1988年のオールスターゲーム は、1988年 7月に行われた日本プロ野球 のオールスターゲーム 。
試合概要
前年からMVPに賞金と商品を贈呈してきた三洋電機 がこの年から特別協賛企業となり大会名がサンヨーオールスターゲーム に名称変更された(2006年 まで)。
前年、2年連続の日本一を達成した西武ライオンズ の森祇晶 が全パ(オールパシフィック・リーグ )を率い、セ・リーグを制した読売ジャイアンツ の王貞治 が全セ(オールセントラル・リーグ )を率いた1988年 のオールスターゲーム。左右両翼100mの広さ持つ屋根つき球場東京ドーム が開場し「野球の質が変わった」と言わしめ、シーズン終了とともに老舗球団、阪急ブレーブス と南海ホークス が身売りし、プロ野球も新時代を迎えようとしていた。
7月23日に予定された第1戦が雨で24日に順延。第1戦は結果的にオールスターゲーム最終開催となる阪急西宮球場 で行われ、地元阪急ブレーブス の星野伸之 が全パの先発として責任投球回を無失点に抑え、主砲ブーマー・ウェルズ が特大のホームランを放ち、老舗球団の派手な店じまいのような展開となった。第2戦はナゴヤ球場 で実施され王に憧れて野球を志した高卒新人立浪和義 が先発出場、当時は指名打者 がオールスターゲームで導入されておらず門田博光 が3番・右翼手で先発。低迷続く阪神タイガース の岡田彰布 の逆転ホームランで全セがタイに持ち込んだ。そして最終、第3戦は開場4か月の東京ドームが初めて球宴の舞台となった。当時東京ドームを本拠地としていた日本ハムファイターズ のエース西崎幸広 が全パ先発投手として3回をパーフェクト(2回裏にはクリーンナップから三者連続三振、3回裏2死で代打立浪から5個目の三振)2年ぶりの延長戦となり引き分け寸前の12回裏、野手を使い切った全セは投手水野雄仁 を代打に送ったところこれがサヨナラの犠牲フライとなり、全セが昭和最後のオールスターゲームを締めくくった。現在の規定では延長はなく、指名打者制になっているため、このような事態は起こり得ない。
第3戦が行われた東京ドームにおいて1988年度の野球殿堂 授与式が行われ、全セを率いた巨人・王貞治の後任という噂のあった長嶋茂雄 が登場した(その後、広岡達朗 に白羽の矢が立ったが固辞され、藤田元司 が再任)。ともあれ、王・長嶋のONコンビが球宴の舞台に同時登場したのは1979年(長嶋は監督、王は現役)以来のことであった。そしてON二人が両リーグの監督として球宴に並び立つのはこれから13年後のことである。
この年、ウォーレン・クロマティ の代役として巨人で大活躍した呂明賜 が監督推薦で初出場し全試合に先発したもののノーヒットに終わった。
太字 はファン投票で選ばれた選手。▲は出場辞退選手発生による補充選手。
試合結果
第1戦
オーダー
セントラル
打順
守備
選手
1
[二]
正田耕三
2
[遊]
池山隆寛
3
[一]
落合博満
4
[三]
原辰徳
5
[中]
ポンセ
6
[右]
真弓明信
7
[左]
呂明賜
8
[捕]
達川光男
9
[投]
北別府学
パシフィック
打順
守備
選手
1
[左]
佐々木誠
2
[二]
福良淳一
3
[右]
門田博光
4
[一]
ブーマー
5
[三]
清原和博
6
[遊]
松永浩美
7
[中]
秋山幸二
8
[捕]
吉田博之
9
[投]
星野伸之
第2戦
1
2
3
4
5
6
7
8
9
R
H
E
全パ
0
0
0
0
1
0
0
0
0
1
6
1
全セ
0
0
0
0
0
2
1
1
X
4
7
1
パ:阿波野 (近 )、●渡辺(西)、加藤 (南)、吉井 (近)-伊東、吉田
セ:槙原 (巨)、大野 (広)、○中山(洋)、尾花 (ヤ)、S津田(広)-中村 (中)、達川
勝利 :中山 (1勝)
セーブ :津田 (1S)
敗戦 :渡辺 (1敗)
本塁打 パ:伊東1号(ソロ・大野) セ:岡田 (神)1号(2ラン・渡辺)
審判 [球審]小林毅 (セ) [塁審]久保山(パ)・久保田(セ)・山本隆(パ) [外審]谷(セ)・斎田 (パ)
試合時間:2時間28分
オーダー
パシフィック
打順
守備
選手
1
[二]
西村徳文
2
[中]
新井宏昌
3
[右]
門田博光
4
[一]
ブーマー
5
[三]
清原和博
6
[左]
オグリビー
7
[遊]
松永浩美
8
[捕]
伊東勤
9
[投]
阿波野秀幸
セントラル
打順
守備
選手
1
[二]
岡田彰布
2
[遊]
立浪和義
3
[三]
池山隆寛
4
[一]
落合博満
5
[中]
ポンセ
6
[右]
広沢克己
7
[左]
呂明賜
8
[捕]
中村武志
9
[投]
槙原寛己
第3戦
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
R
H
E
全パ
1
0
0
0
0
0
1
0
0
1
0
0
3
9
2
全セ
0
0
0
0
0
0
2
0
0
1
0
1X
4
8
2
(延長12回)
パ:西崎 (日)、小野義 (近)、村田 (ロ)、佐藤 (急)、小川、●牛島-田村、伊東
セ:小野幸 (中)、川口 (広)、桑田 (巨)、伊東 (ヤ)、○中山-達川、木戸
勝利 :中山(2勝)
敗戦 :牛島(1敗1S)
本塁打 パ:高沢 (ロ)1号(初回先頭打者ソロ・小野)
審判 [球審]山本隆(パ) [塁審]谷(セ)・斎田(パ)・久保(セ) [外審]林忠(パ)・小林毅(セ)
試合時間:3時間18分
オーダー
パシフィック
打順
守備
選手
1
[右]
高沢秀昭
2
[二]
福良淳一
3
[三]
清原和博
4
[一]
ブーマー
5
[左]
松永浩美
6
[中]
秋山幸二
7
[遊]
田中幸雄
8
[捕]
田村藤夫
9
[投]
西崎幸広
セントラル
打順
守備
選手
1
[中]
高木豊
2
[二]
篠塚利夫
3
[遊]
池山隆寛
4
[三]
原辰徳
5
[右]
ポンセ
6
[左]
呂明賜
7
[一]
中畑清
8
[捕]
達川光男
9
[投]
小野和幸
テレビ・ラジオ中継
テレビ中継
第1戦:7月24日
第2戦:7月25日
第3戦:7月26日
日本テレビ
NHK総合 (中継録画・スポーツタイムに内包)
ラジオ中継
第1戦:7月24日
第2戦:7月25日
第3戦:7月26日
脚注
^ a b 『オールスターゲームの軌跡 DREAM GAMES HISTORY since 1951』(2001年、ベースボール・マガジン社 )、P.195
関連項目
外部リンク
1950年代
1960年代
1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
2010年代
2020年代