野生生物と植生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/09/09 14:03 UTC 版)
「ゴールデンアイルズ」の記事における「野生生物と植生」の解説
ゴールデンアイルズに観光客を惹きつける主要要因の1つが大変多様な野生生物と海岸性植生である。この地域のもっともはっきりした特徴は広大な湿地と入り江であり、豊富な食料を供給し、多くの陸海空の生物に子孫を増やす場を与えている。 諸島と本土の間の地域の大半は湿地であり、滑らかなヨシ葦(スパルティナ)が茂り、これが野生生物にとって生命を維持するための栄養源を供給するものとなっている。毎年秋、湿地の草が金色に変わるので、それがゴールデンアイルズの名前の由来となっている。 この豊富な栄養源の結果はどこでも見られる。海浜や隣接する海岸林で普通に見られるのは、白鷺、アオサギ、シロトキ、カモメ、アジサシ、チドリ、シギ、ペリカン、ミサゴなど水辺の鳥である。猛禽類では、ハゲワシ、鷹、ハクトウワシがいる。ジョージア州のコロニアル海岸野鳥トレイルに沿った18の場所の内5か所がゴールデンアイルズとグリン郡の中にある。 海浜、沿岸の水路および桟橋に沿った場所の中で、カブトガニやユウレイガニが砂の中の穴から出入りしている。イルカ、マナティ(夏)、跳び上がるボラ、クラゲ、タコノマクラ、エイ、巻貝がヤドカリと共に棲んでいる。海浜の背後にある砂丘が内陸の植生を保護し、嵐や高潮に対する防壁になっている。砂丘に生えるシーオーツが根を伸ばして、砂丘をその位置で保っている。ジョージア州法ではこのオーツを抜くことを禁じている。海浜のヒルガオとその蔓が同様な機能を果たしている。一年のある時期では、枯れた葦(ラックと呼ばれる)が海浜で洗われ、満潮線に集まる。ラックの中の昆虫や微生物が栄養分を放出し、ラック自体は砂を捕まえて砂丘を大きくすることに貢献している。砂丘の背後には様々な植生が生えている。海岸林が木陰を作り、ジョージア州のバリアー島海岸の特徴になっている。ライブオーク、南の松、キャベツヤシ、マグノリアなどが木陰を作る。その下ではパルメットヤシ、ヤウポン、ユッカ、オプンティア、シダや象徴的なスパニッシュ・モスなど複雑な叢生を作っている。この林は、鹿、蛇、アライグマ、アリゲーター、野生の七面鳥、蛙など多種の両生類、爬虫類、陸上動物の生息地にもなっている。 地域で最も愛され、かつ存続が危まれている種がアカウミガメである。5月下旬から8月半ばまで、メスのカメが暗くなった後に海浜にはい上がり、砂丘の満潮線より上で巣を掘って、卵を産む。カメの卵は自然からも人からも多くの脅威に曝される。ウミガメのあらゆる種が連邦政府絶滅危惧種法によって保護されている。ジョージア州自然資源省がジョージア州ウミガメ共同体の下で地元の機関やボランティアの動きを調整している。これらの団体はゴールデンアイルズの海浜で見つかったウミガメの巣を監視し、保護し、管理している。さらに研究や大衆の知覚と教育プログラムを実行してもいる。ジェキル島にあるジョージア・ウミガメセンターは共同体の会員であり、負傷したカメへのリハビリや、様々なプログラムや現場ツアーによって研究と教育も行っている。 海岸の沖合で見られる絶滅危惧種の1つがタイセイヨウセミクジラである。この回遊性の動物は、容易に捕まえられ、大量の油と鯨ひげが採れることから、漁師がその名前をつけた。その結果、ほとんど絶滅に近いまでに取り尽くされた。現在は連邦法と州法の双方で保護されている。南ジョージアとフロリダ州の沖合は繁殖地として唯一知られている海域であり、アメリカ海洋大気庁がアルタマハ川デルタからフロリダ州ベルボルンまでの海域を重要な生息域と指定した。連邦法では船がセミクジラから500ヤード (450 m) 以内に近づくこととそこに留まることを禁じている。2014年12月、ジョージア州自然資源省が生存するセミクジラのメスは100頭以下だと推計した。
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