浜駅間の連続立体化工事着工に際し、岸ノ里駅(現在の岸里玉出駅)における高野線のオーバークロスを撤去する必要が生じ、高野線と汐見橋線との直通が不可能となったためである。その後、岸里玉出駅への改称前後から、工事進捗に伴い2年間ほど南海本線とも線路が分断され、1995年8月23日の分断解消まで1521系2両編成3本が閉じ込められていた。なお、高野線のオーバークロスはその後も復旧されず、事実上廃止されている。
  14. ^ 本線系統の空港線一部区間でJR関西空港線と線路を共用していることによる(JRではお盆期間中の平日については平日ダイヤを適用する)。
  15. ^ 高野線の急行は南部では各駅に停車するのに対し、南海線は高速運転が多く、急行はほぼ全線で急行運転を行う。
  16. ^ 21m級通勤車両を採用しているのは関西では南海と近鉄のみである。
  17. ^ 椎出(高野下) - 高野山駅間は高野山電気鉄道自身が取得した免許で建設され、京阪から譲り受けた免許は1935年11月7日失効。森口誠之『鉄道未成線を歩く』JTB、2001年、p.178および、国土交通省鉄道局『鉄道要覧』(電気車研究会・鉄道図書刊行会)を参照。
  18. ^ このうち快速急行と区間急行を中心に10本が2000系の2扉車で実施し、残りの14本が4扉車で実施した。また、各駅停車をのぞいて日中に実施し、各駅停車については日中から夜間にかけて実施した。

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  112. ^ a b 南海高野線連続立体交差事業 環境影響評価準備書(本編) 都市計画対象事業の名称、目的および内容 (PDF) - 堺市建設局道路部 連続立体推進課 p.12、2020年9月13日閲覧。
  113. ^ 大阪市会時報 NO.247 (PDF) - 大阪市市会事務局 p.42、2022年7月4日閲覧。
  114. ^ 事業認可取得について - 堺市建設局道路部 連続立体推進課、2022年4月13日閲覧。






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