SD本部とは? わかりやすく解説

SD本部

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 15:04 UTC 版)

SD (ナチス)」の記事における「SD本部」の解説

SDは、1931年8月親衛隊全国指導者ハインリヒ・ヒムラー親衛隊幹部ラインハルト・ハイドリヒによってミュンヘンナチ党本部褐色館」(Braunes Haus)内に設置された。大英帝国秘密情報部Secret Service通称MI5)」がモデルであり、当初は「IC部」と名付けられていた。大統領選挙はさんだ1932年4月ハインリヒ・ブリューニング内閣閣議決定によってパウル・フォン・ヒンデンブルク大統領が「ナチス党SASS禁止緊急命令」を公布しこの際偽装のため「新聞情報部((Presse- und Informationsdienst、PID)」と改名した。しかし当時から親衛隊内部ではSD呼ばれていた。 当初長官ハインリヒ・ヒムラー兼務していたが、実務創設当時からラインハルト・ハイドリヒ握っており、1932年7月19日SD改称されるとともにハイドリヒ正式にSD長官となった親衛隊本部(Hauptamt)の一つとなり、「SD本部」(SD-Hauptamt)が設置された。 SD活動ナチ党でも重視されており、一般SS隊員無給党活動だったのに対してSD隊員活動には党から給与支払われた。また他のナチ党組織比べて高学歴の者が多く集められていたとされるが、学位が無いアドルフ・アイヒマン採用されている。 当初共産党突撃隊SA内部過激分子などナチ党「敵」対す調査主としており、政党活動の域を出ないものであったが、1933年1月ナチス党政権掌握しSD事実上国家機関となると諜報組織として国内外本格的に暗躍するうになる1934年6月9日法令により、SDナチ党内で唯一の情報機関認められた。この時期SD長官ハイドリヒベルリン移動しヴィルヘルム通り101番地のプリンツ・アルブレヒト宮殿(Prinz-Albrecht-Palais、隣接するプリンツ・アルブレヒト通り8番地ゲシュタポ本部入居していた)に執務室置いた。現在、これら一連の建物跡地は「テロトポグラフィー」(Topographie des Terrors)という博物館となっている。 1934年6月エルンスト・レーム一派粛清事件長いナイフの夜事件)、1937年ソ連でのミハイル・トゥハチェフスキー赤軍幹部粛清事件1938年ヴェルナー・フォン・ブロンベルク国防相辞任事件およびヴェルナー・フォン・フリッチュ陸軍最高司令官解任事件などSD深く関与している。1938年オーストリア併合1939年チェコスロバキア併合の際にもSDは反ナチ派の影響力抹殺辣腕ふるったプロイセン州首相ヘルマン・ゲーリング1933年プロイセン警察創設したゲシュタポとは役割がかぶるため、SDゲシュタポはしばし反目しあったという。1934年ゲシュタポヒムラー指揮下に移され1936年からは刑事警察クリポ)と統合されハイドリヒ保安警察にまとめられていたが、両者役割区別曖昧なままで反目続いた。そこで1937年7月1日ハイドリヒから保安警察及びSD長官Chef der Sicherheitspolizei und des SD、略称CSSD命令出されSDゲシュタポ活動範囲分割されることとなったSD党内問題人種問題文化問題教育問題外国問題行政問題フリーメイソンなどを専管するとされ、一方ゲシュタポマルクス主義移民国事犯専管とすると定めた教会世界観問題ユダヤ人過激派黒色戦線ナチス左派オットー・シュトラッサー分派組織)、経済問題報道問題については共同管轄となったSD情報分析機関とし、ゲシュタポ執行機関とするのがこの区分命令狙いであった指摘されている。1938年11月11日内務省布告によって国家情報機関となった

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