フェティシズム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/07 07:39 UTC 版)
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概要
本来、フェティシズムとは、生命を持たない呪術的な物(フェティッシュ英: fetish、仏: féticheという)に対しての崇拝を指し、性欲とは無関係であった[2]。原義のフェティシズムについては呪物崇拝を参照されたい。もともとは人類学、宗教学の用語であったが、19世紀後半にオーギュスト・コントやアルフレッド・ビネーといった心理学者が、崇拝構造を『性欲の対象とするもの』と『対象によって惹起される性欲』との関係として流用し、ある種の性的倒錯の説明として用いた[2]。リヒャルト・フォン・クラフト=エビングは性的な物神崇拝、同性愛、サディズム、マゾヒズムについて著書『性的精神病理』で説いた。その後フロイトも著書『性の理論に関する三つの論文』(1905年)において、フェティシズムという用語を用いて足や髪、衣服などを性の対象とするある種の性の逸脱現象の説明として、それを幼児期の体験に基づくものとした。日本においては心理学的な用法がポルノグラフィーその他で広まった関係で呪物崇拝という原義よりも性的フェティシズムのことを指すことが一般的である。
精神医学的なフェティシズム
精神医学でいうフェティシズムは変態性欲、性的倒錯とされており現代日本で用いられる軽い趣味ではなく、性的対象の歪曲を指す。診断は訓練をつんだ専門家によって行なわなければならないが、アメリカ精神医学会の『精神障害の診断と統計マニュアル』にはフェティシズムの診断基準が設けられている。それによれば、
- 長期(少なくとも6ヶ月以上)にわたる、生命のない対象物に対する強烈な性衝動、妄想、行動が持続、反復する。
- その性衝動、妄想、行動により著しい苦痛、または社会的、職業的な障害を引き起こしている。
- 対象物は衣服や性具に限らない。
とされている。
また物以外の状況・行動などへの偏愛はおおまかにパラフィリアと呼ばれる。
性差
日本では、男性のフェティシズムが変態性欲の一つとみなされることが多い一方、女性のフェティシズムはさほど論じられていない。そのことを男性のフェティシズムは市民権を得ているが、女性のそれは認知されていないことの証左であると指摘する意見もある。精神医学的な立場から言えばフェティシズム傾向が認められる患者は圧倒的に男性が多いとされている[要出典]。
- ^ メガネフェチ、匂いフェチなど、一般に〇〇フェチと呼ばれる。
- ^ a b ウィリアム・ピーツ 『フェティッシュとは何か その問いの系譜』 杉本隆司訳 以文社 2018年 ISBN 978-4-7531-0347-8 pp.7-18.
- ^ 大槻ケンヂ『大槻ケンヂ短編集 ゴスロリ幻想劇場』 インデックス・コミュニケーションズ、12月16日
- ^ a b c d 大槻ケンヂ『ビヨンド・ザ・ロック 第十三回』2005年12月16日
- ^ 筋肉少女帯オフィシャルブログ「筋少の大ブログ」
- ^ 大槻ケンヂ『ロッキン・ホース・バレリーナ』 メディアファクトリー、2004年7月6日発行
- ^ 京都精華大学情報館文化情報課編『木野評論Vol.34“有名する”ひとびと-21世紀のメディアと表現』吉光正絵「ゴスロリ-ロック・カルトの現在形」 京都精華大学情報館、2003年3月15日発行(56-61頁)
- ^ 三浦展、スタンダード通信社『日本溶解論-この国の若者たち』 プレジデント社、2008年3月17日発行(72頁)
- ^ 三浦展、スタンダード通信社『日本溶解論-この国の若者たち』 プレジデント社、2008年3月17日発行(10頁)
- 1 フェティシズムとは
- 2 フェティシズムの概要
- 3 様々なフェティシズム・パラフィリア
- 4 フェティシズムの例
フェティシズムと同じ種類の言葉
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