ラヴィーナ:12の演奏会用エチュード
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ラヴィーナ:12の演奏会用エチュード | Douze études de concert Op.1 | 出版年: 1838年 初版出版地/出版社: Lemoine 献呈先: Monsieur Zimmerman |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | アレグロ Allegro | 2分30秒 | No Image |
2 | プレスト・ノン・トロッポ Presto non troppo | 2分30秒 | No Image |
3 | プレスト Presto | 3分00秒 | No Image |
4 | レント Lento | 2分30秒 | No Image |
5 | アレグレット・コン・グラジア Allegretto con grazia | 2分30秒 | No Image |
6 | アレグロ・クアジ・プレスト Allegro quasi presto | 3分00秒 | No Image |
7 | プレスト・エレジラメンテ Presto eleggieramente | 2分00秒 | No Image |
8 | アレグロ・ディ・ブラヴーラ Allegro di Bravura | 2分30秒 | No Image |
9 | モデラート Moderato | 2分00秒 | No Image |
10 | アレグレット・アジタート Allegretto agitato | 2分30秒 | No Image |
11 | モデラート .Moderato | 3分30秒 | No Image |
12 | アレグロ・モデラート Allegro moderato | 2分30秒 | No Image |
作品解説
No. 1 Allegro ハ長調
アルペッジョと歌唱的な旋律の練習曲。ニオクターヴに渡る急速なアルペッジョは順次左右の手に現れる。当時のピアノは高音が持続しにくかったため、中音域に優美な旋律を置くことが好まれた。
No. 2 Presto non troppo ニ短調
急速な和音連打の練習曲。絶えざる16分音符のリズムは蒸気エンジンのような機械的運動を思わせる。発展しつつある産業化社会を象徴するかのような一曲。
No. 3 Presto ハ長調
分散和音と重音の練習曲。左手は大きく跳躍する伴奏音型を奏する。旋律は常に中音域に置かれ、巧みな転調によって次々に色調が変化する。
No. 4 Lento ヘ長調
重音と同音連打の練習曲。右手は最上声部の旋律とそれに寄り添う同音連打の副旋律を同時に奏でる。
No. 5 Allegretto con grazia ニ短調
跳躍の練習曲。手のひらを返すようにして1拍の内に1オクターヴ以上の音域を打ち鳴らす。順次両手に同じ音型が現れる。
No. 6 Allegro quasi presto ロ長調
付点リズムで和音を奏でる練習曲。中間部はト長調に転調する。曲全体は和音のみで構成されるが、転調によって見事に展開される。多様性に富んだ和声の継起はラヴィーナの卓越した創意とそれを支える確固たる理論的基盤を物語っている。
No. 7 Presto non troppo e leggieramente ハ長調
装飾音の練習曲。鈴の様になる愛らしい装飾の後には時折1オクターヴを越える困難な跳躍が現れる。
No. 8 Allegro di bravura ヘ長調
重音を含む分散和音の反復の練習曲。この伴奏音型は左右の手に順次現れ、最後は両手で同じ音型を奏する。
No. 9 Moderato 変ニ長調
両手で並行するアルペッジョを奏でる練習曲。左右対称な手の構造から、ショパンが作品25第1番で示したように分散和音を対称的に配置するほうが演奏は容易だが、ラヴィーナは敢えて同方向に向かうアルペッジョを選んだ。
No. 10 Allegretto agitato 変ロ長調
左手を伸ばしてアルペッジョを奏で、右手で重音を伴う分散和音を弾く練習曲。中間部には変ト長調、イ長調を中心とするより遠い調への逸脱が見られる。
No. 11 Moderato 変ホ長調
急速に手を交差させる練習曲。旋律は一音おきに左右の手で交互に奏される。愛らしい旋律の割に正確に音を当てるための技術と集中力が要求される。
No. 12 Allegro moderato 変イ長調
右手の重音を伴う三連符と左手の跳躍、重音の練習曲。一定のリズムパターンによって約10種類の旋律パターンが転調しながら次々に現れる。
1838年出版。ラヴィーナの第一作は、彼の全作品中の最難曲となっており、音楽的完成を最初から踏破している。このようなケースは極めて珍しい。信じ難いスピードの指定がある。パリ音楽院の師、ツィメルマンに献呈。出版はルモワーヌ。順次両手に同じ音型が現れる。
No. 6 Allegro quasi presto ロ長調
付点リズムで和音を奏でる練習曲。中間部はト長調に転調する。曲全体は和音のみで構成されるが、転調によって見事に展開される。多様性に富んだ和声の継起はラヴィーナの卓越した創意とそれを支える確固たる理論的基盤を物語っている。
No. 7 Presto non troppo e leggieramente ハ長調
装飾音の練習曲。鈴の様になる愛らしい装飾の後には時折1オクターヴを越える困難な跳躍が現れる。
No. 8 Allegro di bravura ヘ長調
重音を含む分散和音の反復の練習曲。この伴奏音型は左右の手に順次現れ、最後は両手で同じ音型を奏する。
No. 9 Moderato 変ニ長調
両手で並行するアルペッジョを奏でる練習曲。左右対称な手の構造から、ショパンが作品25第1番で示したように分散和音を対称的に配置するほうが演奏は容易だが、ラヴィーナは敢えて同方向に向かうアルペッジョを選んだ。
No. 10 Allegretto agitato 変ロ長調
左手を伸ばしてアルペッジョを奏で、右手で重音を伴う分散和音を弾く練習曲。中間部には変ト長調、イ長調を中心とするより遠い調への逸脱が見られる。
No. 11 Moderato 変ホ長調
急速に手を交差させる練習曲。旋律は一音おきに左右の手で交互に奏される。愛らしい旋律の割に正確に音を当てるための技術と集中力が要求される。
No. 12 Allegro moderato 変イ長調
右手の重音を伴う三連符と左手の跳躍、重音の練習曲。一定のリズムパターンによって約10種類の旋律パターンが転調しながら次々に現れる。
デーラー:12の演奏会用エチュード
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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デーラー:12の演奏会用エチュード | 12 Etudes de concert Op.30 | 出版年: 1839年 初版出版地/出版社: Meissonnier 献呈先: Hector Berlioz |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | ハ長調 C-dur | No Data | No Image |
2 | イ短調 a-moll | No Data | No Image |
3 | ホ短調 e-moll | No Data | No Image |
4 | 変ニ長調 Des-dur | No Data | No Image |
5 | トレモロ・エチュード Tremolo-Etude | No Data | No Image |
6 | イ長調 A-dur | No Data | No Image |
7 | 左手のためのエチュード Etude für die linke Hand | No Data | No Image |
8 | ヘ長調 F-dur | No Data | No Image |
9 | ヘ短調 f-moll | No Data | No Image |
10 | コンクール、エチュード Der Wettstreit, Etude | No Data | No Image |
11 | 変ニ長調 As-dur | No Data | No Image |
12 | トリラー・エチュード Triller-Etude | No Data | No Image |
作品解説
No. 1 Allegro ハ長調
連続する重音の練習曲。高音域よりもむしろよく持続する中音域に旋律を置く書法は、同時代のピアニスト兼作曲家たちに好まれた。
No. 2 Moderato イ短調
手の跳躍と4、5、6度等による重音の練習曲。ホ長調から主調に移行する中間部の終わりは急速な手の交差を伴う。
No. 3 Allegro ホ短調
連続する三度、オクターヴ、分散和音の練習曲。主題は初め中音域に置かれるが、二回目以降はオクターヴで提示される。ギターの爪弾きを思わせる伴奏に乗せて歌われるセレナード風の軽やかな一曲。
No. 4 Allegretto grazioso 変ニ長調
右手で旋律と伴奏を同時に奏でる練習曲。豊かな転調、強弱の対比によって鮮やかなコントラストが生み出される。
No. 5 Moderato 変イ長調
オクターヴによるトレモロの練習曲。主題はトレモロの靄の中に静かに浮かび上がる。イ短調の中間部では両手が2オクターヴを急速に行き来しながら中音域に置かれた旋律音を交互に取り合う。
No. 6 Allegro イ短調
連続する様々な重音の練習曲。左手には敏捷な音階や分散和音が割り当てられる。劇的な主部とは対照的にイ長調の中間部には歌唱的な旋律が現れ、それぞれの手で旋律と伴奏を引き分ける練習となる。
No. 7 Molto lento ロ長調
左手のみで複数の声部を引き分ける練習と右手の敏捷な音階の練習曲。左手による前半部分では序奏に続いて壮麗なテーマが提示される。対して中間部は広音域を軽やかに行き来する右手の音階練習になる。
No. 8 Moderato ヘ長調
ポリフォニック(多声的)な序奏に続き素朴な唄が奏でられる。
No. 9 Allegretto agitato ma non troppo presto ニ短調
低音域で奏でられるロシア風な主題は右手のアルペッジョで伴奏される。中間部では左右の手が交互に中音域の旋律を取り合う。主題はオクターヴで力強く回帰する。
No. 10 Allegro 変ロ長調
オクターヴと三度、四度の組み合わせの練習曲。手の交差しながら奏でる音のアラベスクの中に巧みに旋律が織り込まれる。
No. 11 Andantino 変イ長調
分散和音に取り巻かれた中音域の旋律を奏でる練習曲。めまぐるしく転調する中間部を経て回帰する主題は重音を伴う三音符の分散和音を伴い難易度を増す。
No. 12 Allegro ロ長調
トリルの練習曲。4/4拍子の即興的な部分と明確な旋律を持つ6/8拍子の部分が交互に配置される。6/8拍子のセクションにおいて右手はトリルを奏でながら同時に旋律線をも担う。
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