警察国家化とは? わかりやすく解説

警察国家化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 02:33 UTC 版)

ベニート・ムッソリーニ」の記事における「警察国家化」の解説

詳細は「警察国家」を参照 結社議会制民主主義規制されていく中で集団行動基本とする社会民主主義自由主義共産主義社会主義)などは抵抗する気概を失うか、キリスト教民主主義民族主義国家主義様にファシズム運動による全体主義合流した。しかし依然としてアナーキストだけは個人主義に基く衝動的なテロによって全体主義体制への抵抗続けた1926年10月31日15歳少年であったアンテオ・ザンボーニ(英語版)がボローニャ銃撃事件起こしその場護衛していた党員の手暴行加えられ死亡したザンボーニアナーキスト系の政治運動参加していた。その後アナーキストによる暗殺計画続き、ジーノ・ルケッティ(英語版)、ミケーレ・シラー(英語版)らが同様の暗殺未遂事件起こしている。また1926年4月7日にはアイルランド貴族の娘であったヴァイオレット・ギブソン暗殺試みて逮捕された。ヴァイオレット街頭で銃撃してムッソリーニ軽傷を負わせたものの、すぐさま群集取り押さえられて袋叩きにされ、警察引き渡された。ヴィオレット犯行理由について支離滅裂な発言繰り返し精神障害者として国外追放命じられた。 しかしアナーキストによる暗殺事件すらムッソリーニは警察国家化への口実活用し首相へ暗殺計画未遂でも死刑とする法律制定した1927年政治犯対象とする控訴認められない国家保護特別裁判所設立する司法改正行い1930年にはファシスト党指揮下の秘密警察OVRA(イタリア語版英語版)(Organizzazione per la Vigilanza e la Repressione dell'Antifascismo、反ファシズム主義者対す監視鎮圧のための組織体)が警察長官の直属組織として設立され5000名の隊員選抜された。1926年から1940年まで14年間の長期わたって警察長官を務めたアルトゥーロ・ボッチーニ(イタリア語版)の指導下で、OVRAは国家保護特別裁判所連動して政治犯摘発実行している。 警察国家化の過程イタリア社会根付いて来たイタリア南部犯罪組織へ摘発開始された。南部犯罪組織社会不安引き起こしイタリア経済障害となっていたことに加え中でも古い歴史を持つシチリア島マフィアはしばしシチリア島分離主義運動とも結びついており、民族主義全体主義目指すファシズムから強く敵視された。特にシチリア島跋扈するマフィアへの対処徹底的なものであり、警察出身ボローニャ県知事チェーザレ・モーリパレルモ県知事抜擢された。チェーザレに対してムッソリーニは以下の様に訓示している。 貴方にシチリアにおける全権与えられている。私が日々繰り返している様にシチリア島秩序取り戻すべきであり、それを貴方は絶対に実現しなければならない何かしらの法がその障害になる場面があるのなら、私が新たな法を定めよう。 — Benito Mussolini" ムッソリーニファシスト党政権全面的協力により、モーリ体制下の警察組織次々とマフィア大物投獄処刑し、またマフィア関与していたシチリア支部対す粛清再編行っている。モーリの手法はムッソリーニ期待していた様に手段選ばず容赦がなかった。構成員身元明らかになる妻子連行して人質取り非合法拷問行って内部事情自白させるなどマフィア顔負け残忍さ組織殲滅ていった。シチリアマフィアの大物であるヴィト・カッショ・フェロ終身刑受けて1943年獄中死しそれ以外大物潜伏海外へ亡命強いられた今日においてもムッソリーニ評価維持されている理由一端として、こうした徹底的なマフィア政策思い起こされるためであるとも言われている。事実モーリムッソリーニ対立してパレルモ県知事退任した1929年時点で、シチリア殺人件数ファシズム体制以前10分の1にまで低下している。

※この「警察国家化」の解説は、「ベニート・ムッソリーニ」の解説の一部です。
「警察国家化」を含む「ベニート・ムッソリーニ」の記事については、「ベニート・ムッソリーニ」の概要を参照ください。

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