騒動に対する批判及び肯定的評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 17:26 UTC 版)
「NHKスペシャル シリーズ 「JAPANデビュー」」の記事における「騒動に対する批判及び肯定的評価」の解説
在台ジャーナリストの酒井亨 は、パイワン族の出演者を映した場面で漢族風の名前が出ていたことについて、パイワン名を持つはずの住民を漢名で紹介したのだとして番組を批判した。その一点を除けば、批判されているような意図は感じないと述べた。帝国主義という他国も含めた背景が説明され日本はむしろ相対化されており、また、台湾人は親日だが批判者のいうそれとは視座が違うだろうと主張した。 拓殖大学客員教授の岡田充 は、経済を中心に日中関係の構築を目指す「21世紀中国総研」 で「NHK叩きは台湾総統の馬英九の対中緊張緩和路線が国際社会から高く評価され、かつ日本重視路線を選択したことによって国民党を支持した台湾人を否定した金美齡のような人々とそれと結びつき台湾に単純な親日幻想をいだいる勢力の存在感が薄れてしまい、台湾・国際社会からも孤立し、馬批判ができないことによる代償行為」であると主張し、また台湾においては与党・野党支持勢力も反対運動に関心を持っていないことや、李登輝政権時代にタイヤル族の武装蜂起が台湾人アイデンティティに基づいた抗日運動として評価され出したり、陳水扁政権時代にも麻生太郎が外相時代に植民地時代を正当化したことに反発した事実を伝えた上で、日本統治のプラス面を強調する番組が多い中で負の側面をきちんと取り上げたことはむしろバランスがよいと感想を述べた。これについて台湾研究フォーラム会長の永山英樹は、岡田の言う「孤立」があるとすれば、台湾は馬英九政権以前から国際社会から冷淡な扱いをされてきたのであり、以前からあるものとし「問題は我々の「喪失感」ではなくNHKの歴史歪曲」であるとして「残念ながら岡田氏の想像はまったく正しくない」と反論をおこないつつ、なぜJAPANデビューを擁護する人々は中国の代弁者の類や日本共産党などの左翼の人ばかりなのだろうか、と疑問を呈した。 日本共産党の山下芳生は参議院総務委員会で「非常によい番組だった。(中略)親日的といわれる台湾の人々の心の奥底にある複雑な思いが伝わった。歴史を直視し、互いに共有し、反省すべきは反省もしてこそ相互理解により深い友好関係が構築できると感じた」と感想を述べた。 市民団体「開かれたNHKをめざす全国連絡会」はこの放送に対して疑問を呈した小林委員の発言を非難し、また議連の発足や訴訟、デモなどによって自主自立の姿勢が損なわれないようにと求める意見書を7月7日NHKに提出。同日、日本ジャーナリスト会議も番組批判について「表現の自由そのものに対する恫喝と干渉に当る」などと主張した。 西日本新聞の笠島は番組批判について「嫌な感じなのは元首相を含む国会議員が絡んでいること」などと批判。内容については「「台湾は親日的」との固定観念が問い直され、当時の「同化政策」がチベットやウイグルへの施策と通じる面もあるように感じられた」などと評した。また神保太郎も同様の主張をしたほか、番組が政治的な偏向が理由で放送法上の問題を持つのならば、裁判や抗議運動という政治運動に積極的に関与しているチャンネル桜も同じく問題だろうと述べた。
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