桂園派とは? わかりやすく解説

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けいえん‐は〔ケイヱン‐〕【×桂園派】

読み方:けいえんは

香川景樹興した和歌流派古今集重んじ調べの説を唱えて清新平明に歌うことを主張。→伊勢派江戸派


桂園派

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/09 06:02 UTC 版)

桂園派(けいえんは)は、江戸時代後期の歌人香川景樹1768年 - 1843年)に代表される和歌の流派。堂上公家だった清水谷実業から地下の香川家に伝えられた二条派の分流でもある。「桂園」は景樹のに由来する。

沿革

賀茂真淵1679年 - 1769年)らが『万葉集』尊重を主張したのに対し、景樹らは『古今和歌集』を尊重することを主張した[1]。その歌風は平易を尊び、声調を重んじるもので、京阪神畿内)地域を中心に流行した[1]

門下には、内山真弓高島章貞木下幸文熊谷直好など数多くいる。特に木下と熊谷は「桂園派の双璧」といわれた[1]。また、内山が執筆した『歌学提要』(天保14年〈1843年〉成立、嘉永3年〈1850年〉刊行)は、景樹の説いた歌論を、雅俗、趣向、題詠、歌詞など18章に分け組織的に門人に説いたもので、桂園派唯一の体系的歌論書とされた。

やがて明治政府が成立すると、八田知紀高崎正風が召しだされ、前者は歌道御用掛に、後者は御歌所初代所長に任じられ、宮内省派・御歌所派とも称された。しかし、明治30年前後において、与謝野鉄幹ら和歌の革新を求める人々から、桂園派を中心とした歌壇は批判を受けるようになる[注 1]。とりわけ正岡子規新聞日本』に連載した『歌よみに与ふる書[3][注 2]、『古今和歌集』の評価を著しく下げる結果となり[2]自然主義文学観と相俟って桂園派の衰退に大きく影響した[4]

脚注

注釈

  1. ^ 明治30年代は西洋文化を旺盛に摂取した時代であり、古い伝統的な権威を否定して「個」を尊重する理念を多分に受容している[2]
  2. ^ 同じく『日本』に連載した『歌話』[3]の中でも、子規は景樹を筆頭とする桂園派歌人を批判している。

出典

  1. ^ a b c 田中康二 (2011), pp. 194–196.
  2. ^ a b 寺澤行忠 (2013), pp. 349–351.
  3. ^ a b 『子規全集』第7巻(講談社、1975年)所収。
  4. ^ 田中康二 (2000), p. 116(初出は田中康二 1996

参考文献

関連文献

  • 兼清正徳『桂園派歌人群の形成』史書刊行会、1972年。
  • 兼清正徳『桂園派歌壇の結成』桜楓社、1985年4月。
  • 兼清正徳『京都の桂園派歌人たち』山口書店、1990年12月。 ISBN 4841107088

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