鹿児島県上野原遺跡出土品 (鹿児島県)
鹿児島県上野原遺跡出土品
主名称: | 鹿児島県上野原遺跡出土品 |
指定番号: | 524 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1998.06.30(平成10.06.30) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 考古資料 |
ト書: | |
員数: | 一括 |
時代区分: | 縄文 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 本件は、上野原遺跡から出土した縄文時代早期後半の遺物一括である。 上野原遺跡は、鹿児島県国分市上之段に所在する。遺跡は、通称シラスと呼ばれる入戸火砕流が約三〇メートルの厚さで堆積し、周囲を侵食された標高約二六〇メートル、総面積約九三、〇〇〇平方メートルの台地上に立地する。調査は、県工業団地の建設に先立ち、この台地をほぼ四分割して進められたが、本件の一括はこのうち第三工区(平成三-六年調査)から出土した資料である。 資料は、深鉢形土器一二箇・壺形土器一四箇・土製耳飾【みみかざり】残欠一八箇・土偶一箇を含む土器・土製品類一〇二箇と、石鏃・磨製石斧・打製石斧等の石器・石製品類六四〇箇、および附の線刻土器片四箇分、石核【せきかく】等二一箇で構成される。 このうち土器は、平栫【ひらがこい】式を中心に塞ノ神【せのかん】式に及ぶが、通有な深鉢形土器とともに壺形土器が多く含まれ、これに鉢形土器等が組み合う。とくに壺形土器は、うち一三箇が土坑内から正位に埋納された状態で出土した。この遺構の性格は判然としないが、墓壙あるいは集落に近接した祭祀の場が想定されている。また、磨製石斧が一括埋納された遺構も四か所発見されている。 土偶は一点のみの出土だが、九州で現存最古の資料で、胸に明瞭な乳房表現や肋骨様の細沈線文が描かれる。土製耳飾はいわゆる滑車形で、土器の文様に共通する装飾が施されるが、早期にまでさかのぼる滑車形の耳飾が、本件のように一遺跡から多数出土した例はほかにない。 以上本件は、これまでの縄文時代早期の遺跡では知り得なかった遺物を数多く含む、充実したものである。とりわけ完形の壺形土器はきわめて遺存状態がよい個体を含み、また滑車形耳飾、土偶、環状石斧等の存在も、縄文時代早期の段階で、南九州の地域ではすでに多彩な縄文文化が開花していたことを余すところなく物語る。これらは、日本列島における縄文文化の創生、発展を知るうえで重要な知見を提供するものであり、その学術的価値は高い。 |
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