鹿児島県広田遺跡出土貝製品とは? わかりやすく解説

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鹿児島県広田遺跡出土貝製品

主名称: 鹿児島県広田遺跡出土貝製品
指定番号 569
枝番 00
指定年月日 2006.06.09(平成18.06.09)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 考古資料
ト書
員数 一括
時代区分 弥生
年代
検索年代
解説文: 本件は、鹿児島県南種子町平山広田所在する広田遺跡から出土した弥生時代から古墳時代にわたる墓地からの出土品一括である。遺跡は、広田川河口右岸形成され東西長さ100メートル、幅約30メートルほどの砂丘上に立地し、その標高最高点で約6メートル測る昭和32年第一次)から34年第三次)、遺跡内容解明目的とした学術調査三次わたって実施され、約230平方メートル調査範囲から90か所の埋葬跡が検出され150体以上の人骨および総数44000点にのぼる遺物出土した
 本件はそれらのうち、昭和48年国保有され国立歴史民俗博物館管理替えされた遺物である。その内容多岐にわたるが、主体占めるのは貝輪、貝符【かいふ】、竜佩形【りゅうはいがた】貝垂飾【すいしょく】等、特徴的な形態をもつ貝製品一五二点で構成され、これに附の土器二箇体分が加わる。
 貝製品は、ゴホウラまたはオオツタノハ素材とした貝輪20点大型イモガイ長方形成形し、その外面饕餮文とうてつもん】に類似した幾何学的な文様刻んだ貝符110点、またその外形が竜のデザイン思わせる竜佩形貝垂飾2点三連の貝玉【かいだま】等、装身具主体構成されいずれも南海産の貝が素材とされている。また、これにヤコウガイ製の貝匙【かいさじ】や、貝玉の未製品組み合う
 これらは出土層位によって、下層中層上層のほぼ三時期のまとまり分けられる出土した土器等から下層弥生時代後期後半から終末の、また上層は古墳時代中期ころまでの所産考えられ、当遺跡長期にわたり、何回かの集中的な遺体埋葬によって形成されたことをうかがわせる時期変遷追え副葬品限られるが、貝符は下層タイプ(略方形、有孔で文様モチーフ曲線的陰刻がやや立体的)と上層タイプ長方形、無孔で文様モチーフ角張陰刻がやや平面的)に分類でき、その型式差が顕著である。
 以上、本件一括は、本土では出土例乏し南海産の貝を素材とした各種副葬品多量に含む点で貴重であり、とりわけ貝符や竜佩形貝垂飾等には、大陸起源文様影響推測することができる。これらは、弥生時代から古墳時代にかけての南島地域における葬送実態と、貝製品および素材交易を示すきわめて貴重な資料であり、その価値には高いものがある。
重要文化財のほかの用語一覧
考古資料:  鴟尾  鴟尾残闕  鹿児島県上野原遺跡出土品  鹿児島県広田遺跡出土品  鹿児島県広田遺跡出土品  鹿児島県広田遺跡出土貝製品  鼉竜鏡



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