JBCの亀田陣営への処分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/01/27 00:02 UTC 版)
「負けても王座保持問題」の記事における「JBCの亀田陣営への処分」の解説
JBCは、今回の亀田側の意見陳述を踏まえた上で、2014年1月下旬までに再度、倫理委員会並びに資格審査委員会を開催し、亀田陣営への最終処分を決定することとした。メンバー構成は非公表だが、外部有識者が加わるとされた。同委員会ではボクシング界への信頼回復のため、ライセンスの停止を含めた厳しい処分が下されると予想された。1月20日にJBCが開いた倫理委員会では結論は出なかったが、同月27日にJBCで倫理委員会及び資格審査委員会が開かれ亀田陣営に何らかの処分を下す方向で最終調整に入った。 2月4日にJBCは倫理委員会と資格審査委員会を開催し、亀田陣営を処分することを決定。翌5日に吉井慎次会長の持つクラブオーナーライセンスと嶋聡マネージャーのマネージャーライセンスの更新を認めないことを決定し、7日に記者会見で発表した。理由として「吉井会長がルール・ミーティングに出席せず、嶋マネージャーの翌日の会見さえ知らないなど、クラブオーナー、及びプロモーターとして実務に関わっていなかったこと」、また嶋マネージャーに関しては「忙しくて『負けたら空位』との報道を知らなかったということに疑問があり、仮にそうだったとしても、王者の帰趨について無関心であることは、契約ボクサーの利益を守る責務を果たしていない」ことがあげられた。JBCが亀田ジムを国内から追放することを決定した事実上の資格剥奪処分である。処分においてはJBC理事長は「一連の騒動でボクシングの信頼性を傷つけた。吉井さんは会長として、嶋さんはマネジャーとして不適格であると判断した。ライセンスを有しない人物が実質的なクラブオーナーであり、プロモーターであることを物語っている」とライセンス取り消し処分になっている亀田史郎が現在も大きな影響力を持っていると暗に指摘した上で、「亀田ジムのガバナンスが不健全で全く機能していないことを意味している。ライセンスを有していない人物の影響力を完全に排除するなどしないとライセンスは与えることはできない」として、ジム運営体制が問題視された。吉井と嶋は2013年12月31日にライセンスの更新を行っていない為にライセンスが失効中でJBCの慣例では遅れての更新も認められるのだが、今回の処分により吉井のクラブオーナーライセンスの更新が認められず、嶋のマネージャーライセンスの更新も認められない為、事実上の資格剥奪処分となった。 この処分で亀田ジムは活動停止となった。興行を開催できないだけでなく、選手のライセンスはジムを通してしか申請出来ない為、亀田三兄弟(興毅、大毅、和毅)が保持するボクサーライセンスも実質的に失効となり、事実上の国外追放処分となった。JBCによってジムが機能を失うと日本国内ではプロボクサーとして試合できないため、興毅、大毅、和毅の三兄弟が国内で試合をするには、新たに会長、マネジャーを置くか他ジムへ移籍するなどの措置が必要になる。亀田三兄弟が今後日本国内で活動するために新会長やジム移籍を申請しても、「今後は、ライセンスを有しない実質的なクラブオーナーの影響力を完全に排除すると共に、健全な運営をしない限りライセンスを与えることができない」とし、JBCは書類のみでは許可せず、厳格に審査して可否を判断する方針を示している。この処分に対し亀田ジムの代理人弁護士である北村晴男弁護士は法的措置も辞さない姿勢を示した。 この一連の騒動がJBCに国内で開催する世界王座統一戦に適用するJBC独自のルールの策定に着手させる契機となった。 2014年3月19日、IBFはJBCに対し謝罪文を送り謝意を示した。また亀田大毅はIBF世界スーパーフライ級王座の返上を表明した。 2014年4月21日に東日本ボクシング協会は理事会を開き、吉井慎次会長がクラブオーナーライセンスを持つジムの会長としては名義貸しの状態で、ジム運営に携わっていない点や、ジム所属選手の海外での試合を報告せず安全管理を怠った点などの理由で同会長を全会一致で除名処分とした。亀田三兄弟が国内で試合をすることも可能にする為の一時的な措置として亀田三兄弟を「協会預かり」にすることに関して、東日本ボクシング協会の大橋秀行会長は「無い」と断言した。同月25日にJBCは資格審査委員会並びに倫理委員会を開き、上述の吉井慎次会長の持つクラブオーナーライセンスと嶋聡マネージャーのマネージャーライセンスの更新を認めず事実上の資格剥奪処分となった件に関し、処分取り消しを求めた亀田ジム側が提出した証拠に再審議が必要と判断するものが無かったとして、亀田ジム側の再審議請求を退けた。
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