鹿児島県広田遺跡出土品とは? わかりやすく解説

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鹿児島県広田遺跡出土品

主名称: 鹿児島県広田遺跡出土品
指定番号 575
枝番 00
指定年月日 2006.06.09(平成18.06.09)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 考古資料
ト書
員数 一括
時代区分 弥生
年代
検索年代
解説文: 本件は、鹿児島県南種子町平山広田所在する広田遺跡から出土した弥生時代から古墳時代にわたる墓地出土品一括である。遺跡は、広田川河口右岸形成され東西長さ100メートル、幅約30メートル砂丘上に立地し、その標高最高点で約六メートル測る昭和32年第一次)から34年第三次)、遺跡内容解明目的とした学術調査三次わたって実施され、約230平方メートル調査範囲から90か所の埋葬跡が検出され一五〇体以上の人骨および総数44000点にのぼる遺物出土した
 本件はそれらのうち、埋葬跡または人骨副葬され一括で、平成11年鹿児島県所有となった遺物である。その内容多岐にわたるが、主体占めるのは貝輪、貝符、竜佩形貝垂飾等、特徴的な形態をもつ貝製品2008点で、これに骨角牙製品4点ガラス玉18点釣針3点管玉くだたま】等の石製品7点、およびこれらの時期を示す土器1点構成され、さらに附の土器残欠、貝製品素材であるヤコウガイが加わる。
 骨角牙貝製品は、ゴホウラまたはオオツタノハ素材とした貝輪553点、大型イモガイ長方形成形し、その外面饕餮文類似した幾何学的な文様刻んだ貝符453点、またその外形が竜のデザイン思わせる竜佩形貝垂飾86点、851連の貝玉等、装身具主体構成されいずれも南海産の貝が素材とされている。また、これにヤコウガイ製の貝匙魚骨製の釣針牙製の垂飾なども少量組み合う
 これらは出土層位によって、下層中層上層のほぼ三時期のまとまり分けられる出土した土器等から下層弥生時代後期後半から終末の、また上層は古墳時代中期ころまでの所産考えられ、当遺跡長期にわたり、何回かの集中的な遺体埋葬によって形成されたことをうかがわせる時期変遷追え副葬品限られるが、貝符は下層タイプ(略方形、有孔で文様モチーフ曲線的陰刻がやや立体的)と上層タイプ長方形、無孔で文様モチーフ角張陰刻がやや平面的)に分類でき、型式差が顕著である。
 以上、本件一括は、本土では出土例乏し南海産の貝を素材とした各種副葬品多量に含む点で貴重であり、とりわけ貝符や竜佩形貝垂飾等には、大陸起源文様影響推測することができる。これらは、弥生時代から古墳時代にかけての南島地域における葬送実態と、貝製品および素材交易を示すきわめて貴重な資料であり、その価値には高いものがある。

鹿児島県広田遺跡出土品

主名称: 鹿児島県広田遺跡出土品
指定番号 587
枝番 00
指定年月日 2009.07.10(平成21.07.10)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 考古資料
ト書
員数 一括
時代区分 弥生古墳時代
年代
検索年代
解説文: 本件は、鹿児島県南種子町平山広田所在する広田遺跡から出土した弥生時代から古墳時代にわたる墓地からの出土品一括である。遺跡は、広田川河口形成され南北長さ100メートル、幅約30メートルほどの砂丘上に立地する墓域砂丘南端北端確認されそれぞれ南側墓群と北側墓群と呼ばれている。
遺跡調査は、昭和期平成期二期にわたり行われた昭和期調査昭和32年第1次)から34年第3次)の三次にわたる学術調査で、南側墓群から90箇所埋葬跡が検出され150体以上の人骨及び総数44000点にのぼる遺物出土した。それらのうち、埋葬跡または人骨副葬され出土品で、昭和48年国保有されその後国立歴史民俗博物館管理替えされた遺物、また平成11年鹿児島県所有となった遺物については、それぞれ平成18年重要文化財指定されている。
平成期調査は、平成17年から18年南種子町教育委員会によって行われた。この調査では新たに北側墓群の存在判明し南側墓群の追加調査行われて南側墓群で新たに埋葬一一箇所北側墓群から埋葬跡九箇所検出された。これはいずれも、昭和期調査確認され埋葬跡と同時代のものである
本件は、この平成期調査検出され埋葬跡または人骨副葬され一括品を中心とした、南種子町所蔵する遺物である。その内容多岐にわたるが、主体占めるのは貝製品215点で、貝輪、貝符、竜佩形貝垂飾など、特徴的な形態をもつ製品と、昭和期調査では出土していない貝鏃を含む。これにガラス玉28点、石鏃10点、及びこれらの時期を示す完形に復元され土器4点、さらに附土器残欠34点から構成される。なお、北区二号墓から出土した土器は、時期比定資料となる良好な一括品で(南九州から搬入され中津野式〈弥生終末期〉の壺2箇体と在地産の甕2箇体の完形品)、広田遺跡形成され時期考察するうえで基準資料となるものである
以上、本件新たに確認され北側墓群の遺物含み、既指定昭和期調査一括増補するもので、広田遺跡出土品全貌把握するために欠かせないのである
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