足利尊氏の発掘とは? わかりやすく解説

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足利尊氏の発掘

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 00:58 UTC 版)

後醍醐天皇」の記事における「足利尊氏の発掘」の解説

後醍醐天皇勅撰命じた続後拾遺和歌集』で抜擢され武家歌人には、まだ「高氏」と名乗っていた頃の若き足利尊氏もいた。尊氏前回の『続千載和歌集』のときにも二条家和歌送っていたのだが、その時不合格で入撰せず送った和歌突き返されてきた。そこで、後醍醐天皇時代に「かきすつるもくづなりとも此度は かへらでとまれ和歌の浦波」という和歌送ったところ、今度二条為定の眼に止まり採用となったのである(歌の大意:どうせ私の和歌など、紀伊国和歌の浦掻き集めて捨て藻屑のように、書き捨て紙屑だから、和歌の浦の波のように返ってくるのだろうが、どうか今度こそは返却されずに採用され欲しい)。 なお、森茂暁は、『続後拾遺和歌集』が四季奏覧された正中2年1325年)という時期着目し、これは正中の変後醍醐天皇鎌倉幕府転覆計画発覚し多数の手駒を失った翌年に当たるから、後醍醐の側で目ぼしい武士に恩を売って、少しでも反幕勢力増やしたいという政治的意図があったのではないか、と推測している。また、尊氏の側でも、政治的意図はまだ後醍醐ほどには強くなかっただろうにせよ、二条家背後にいる後醍醐接近したいという想いがあり、両者利害一致した結果採用なのではないか、とも推測している。ただし、2000年代後半以降河内祥輔らによって、正中の変では後醍醐倒幕考えておらず、本当に冤罪だったとする説も唱えられている(詳細当該項目参照)。 いずれにせよ尊氏後醍醐天皇から受けた影響は、単なる政治的なものには留まらず歌学上で後醍醐意志引き継いで二条派振興した南北朝の内乱発生し足利氏内部実権が弟の足利直義移った後、北朝持明院統)で最初に勅撰された光厳天皇の『風雅和歌集』は京極派寄りであり、一時的に二条派衰えた。しかし、観応の擾乱直義勝利し将軍親政開始した尊氏は、幕府北朝安定政策一貫として、北朝後光厳天皇に『新千載和歌集』を執奏した。ここで尊氏は、自分最初に入撰した『続後拾遺和歌集』の時の撰者である二条為定を、再び撰者推薦した。さらに、五摂家一つ九条流二条家当主連歌大成者でもある二条良基これまで登場してきた御子左流二条家とは別の家柄)は、有職故実研究者としての後醍醐天皇尊敬しており、皇統から言えば京極派であるはずの後光厳天皇にも、後醍醐天皇系の二条派を学ぶように説得し後光厳天皇もこれに納得して二条派転じた。こうして、尊氏良基努力により、『新千載和歌集』の撰者には再び二条派の為定が復帰した後醍醐天皇二条派最終的に京極派勝利し京極派南北朝時代中期滅んだのに対し二条派近世まで命脈保った。その著名な伝承者としては、南朝宗良親王北朝頓阿兼好法師室町後期宗祇三条西実隆戦国時代三条西公条三条西実枝細川幽斎などがいる。幽斎の門下からは智仁親王中院通勝らの堂上派松永貞徳らの地下派分かれて江戸時代続き江戸中後期には地下派香川景柄(1745–1821年)の養子となった香川景樹(1768–1843年)が古今伝授権威主義批判し二条派発展的に解消してその後継として実践重んじる桂園派新たに創始した。さらに明治時代には明治21年1888年)に宮内省部局御歌所初代所長となった桂園派高崎正風らが御歌所派形成して昭和21年1946年)の御歌所廃止まで存続した。

※この「足利尊氏の発掘」の解説は、「後醍醐天皇」の解説の一部です。
「足利尊氏の発掘」を含む「後醍醐天皇」の記事については、「後醍醐天皇」の概要を参照ください。

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