クロスライセンス
”クロスライセンス”とは、一般に、特許権を互いにライセンス(実施権の許諾)することをいう。したがって、双方が特許権を保有していることが前提である。
なお、一方が基本特許を保有し、他方がその改良特許を保有している場合について、特許法は以下のように規定している。
他人の基本特許発明を利用して発明(利用発明、改良発明)をした特許権者は、基本発明の特許権者からライセンスを受けなければ、利用発明を実施できない。基本特許の権利者がライセンスに応じない場合には、特許庁長官の裁定を請求することができる。この場合、基本特許の権利者からも同時に利用特許についてのライセンスを求められるようにしている。これをクロスライセンス制度という(特許法第92条)。互いに実施権を許諾し合うことによって、円滑な解決が図れるようにしたものである。
クロスライセンス契約
別名:クロスライセンス
【英】cross license, cross-licensing
クロスライセンス契約とは、特許権の権利者どうしが互いに相手の特許権を利用することができるように締結するライセンス契約のことである。
通常の場合には、特許として認可された発明を使用する際には使用料が発生する。しかしクロスライセンス契約を結んだ場合には、特許使用料を支払わずに相手の特許発明を利用することができる。
クロスライセンス契約には、単に交換条件的に特許使用権を得ることができるという意味だけでなく、お互いの技術を用いて開発を推進して相乗効果的に技術の応用・向上を図ることができるという協業の効果がある。加えて、それぞれの技術の有用性や企業の有為性を高め、技術と企業の価値を高める効果も期待できる。クロスライセンス契約は、知的財産権の強化にもつながる。
IT業界や家電業界では、技術の革新的進歩に伴って、新しい特許技術の開発が目覚しい。そのような業界事情を背景に、企業間のクロスライセンス契約が結ばれるケースも増加している。ただし、クロスライセンス契約が結ばれた技術の優位性や、相手方の特許技術への依存度合などが原因となり、後々いさかいとなるケースもある。
ちなみに、クロスライセンス契約の中でも、特許権保持者が双方ともに「特定の製品分野に関するすべての特許発明につき相互に実施を許諾する」契約の形態は「包括的クロスライセンス契約」と呼ばれる。2004年12月14日には、ソニーが韓国のサムスン電子と半導体関係の技術についてクロスライセンス契約を結び、2006年2月9日には、韓国のLG電子社と株式会社東芝が、光ディスク製品の特許についてクロスライセンス契約を締結した。
参照リンク
東芝:プレスリリース
ライセンス: | コーポレートライセンス コンテンツアグリゲーター コンテンツホルダー クロスライセンス契約 クリエイティブコモンズ Microsoft Authorized Refurbisher OSS |
クロスライセンス cross license
クロスライセンス
クロスライセンス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/07 14:21 UTC 版)
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クロスライセンス (Cross-licensing)、または相互ライセンスとは、2つまたは複数の企業などが、自らの持つ特許権などの知的財産権の行使を互いに許諾(ライセンス)すること、またはそのための契約。一般には、自らの持つ知的財産権を利用して実施・使用許諾料を(契約によるが)払わずに必要な知的財産権を利用できるメリットがある。
現代では、ある製品の製造に有用な技術に関し、複数の企業などがその一部ずつを特許として取得している場合がよくある。この場合、企業間の特許侵害訴訟リスクを避けながら製品を効率よく製造して利益を得る手段としてクロスライセンスがよく利用される。
また、Aが基本特許を持ち、Bがそれを利用した特許(利用特許または改良特許)を持つ状況でも、クロスライセンスがよく利用される。これにより、Aは基本特許より優れた技術を利用でき、Bも自分の特許(Aの許諾がなければ実施できず宝の持ち腐れとなる)が実施できる。
このように、複数の企業などが特許のクロスライセンスを目的として結成するコンソーシアムをパテントプールという。
特許法ではクロスライセンスを容易にするため、実施許諾の協議を求める権利を認めている(特許法92条)。
クロスライセンスは他の企業などに対抗するために行われることもあり、したがって条件によっては独占禁止法に抵触することもある。
「クロスライセンス」の例文・使い方・用例・文例
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