分水嶺
「分水嶺」とは、山に降った雨水が異なる方向に流れてそれぞれの水系を作る、その境界線となる峰を意味する表現である。転じて「その後の動向の方向性を決定づける大きな分かれ目・転換点」の比喩として用いられることもある。
分水嶺の「水系が別れる境界」そのものは「分水界」と呼ばれる。たいてい連峰(山脈)の峰筋(山稜)が分水界になる。
日本列島には「中央分水嶺」と呼ばれる長大な分水嶺が南北に通っており、これが水系を日本海側と太平洋側に分けている。中央分水嶺は北海道の北端から九州の南端まで、日本のほぼ中心に一本の線が通るかのような線で示される。むろん中央分水嶺の他にも分水嶺・分水界は各地にある。
「分水嶺」の基本的な意味
「分水嶺」とは、文字通り水を分ける嶺(みね)のことである。山に降る雨水が下方へ流れて河川となり、支流と合流あるいは分岐しつつ、ひとつの大きな水系を構成する。この水系が分かれる境目が「分水界」であり、その分水界を擁する峰が「分水嶺」である。分水山脈ともいう。「分水嶺」の「嶺」は「山の頂あるいは高所」を表す字であるが、山岳の分水界にかぎらず、低所や平地における分水界を「分水嶺」と呼ぶこともある。
分水嶺がどこかを調べるには、地図の標高線をもとに土地の高低を割り出し、水の流れを把握することが必要になる。分水嶺を地図上にマッピングした地図もある。
よく知られた分水嶺としては、「中央分水嶺(中央分水界)」、あるいは、兵庫県丹波市の「水分れ公園」や、岐阜県郡上市の「ひるがの分水嶺公園」などがあげられる。「水分かれ公園」や「ひるがの分水嶺公園」は、分水界としては標高が低く交通の便がよい場所にあり、人気の観光スポットとなっている。
「分水嶺」の発音・読み方
「分水嶺」の正しい読み方は、「ぶんすいれい」である。「分水嶺」を含む熟語・言い回し
ここが分水嶺だ
「分水嶺」は、いわゆる「人生の分かれ道」や「歴史の転換点」「大きな分岐点」を指す比喩表現として用いられることがある。地理学や登山趣味とは関係ない文脈で「分水嶺」の語が用いる場合は、もっぱらこの比喩表現である。比喩としての「分水嶺」には、「どの選択肢を選ぶかによってその後の行方が大きく変わる」「他の選択肢を選んだ場合の方向にはもはや引き返せない」といったニュアンスが見出される。
分水嶺に立つとは
「分水嶺に立つ」とは、おおむね「(人生の)分岐点となる状況に置かれている」という意味で用いられる表現である。たとえば進学や就職のような、将来の方向性を半ば決定づけるような大きな転換期や決断のタイミングなどが該当しうる。「分水嶺」を含むその他の用語の解説
分水嶺公園とは
「分水嶺公園」とは、分水嶺のある場所に作られた公園のことである。あるいは、特に「ひるがの分水嶺公園」の通称・略称である。分水嶺公園は、風光明媚な場所に立地していることが多く、分水界そのものを目の当たりにできるよう整備されている場合も多い。
「ひるがの分水嶺公園」は緑に囲まれた閑静な公園である。ほど近い場所に「牧歌の里」というレジャースポットがある。
分水嶺梗塞とは
「分水嶺梗塞」とは、別名「血行力学性脳梗塞」とも呼ばれる、脳梗塞の一種である。何らかの理由で脳血流が下がったり、血圧が下がったりした場合に、動脈が供給する領域ではなく、主幹動脈の境界部分で梗塞が起こる。「分水嶺」の英訳
「分水嶺」は英語では「watershed」または「divide」という。比喩としての「転機・転換点」の意味なら「turning point」とも表現できるし、英語でも「watershed」を比喩として使える。
ぶんすい‐れい【分水×嶺】
分水嶺
「分水嶺」の例文・使い方・用例・文例
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